羽生結弦、4回転5本成功で宿敵チェンに見せた意地の4分間

12月9日(月)15時3分 SPAIA

羽生結弦Ⓒゲッティイメージズ

Ⓒゲッティイメージズ

ネーサン・チェンが世界最高で3連覇

最後は氷上に膝をついてフィニッシュポーズを決めきれないほどエネルギーを出し尽くし、五輪王者として鬼気迫る意地の4分間だった。フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルは12月7日、イタリアのトリノで行われ、男子で羽生結弦(ANA)がフリーでルッツを含む4種類計5度の4回転ジャンプを着氷して194.00点を出したが、ショートプログラム(SP)に続いて2位となり、合計291.43点で2位にとどまった。

最大のライバル、ネーサン・チェン(米国)に43.87点の衝撃的な大差をつけられ、4連覇した2016年大会以来3年ぶりの出場で男女を通じて史上初の5度目の頂点には届かなかった。それでもジャンプが8本から7本に減った昨季からのルール改正後初めて4種5本の4回転ジャンプを跳び、次のステージへ新たな一歩を記した形だ。

SP1位のチェンはフリーも1位の224.92点をマークし、合計335.30点で圧巻の3連覇を達成。4種類計5度の4回転を決めたフリー、合計の得点で自身が持つ世界最高を更新した。ケビン・エイモズ(フランス)が合計275.63点で3位に入った。

GPファイナル成績

終盤の連続ジャンプで痛いミス

25歳の誕生日に迎えたフリー。そして憧れのエフゲニー・プルシェンコ氏(ロシア)が金メダルを獲得した2006年トリノ五輪と同じパラベラ競技場。羽生が昨季の再演となるフリー「Origin」は、プルシェンコ氏がかつて演じた「ニジンスキーに捧ぐ」をオマージュしたものだ。

そんな思い入れも強いプログラムで羽生はチェンとSPでついた12.95点差をはね返そうと、ルッツ、ループ、サルコー、トーループの4回転を演目に入れて大逆転を狙った。冒頭で4回転ループ、さらに約2年ぶりに組み込んだ高難度の4回転ルッツを鮮やかに成功させ、後半も4回転サルコーを何とか着氷。4回転ループで4.05点、4回転ルッツで3.94点の出来栄え点を引き出し、自身初の4種類5本の4回転ジャンプをクリアしたが、基礎点が1.1倍になる終盤の連続ジャンプが乱れ、最後のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で単発の1回転半になるミスも出た。

羽生結弦の演技詳細

5種類の4回転を跳べるライバルに勝つため、ジャンプの基礎点で相手を1.35点しのぐ計算し尽くした構成だったが、3月の世界選手権に続いて連敗。合計300点も超えられなかった。

異次元のライバル対決は4勝4敗

一方、20歳のチェンは高さと着氷後の流れがある4回転のルッツ、フリップ、サルコーと2度のトーループを決めた。フリーの224.92点、合計の335.30点は、ともにフリーのジャンプが一つ多かった2017〜18年シーズンまでの旧ルールで羽生が持っていたフリーの223.20点、合計の330.43点の世界最高得点も上回る驚異的なスコア。これでチェンとの直接対決は、団体戦の国別対抗を除いて4勝4敗のタイとなった。

羽生チェン対戦成績

チェンは冒頭の4回転フリップ—3回転トーループで5.03点、次の4回転ルッツで4.27点、後半の4回転サルコーで4.16点も出来栄え点を引き出す質の高さが際立った。昨年の世界選手権から負けなしの強さ。それでも表現力を示す演技構成点では95.78点に対し、羽生も93.64点とほとんど差はない。

究極の大技4回転半にも挑戦へ

さらなる高みを目指す羽生は今大会の公式練習で究極の大技、クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に初めて挑戦。3本連続で跳んで転倒したが、チェンに勝つには演技の完成度と表現力のみならず、ジャンプの難度にも挑み続けるほかない。限界に挑戦する胸の高鳴り、ライバルと戦う大きなモチベーションを得ているはずだ。

次戦は4年ぶりとなる全日本選手権(12月19日開幕、東京・代々木)。さらに来年3月には世界選手権(カナダ)でチェンとの再対決が待っている。異次元のライバル争いは、2022年北京冬季五輪の大舞台まで火花を散らしそうだ。

SPAIA

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