通勤でも職場でも公園でも…。サスケ君の驚くべきトレーニング方法

12月9日(月)6時30分 Sportiva

サスケ君のSASUKE勝利学 第4回  (第1回から読む>>)

こんにちは、森本裕介です。

 トレーニング計画を立て、映像を見直して気になるところをチェックする。僕の場合、大会終了後はいきなり体を動かすのではなく、連載第2回、第3回でご紹介したように「SASUKEの研究」を始めるところからスタートします。

 例えば「ドラゴングライダー」が初登場した第35回大会の後は、特にそのエリアで印象的な落ち方をした人、逆に上手にクリアした人の動きを何度も見返して、「このタイミングでためをつくるのがいいんだな」「この跳び方は良くないな」など成功例と失敗例を研究しました。まずはエリアの攻略方法とトレーニングの方針を決めて、それからようやく実際に身体を動かし始めます。


「ドラゴングライダー」。トランポリンを使って上空のバーを掴み、レールの上を高速でグライドしながら2本目のバーに飛び移る、1stステージの難関エリア


 SASUKEのトレーニングは、1年間ずっと同じ内容をやっているわけではありません。時期によってやる内容は変えますし、強度にも緩急をつけます。
 
 例えば、

・エリアの攻略法を研究したり、トレーニング計画を立てたりする時期
・セットを作り替えたり新設したりして、練習環境を構築する時期
・自分の動きを撮影し、コマ送りで何度も見て修正を重ね、技術を向上させる時期
・筋力が不足しているとわかり、徹底的に筋力を鍛える時期
・本番が近くなり、通し練習など実戦に近い練習をする時期
・本番でベストパフォーマンスが出せるように、休養やイメージトレーニングを中心にするコンディショニングの時期

 など、パッと思いつくだけでも時期によってこれだけやっていることが変わってきます。これらについて詳細に述べると軽く一冊本が書けてしまうので、ここでは割愛させていただきます(笑)。


 本稿では、SASUKEのセットを使わずに僕が近くの公園や階段を使って行なっているSASUKEトレーニングをご紹介します。

 よく聞かれるのが、「セットを作らなければSASUKEの練習ってできないんですか?」ということ。もちろん、似たようなものを自分で作れる、もしくは作った人が知り合いにいる、という環境がベストではあります。ですが、ちょっとした工夫で身の回りにあるものを用いてSASUKEのトレーニングをすることは可能です。

 まず、僕がコンディショニングでよくやるのが、公園にあるポールなどを使ってのバランス。フェンスや、ブランコを囲っているような柵など、ああいう細いレール状のものの上に乗って、歩きながらバランスを取ります。

 これは体幹やバランス感覚を鍛えるという意味もありますが、それ以上に集中力をつけるいい練習になるのでオススメです。ポールの上を歩いて、足の裏の感覚や自分の重心がどこにあるのかを感じながら、ほかのことは一切考えずにそれだけに集中する。SASUKEの攻略には集中力がとても大切です。アメリカ版SASUKEの完全制覇者であるドリュー・ドレッシェル選手も「大切なのは集中力」とVTRの中で述べています。

 SASUKEが好きな人の多くは、公園でのトレーニングをすでにやったことがあるかと思いますので、もう少しハイレベルなお話を。こういったトレーニングは体力面の向上ももちろん目的のひとつではあるのですが、ほかにも意識すべきことがあります。
 
 例えば、力の緩急、呼吸法です。SASUKEの1stステージは(前回の第36回大会では)85秒の制限時間で挑戦するのですが、この85秒間常に全力で力を込めていると終盤のエリアで必ず力尽きます。うまく体力配分しないと、どんなに体力がある人でも最後の「そり立つ壁」を登れずにタイムアップです。なので、普段の公園トレーニングの時から常にこれらを意識します。

 
「ここはもっと力を抜けるな」

「このエリアはほぼ無酸素で通過しないといけないから、その後の通路ではしっかり呼吸しておいたほうがいいな」

 など、「体力の向上」だけではなく「自分の持っている体力をいかに効率的に使っていくか」ということが重要です。SASUKE挑戦に向けて何年もトレーニングを積んだ、という方でもこの考え方が抜けている人が非常に多く、練習では何時間トレーニングしても全然平気でも、本番では序盤のエリアでリタイアしたにもかかわらずものすごい息切れでインタビューもままならない、ということがよくあります。
 
■日常にSASUKEを取り入れる

 例えば、普通の階段を昇るときに「ローリングヒル」を思い浮かべるという方法。僕の職場はIDEC本社ビルの7階にあるのですが、僕はいつも、エレベーターは使わずに7階まで歩いて昇っています。階段の凹部分が黒い影になっていて、その90度になっている部分につま先を刺しながら昇るようにするのです。この感覚が本番のローリングヒルにすごく似ているのです!


1stステージ第2エリアの「ローリングヒル」。「面を踏んでしまうとおしまいです」と森本


 そして下りでも、ローリングヒルを降りるときのように、半身になってつま先を刺して降りていきます。本番のセットと同様に、4回降りたらカカト重心で正面向きに反転し、立ち幅跳びをするイメージで……。

 
 たったこれだけの習慣で、昼休みに1階の食堂に向かう間に10回以上ローリングヒルの下りの練習ができるのです。
 
 何とお得な!!

……と工夫次第で、隙間時間でも本番に通用する素晴らしい練習をすることができます。
 
 普段の生活の中でもSASUKEの動きを取り入れられる場面は意外とあります。通勤中の電車の中で目を閉じてSASUKEのイメージトレーニングをすることも有効です。ひと駅の移動でも1stステージのスタートからゴールまで、十分にイメトレができます。僕はこのように、普段の生活からSASUKEの成長につながる方法はないかということを常に考えるようにしています。
 
 というより、気がついたら自然とSASUKEのことを考えているというほうが正しいかもしれませんが……(笑)。

■今週の格言:日常生活にSASUKEを取り入れよう!





<プロフィール>森本裕介 Morimoto Yusuke
1991年12月21日生まれ、高知県出身。IDEC株式会社にソフトウェア・エンジニアとして勤務。7歳でSASUKEに目覚め、15歳のときに第18回大会(2007年)で初出場。2015年に史上4人目の完全制覇を達成。第35回、36回大会で出場者100人中唯一FINALステージに進出した、現役最強のSASUKEプレーヤー


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