MotoGP:FIM、即時施行の競技規則、技術規則、懲戒規則を発表。新たなラップレコードが承認
2018年12月10日(月)15時58分 AUTOSPORT web
FIM(国際モーターサイクリズム連盟)は、スペインの首都マドリードでグランプリ・コミッションが協議して決定した競技規則、技術規則、懲戒規則を発表した。
今回発表された競技規則、技術規則、懲戒規則は即時有効となる。FIMが発表した内容は以下の通りだ。
【競技規則(即時施行)】
■レース順位
以前は最終的な順位を得るためには、ライダーはマシンとともにフィニッシュラインを通過しなければいけなかった。過去に、転倒が原因で、ライダーとマシンが別々にフィニッシュラインを通過した状況があった。将来的にフィニッシュタイムは、フィニッシュラインを通過するライダー、もしくはマシンの最初の部分によって決定する。
■代替ライダー
Moto3チーム、またはMoto2チームは、FIM CEVなど他の選手権に参戦するために契約したライダーを負傷者の代役として起用する場合がある。将来、代役に指名されたライダーは、参戦する他の選手権での参戦義務を履行することが許可され、グランプリの14日以内に同じサーキットでイベントが開催されることを含めて、テスト日数としてカウントされない。
■レース中断後のリスタート時のライダー出走許可
ライダーが中断されたレースのリスタートに関する明確な基準を確立するための規制が承認された。ライダーは、マシンを再始動するため、またはマシンをトラック、トラックサイド、もしくはサービスロードに移動させるために、マーシャルから支援を得られることができることが確認された。
この問題を扱う規則上の『アクティブ』及び『アクティビリ・コンペティング』とは、ライダーがトラック上で走行していること、マシンを修復/リスタートしていること、トラックに再度合流すること、またはピットレーンに戻ることを意味する。FIM MotoGPスチュワードはライダーが積極的にレースをしているかを判断する唯一の裁判官であり、そのような判断は上訴の対象にはならない。
■黄旗区間での追い抜き
黄旗区間でポジション違反や他の侵害に関連した情報は、ダッシュボードディスプレイとフィニッシュラインを介して最大で3周の間に伝達される(以前は最大5周)。
■マシン始動
安全上の理由から、ピットボックス内でレーシングバイクのエンジンを始動させることはできない。エンジンはピットレーン上で始動させなければいけない。
■サーキットラップレコード&レースラップレコードの公式権利
新しい公式権利は、以下のサーキットレコードが承認された。
オールタイムラップレコード
すべててのグランプリセッションを含めた歴史上最速のラップタイム。
ベストレースラップ
レース中に記録された最速のラップタイム。
■コンセッションポイント(MotoGPクラス)
マニファクチャーが譲渡を失うために十分なコンセッションポイントを獲得すると、テストライダーがグランプリサーキットでテストを実施する権利が取り消される。マニファクチャーはテストを実施するために3つのサーキットを指定する必要があり、これが次のシーズンに適用されることが規定で明確になっている。
コンセッションポイントを累積したマニファクチャーが数年後に譲渡を失うことはなかったが、コンセッションポイントを獲得した日から2年後に失効することが決定した。
■グリッド上でのジェネレータ使用
現行の規則では最大出力2キロワットの手持ち発電機の使用に制限されている。現在は発電機がツールボックス、スペアーホイール、他の機器を備えたサービスカートに組み込まれている。
したがって、現行の規則は取り消され、テクニカルディレクターはチームがグリッド上に持ち込む発電機/サービスカートの合否を判断する責任を負う。
【技術規則(即時施行)】
■Moto2クラス技術規則
エンジンサプライヤーがホンダからトライアンフに変更となるため、このクラスの技術規則が修正された。規則の詳細は、FIMのオンラインで近日中に公表する。
■タイヤアロケーション
セーフティ委員会とオフィシャルタイヤサプライヤーと協議した結果、タイヤの割り当てが次のような変更が加わる。
MotoGPクラス
レインタイヤの割り当ては、合計11本からフロントタイヤ6本、リアタイヤ7本の合計13本に増加。
Moto3クラス&Moto2クラス
上記2クラスはレインタイヤに制限はない。ただし、オフィシャルタイヤサプライヤーは、ライダーひとりにつき最低4セットのレインタイヤを準備しなければいけない。
【懲戒規則(即時施行)】
■控訴の対象とならない罰則
懲戒規定には、控訴の対象とならない罰則のリストが含まれている。通常、罰則はレース中に与えられる。しかし、FIMスチュワードは、通常、レースに残っている時間が不十分であるため、標準的なペナルティ(例えば、ポジションの変更、ライドスルーなど)が遵守できない場合、別のペナルティの代わりにタイムペナルティを課すことがある。
このような事項を扱う規則が変更となる。これにより、控訴不可能な罰金の代わりにタイムペナルティが与えられた場合、タイムペナルティも控訴することができなくなる。