最少失点C大阪が優勝を狙うのに必要なこと。スペイン人選手に食指?

12月10日(火)6時40分 Sportiva

 スペインの名将、ミゲル・アンヘル・ロティーナが率いたセレッソ大阪の1年とは何だったのか。

 開幕当初、セレッソは9試合で2勝2分け5敗と低迷していた。それが第10節からの10試合は7勝1分け2敗と反転攻勢に出る。選手たちの心身が充実し、4−4−2のポジション的優位を目指した戦い方がはまり、最終的に5位でシーズンを終えた。


最終節は大分トリニータに0−2で勝利したセレッソ大阪

「チームとして変わったのは、10節の(松本)山雅戦だと思います」

 今シーズン、セレッソでチーム最多得点を記録したMF水沼宏太はそう振り返っている。

「(3−4−2−1から)4−4−2にシステムが変わったのもあるんですけど、選手の中で危機感もありました。そこで、”走って戦う”という基本に立ち返ろうと。戦えていないという実感があったなか、山雅戦はみんなで声を掛け合って、チームとしてすごくいい戦いができたんです。それが自信になって、次の試合も勝てて、少しずつ確信に変わりました」

 昨シーズンの7位を上回る成績と言える一方、群雄割拠のリーグであと一歩、優勝争いに食い込めなかったのも事実だ。

「チームは成長のプロセスにあると思っています!」

 攻守の戦術的な軸になった水沼は言う。ロティーナ・セレッソの行き着く先とは——。

 ロティーナは、守備のトレーニングに関しては自ら先導している。攻撃については右腕のイバン・バランココーチに任せているが、守備には絶対的な自信を持つ。実はスペイン監督時代も、ログロニェス、ヌマンシア、オサスナ、セルタなど、北部のクラブで手堅いチームを作ってきた。

 セレッソでも、その堅守は際立っている。松本戦からの10試合はわずか4失点。リトリートし、ブロックを作る守備は鉄壁で、シーズンを通じてもリーグ最少失点を誇る。

「ロティーナのおかげで頭の中にあるプレーが整理されて、選択肢を与えてもらっているな、と思います」

 水沼はそう言って変化と成長を説明している。

「自分自身は、考えてプレーできるようになりました。ピッチに立った時に、周りを見渡し、どういう状況なのか。おかげでいいポジションを取れて、スムーズにプレーできるようになったんです。最初はポジションを決められているようで、制御されている感じがあったかもしれません。でも、選手がお互いにその感覚を整理できるようになると、連鎖するようにいい形でボールを受けられるようになったし、守備でもアドバンテージを取れるようになったんです」

 後ろでボールを回しながら、サイドへボールを展開し、ボランチへつける——。相手のラインを越えるトレーニングを積み重ね、精度は上がった。詰まったらやり直し、相手の立ち位置を変えたら、自分たちが”地理的な優位”を得ることができた。

 ポジション的優位が浸透して守備は見違えるほど向上したが、一方で、攻撃はまだ発展途上にあるということか。

「今は攻撃と守備の着地点を見つけているところかもしれません」

 水沼は言う。

「まずは守備でいいポジションを取ることで、攻撃になった時に強引さに欠けたところもあります。チャンスと見極めたら、バッと前に出られるか。ダイナミックさというか、そこはもう少しあってもよかったかもしれません。セレッソの選手はみんな走れるし、必ず出せるはずで、そこは課題かなと。でも、ロティーナ監督が持っているオプションを選手が引き出せるはずだし、攻撃も数字で結果が出せると思っています」

 ロティーナ・セレッソは、来シーズンに向けて算段を整える。優勝を狙うには、選手層の厚みが必要になるだろう。今シーズンは清武弘嗣、レアンドロ・デサバト、丸橋祐介のような主力がケガで離脱すると、明らかに戦力はダウンした。戦い方まで変わってしまった。

 そこでチームはすでにスペイン人サイドアタッカー、スペイン人ボランチ、日本人サイドバックに食指を動かしていると言われる。また、FWブルーノ・メンデスを完全移籍で獲得するには高額なだけに、ほかの外国人FWに触手を伸ばす公算が高いだろう。ケガで離脱しているFW都倉賢の復帰も大きな”補強”になるはずだ。

「最後まで気を抜くな!」

 第32節でヴィッセル神戸に敗れたあと、ロティーナは選手たちに檄を飛ばしたという。その結果、連勝を飾ることができた。誰が戦える選手か——。来季に向けて見極めたはずだ。

 2020年シーズン、就任2年目となるスペインの名将の集大成が見られるかもしれない。

Sportiva

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