16番手から4位で魅せたハミルトン。メルセデス最後の“ハンマータイム”にしんみり「もうこれを聞くことはない...」

2024年12月9日(月)15時4分 AUTOSPORT web

 2024年F1アブダビGP決勝で、メルセデスのルイス・ハミルトンは、16番グリッドから1周目に大きく順位を上げ、1ストップで走り、4位でフィニッシュした。


 予選Q1で、最後のアタックのためコースインするタイミングが遅すぎて、最適なラップを走れなかったうえに、ケビン・マグヌッセン(ハース)がヒットしてコース上に飛んできたボラードがマシンに引っ掛かるという不運が重なり、ハミルトンは予選18番手に終わった。


 決勝は他車のペナルティにより、16番グリッドからスタート。他車がミディアムタイヤでスタートしたのに対し、ハミルトンのみがハードを選択。しかしハミルトンは1周目に12番手にポジションを上げ、ミディアム勢がピットストップを行った後もステイアウトし、長いファーストスティントを取り、30周目には3番手に。


 34周目にミディアムタイヤに交換、セカンドスティントを7番手からスタート。タイヤを生かして、非常に速いペースで飛ばし、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)を抜いて、42周目には、チームメイトのジョージ・ラッセルの後ろ5番手まで来た。


 その時点でラッセルとのギャップは約14.4秒あったものの、ハミルトンはどんどん差を縮めていき、残り1周のところで1秒以内に追いつくと、ターン9でアウト側からチームメイトを追い越し、4位に上がり、フィニッシュした。


 ハミルトンにとって、2024年アブダビは、メルセデスで過ごした12年間の時代を締めくくる、最後のレースだった。ハミルトンはこれまで達成した7回のドライバーズタイトルのうち6回を、メルセデスで獲得。ひとつの時代の終わりを記念し、レース終了後、ハミルトンがストレートでドーナツターンを披露する時間が設けられた。

2024年F1第24戦アブダビGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)がレース後にドーナツターンを披露


■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
決勝=4位(58周/58周)
16番グリッド/タイヤ:ハード→ミディアム

2024年F1第24戦アブダビGP レース後、観客に手を振るルイス・ハミルトン(メルセデス)


 厳しいレースだったけれど、本当に楽しかった。序盤はハードタイヤで忍耐強く走る必要があり、オーバーテイクするのは簡単ではなかった。でも終盤にミディアムコンパウンドを履いて、追い上げていった時の気分は最高だったよ。


 16番手から4位に浮上したのはすごいことだ。今夜の展開とマシンの感触には、本当に満足している。チームと一緒に過ごした時間を締めくくるのにふさわしかった。


 チェッカーフラッグを受けた後、メルセデスのコクピットに座るのはこれが最後だと知っていたから、それを実感することに集中し、感情を味わった。この瞬間を忘れたくないと思い、ただそこに座って、チームと一緒に経験してきたこと、直面した浮き沈み、享受してきた成功について考えていたんだ。


 このチームのことをどれほど恋しく思うだろう。言葉にはいい表せない思いだ。この12年間、毎日彼らと一緒に仕事をしてきた。そこにはたくさんの愛があった。来年(2025年)はコース上で競い合うことになるけれど、この愛が消えることはない。


(アブダビ決勝中に、レースエンジニア、ピーター“ボノ”ボニントンから合言葉「ハンマータイムだ(It’s Hammer Time/さあ、プッシュするぞ)」と言われた時のことについて語り)ボノが「ハンマータイムだ」と言った瞬間に気付いた。「もうこれを聞くのは最後なんだ」とね。その瞬間に実感したんだ。










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