女子北朝鮮代表、10年超の長期政権を築く指揮官の一押しは“18歳の新鋭”

12月8日(金)15時29分 サッカーキング

2016年にU-17女子W杯、U-20W杯と異なるカテゴリーで優勝を果たしたスン・ヒャンシム

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 女子北朝鮮代表と言えば、これまで国際大会で好成績を残してきたチームとして知られており、また東アジアでは“なでしこジャパン”の厚い壁となってきた、いわば、日本にとってはライバルと言っていいだろう。

 今回、EAFF E-1サッカー選手権大会に挑む女子北朝鮮代表はどのようなチームなのか。同代表のキム・グァンミン監督と北朝鮮の平壌で会うことに成功し、現状について聞いた。

「来日したチームは去年のU−17W杯とU−20W杯を制覇した選手たちが大半を占めています。平均年齢は21歳とかなり若いですが、勢いがある。反面、経験不足なので、そこを補う戦いができれば優勝は見えてくるでしょう」

 昨年、女子北朝鮮代表はU−17W杯とU−20W杯の両方の頂点に立った。年代別代表を見ているのもキム監督で、すべての年代の選手をこまめにチェックしながら、A代表まで一つのチームを作り上げているのが現状だ。

 しかも、女子代表は2005年からキム・グァンミン監督が就任してから、一度も指揮官が変わっておらず、長期政権が続いている。
結果を残しているからこそ、監督の交代はない。指導法も一貫しているところに強みがあるのかもしれない。

 今回は若手を中心に日本に送り込んだ同代表だが、大きな目標はW杯制覇にある。世代交代を早く進めてチーム力を固めることで、2年後に開催される2019年にフランスで開催される女子W杯を制覇することが最大の目標だろう。

 そういう意味でも、今大会は重要な意味を持つ。というのも、東アジアの4チームはW杯に出場する力を十分に持っているチームばかりだからだ。試合はかなりハイレベルな戦いになることをキム監督はよく知っている。

「すべては初戦の中国戦にかかっています。この試合がどうなるかで、そのあとの展開が大きく左右される。つまり、初戦は絶対に勝たなくてはいけないということです」とその言葉は力強い。

 さらに、日本代表についても熟知しており、「日本は2011年のW杯で初優勝してから、これまで大きく世代交代が進んだことはよく知っています。現在の日本代表チームも、かつての戦力に劣らない力を持っているのではないかと思います」と警戒しつつも、対戦を楽しみにていた。

 キム監督に「注目選手は誰か」と聞くと、紹介してくれたのは、チームの中でもっとも小柄な選手だった。

 名前はスン・ヒャンシム。1999年生まれのFWで今大会では背番号11を背負う。2016年のU−17W杯を制覇したときのメンバーで、日本代表との決勝戦にも出場して勝利に貢献。同大会で彼女は大会最優秀選手(シルバーボール)にも選出された。また、同年のU−20W杯にも出場し、1ゴール決めるなど優勝に貢献した。

 つまり、スン・ヒャンシムは1年で2度、W杯を制覇しており、国際経験は十分。

 キム監督も「彼女はA代表に選ばれるのは今回が初めてだが、彼女を勢いづかせると止めるのは難しいでしょう」と太鼓判を押す。

 プレースタイルは小柄ながらも素早いドリブルを得意とし、前線で相手ディフェンダーを翻弄する。タテの突破から果敢にゴールを狙ってくるだろう。

 11月に平壌で女子代表の練習を見学したあと、彼女に話を聞く機会があったが、とても素朴で控えめな印象だった。それでも「どの試合でもベストを尽くして、しっかりとゴールを決めたい。日本戦には必ず勝利します」と秘めたる思いは強い。

 日本のライバルとして立ちはだかるであろう北朝鮮がどんな戦いを見せるのか。その実力は決してあなどれない。

 なでしこジャパンと北朝鮮代表は、12月15日(金)にフクダ電子アリーナで激突する。

文=金明昱(キム・ミョンウ)
協力=アジアサッカー研究所

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