【阪神JF】リアアメリアは今後巻き返し可能なのか?レースを予想とともに振り返る

12月9日(月)11時13分 SPAIA

イメージ画像ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

逃げ戦法で自力勝負に持ち込む

2歳女王決定戦は規格外の末脚で前哨戦を勝ったリアアメリア、ウーマンズハート、牡馬相手に重賞善戦のクラヴァシュドールの3強に人気が集中。見た目にインパクト満点の末脚を披露した上位馬に目を奪われるが、インパクトでは負けても影ながら優秀な記録を持っていたレシステンシアが本番で見事に真価を発揮し、優勝した。勝ち時計の1分32秒7は改装初年度にウオッカがマークした基準タイムを0秒4上回る好記録。一躍桜の主役へと躍り出た。

パドックの映像を振り返られる方はぜひ振り返ってほしい。レシステンシアは迫力でリアアメリア以下を圧倒していた。肩口やトモの筋肉の発達は走るダイワメジャー産駒特有のものだった。ややトモ高なところもダイワメジャー産駒らしく、まだまだ成長の余地を残すものの、そんなトモの発達こそこの馬の武器だ。

前走のファンタジーSではハイペースを番手から抜け出した好内容も、ややスピード型に取られ、マイルへの距離延長に対する懸念もあった。控えるにしては緩い流れになる公算が高く、折り合いに不安を抱えるタイプであったが、これを逆手にとったのが北村友一騎手の好判断だった。先手を取る馬がいないとみるや、自らハナを奪い、この馬が得意とするスピード耐久戦に持ち込んだのだ。

前半800m45秒5はリアアメリアもウーマンズハートもクラヴァシュドールも未体験の厳しい流れ。後方2番手に控えたリアアメリアは末脚を削り取られ、3番手付近を取りに行ったウーマンズハートは結果的にらしさを発揮できなかった。

後半800mは47秒2で2歳牝馬にはタフすぎた。先手を奪って楽に走ったといっても、レシステンシアは残り200mで2着マルターズディオサ、3着クラヴァシュドールを寄せつけないセーフティリードを奪った。スピードの持続力というダイワメジャー産駒の強みを余すことなく生かした北村友騎手のファインプレイだった。

3強の巻き返しはあるのか

さらに掘り下げていくと、後半の3ハロンは11秒2-11秒5-12秒5、レシステンシアは逃げて上がり最速35秒2を出しており、超A級ランクのダイワメジャー産駒らしい記録である。淀みないラップを刻みながら、残り600mでいち早く11秒2と加速して勝負を決めるあたりも見事だった。

流れを考えれば、4角2番手で後ろからきたクラヴァシュドールを抑えたマルターズディオサも大健闘。新馬でウーマンズハートに遊ばれたが、その後は2戦2勝。着差が少なく地味なイメージもあるが、レシステンシアの自力勝負に真っ向から挑んでの2着は価値が高い。キャリアの浅い2歳牝馬同士の戦いはしばしば目を奪われるような追い込みに強さを求めてしまいがちだが、1、2着馬はどちらも地味ではあるが、優秀な記録の持ち主。キャリアが浅いからこそ、各馬のレース内容を慎重に分析する力が求められる。その意味ではクラヴァシュドールの前走2着はやはり牡馬、それも2歳牡馬Aランクのサリオス相手の記録だけに価値はあったということだろう。

思わぬ大敗となったリアアメリアの評価は今後も難しい。今日のような流れではなく、ゆったりとした瞬発力が生きる流れであれば再浮上も可能だが、今後の桜花賞路線は必ずレシステンシアが立ちはだかるわけで、そんな甘い流れになる可能性は低い。やはり自力で勝ちに行けるたくましさを身に付けられるかどうかにかかっている。

ウーマンズハートはキャリアの浅さが敗因となった。新潟2戦のみだったことがアダとなったようで、リアアメリアとは対照的に慣れないハイペースでの先行もこたえたようだ。4着確保は自力の証明で、こちらはハーツクライ産駒でこれから成長曲線への可能性をまだまだ残す。

予想陣では東大ホースメンクラブが△×◎で3連複8,560円を的中。6番人気の伏兵マルターズディオサを三木俊幸氏が好走した上がり3ハロン平均値から穴として☆に指名。門田光生氏も同馬を2勝ともに異なる形で勝利した点に注目して〇と高い評価を下していた。

リアアメリア、ウーマンズハート、クラヴァシュドールの3強はそれぞれ今後に課題を残す結果となったものの、インパクトだけではなくそれを裏付ける記録を有することは事実だ。しかし牝馬路線は牡馬とは異なり、2歳時の序列が桜花賞まで変わらないことが多い。それだけにこれから訪れる厳しい冬をどう乗り越え、どれだけ力を蓄えるかにかかっている。2歳時の記録を上回るパフォーマンスをできるかどうか、この一点から目を離してはいけない。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて「築地と競馬と」でグランプリ受賞。中山競馬場のパドックに出没。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にて記事を執筆。

SPAIA

「阪神」をもっと詳しく

「阪神」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ