MotoGP:ロレンソ引退やザルコ残留により体制変わる2020年。暫定ライダーラインアップを更新
2019年12月12日(木)19時28分 AUTOSPORT web
11月19日にFIM(国際モーターサイクリズム連盟)は、2020年シーズンのロードレース世界選手権のエントリーリストを公開した。ところが、12月9日にヨハン・ザルコが来季からレアーレ・アビンティア・レーシングで参戦することが決まり、MotoGPクラスのライダーラインアップに変更が加わったので改めて紹介する。
ロードレース世界選手権の2020年暫定エントリーリストは、チームが事前にエントリーを確定させ、最終戦バレンシアGPの決勝日の翌日にあたる11月18日にFIMが公開することになっていた。しかし、公開されたのは19日と1日遅れで、そこからさらにエントリーが入れ替わった。
ほとんどのライダーが2019年からメーカーやチームと2年契約を締結していたため、シーズン初めには2020年のMotoGPラインアップに大きな変更はないと見られていた。しかし2020年末まで契約を結んでいたヨハン・ザルコ、ホルヘ・ロレンソ、カレル・アブラハムがチームを離れることになり2020年の顔ぶれが変わることになった。
まずは、2019年からレッドブルKTMファクトリー・レーシングに移籍したザルコ。ヤマハYZR-M1を駆った2017〜2018年は表彰台を獲得する活躍を見せたが、KTMでは成績不振に陥った。これを受けてKTMとザルコの双方が契約の途中解除に合意したため、ザルコはシーズンを半ばにしてチームを離れた。
ザルコとKTMとの契約は2019年いっぱいまで有効となっていたが、右肩の治療に専念する中上貴晶の代役として、ザルコはLCRホンダ・イデミツからシーズン終盤の3戦に出場した。
最終戦ではロレンソが2019年シーズンを最後にMotoGPを引退すると発表し、急きょレプソル・ホンダ・チームに空席ができた。MotoGPで6度目の戴冠を達成したマルク・マルケスのチームメイト候補にはザルコの名前も挙がったが、最終的にはMoto2チャンピオンのアレックス・マルケスが最高峰クラスへ昇格。レプソル・ホンダ・チームは、マルケス兄弟コンビで2020年シーズンを戦うことになる。
レプソル・ホンダ・チームのライダーが確定したことにより、全チームのラインアップも確定したかに思われた。ところが、11月末にアブラハムがレアーレ・アビンティア・レーシングからの離脱を発表。12月9日には、そのシートにドゥカティとの1年契約を締結したザルコが収まると発表された。
ザルコの後任としてKTMに加入するのは、ルーキーのブラッド・ビンダーだ。KTMのサテライトチームであるレッドブルKTMテック3からハフィス・シャーリンが離脱するため、当初ビンダーはここに収まる予定だった。しかしザルコの一件によりKTMのシートがひとつ空いたため、ビンダーがファクトリーチームに大抜擢されたのだ。
ビンダーに代わってレッドブルKTMテック3のシートを掴んだのは、同じくルーキーのイケル・レクオーナ。彼はレッドブルKTMアジョからMoto2クラスに参戦することが決まっていたが、一連の流れを受けてMotoGPへの昇格が決まった。
現時点での2020年シーズンのルーキーライダーは、アレックス・マルケス、ビンダー、レクオーナ。この3名が最高峰クラスのルーキー・オブ・ザ・イヤーをかけて争うことになる。
ティト・ラバットを除く21名のライダーが2020年末までの契約となっているため、契約の切れる2021年にはライダーラインアップが大きく変更する可能性もあるだろう。
■2020年MotoGPクラス暫定エントリーリスト(12月9日時点)
No. | Rider | Team | Motorcycle |
---|---|---|---|
93 | マルク・マルケス | REPSOL HONDA TEAM | ホンダ |
73 | アレックス・マルケス | REPSOL HONDA TEAM | ホンダ |
4 | アンドレア・ドヴィツィオーゾ | DUCATI TEAM | ドゥカティ |
9 | ダニロ・ペトルッチ | DUCATI TEAM | ドゥカティ |
12 | マーベリック・ビニャーレス | MONSTER ENERGY YAMAHA MotoGP | ヤマハ |
46 | バレンティーノ・ロッシ | MONSTER ENERGY YAMAHA MotoGP | ヤマハ |
42 | アレックス・リンス | TEAM SUZUKI ECSTAR | スズキ |
36 | ジョアン・ミル | TEAM SUZUKI ECSTAR | スズキ |
44 | ポル・エスパルガロ | RED BULL KTM FACTORY RACING | KTM |
33 | ブラッド・ビンダー | RED BULL KTM FACTORY RACING | KTM |
41 | アレイシ・エスパルガロ | APRILIA RACING TEAM GRESINI | アプリリア* |
29 | アンドレア・イアンノーネ | APRILIA RACING TEAM GRESINI | アプリリア* |
21 | フランコ・モルビデリ | PETRONAS YAMAHA SRT | ヤマハ* |
20 | ファビオ・クアルタラロ | PETRONAS YAMAHA SRT | ヤマハ* |
63 | フランセスコ・バニャイア | PRAMAC RACING | ドゥカティ* |
43 | ジャック・ミラー | PRAMAC RACING | ドゥカティ* |
35 | カル・クラッチロー | LCR HONDA CASTROL | ホンダ* |
30 | 中上貴晶 | LCR HONDA IDEMITSU | ホンダ* |
88 | ミゲール・オリベイラ | RED BULL KTM TECH 3 | KTM* |
27 | イケル・レクオーナ | RED BULL KTM TECH 3 | KTM* |
5 | ヨハン・ザルコ | REALE AVINTIA RACING | ドゥカティ* |
53 | ティト・ラバット | REALE AVINTIA RACING | ドゥカティ* |
*はインディペンデントチームライダー