エクストリームE:WRC9冠王者セバスチャン・ローブ見参。ルイス・ハミルトンのX44から参戦決定

2020年12月12日(土)7時55分 AUTOSPORT web

 地球環境保全とその啓蒙をコンセプトに掲げた独創的な電動オフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』シリーズに、WRC世界ラリー選手権9冠を誇る“レジェンド”ことセバスチャン・ローブの参戦が決定。2020年にF1グランプリで7度目のワールドタイトル獲得を決めたルイス・ハミルトンの新チーム『X44』から、スペイン出身で29歳のクリスティーナ・グティエレスと電動ワンメイクSUV『オデッセイ21』をシェアする。


 また、リードドライバーにマティアス・エクストロームの起用をアナウンスしていたアプト・クプラXEは、女性ペアにドイツ出身のクラウディア・ヒュルトゲンの加入を発表した。


 言わずと知れた史上最強のラリーストであり、WRC通算79勝の金字塔を打ち立てたローブが、電動オフロードレースの世界にチャレンジすることが決まった。モータースポーツ界の伝説とも言うべきフレンチドライバーは、ステージラリーの一線から退いて以降も、ツーリングカーやラリークロス、そしてダカールなどのレイドへと転向し、主に母国のマニュファクチャラーとの協業で数々の実績を積み重ねてきた。


「チームX44に参加することは、私が好きなこと……つまりレースを続ける機会を得たことになる。電動車両で競技に挑むことを楽しみにしているんだ」と、自身初のエレクトリック・シリーズ参戦への抱負を語ったローブ。


「つい最近になってマシンをドライブする機会に恵まれたが、その感触は信じられないほど異次元のものだった。クリスティーナ(・グティエレス)は素晴らしいドライバーであり、彼女とパートナーを組み一緒に何ができるかが本当に楽しみだ。そしてルイス(・ハミルトン)がF1で重ねている実績には心から感銘を受けている。彼と一緒に仕事ができるのは本当に名誉だ」と続けたローブ。


 そのローブとともに直近にもドニントンパークのオフロードステージでテスト走行に臨んだグティエレスは、晴れてレジェンドのペアリングドライバーに抜擢された。


 そんな彼女も2017年にダカールラリーの4輪部門で完走を果たした最初のスペイン人女性ドライバーとなり、男性も含めた同年のルーキードライバーで5位の実績を残した。


 また、国内のラリー選手権では総合2位の成績も残しており、2011年から2016年までランキングトップ10の記録を重ねるなど、スペインが誇る女性ラリードライバーとして注目を集めてきた。


「こうしてX44に加入できたことにワクワクしている。私にとって非常に重要な気候変動危機への意識を高める機会を得ただけでなく、ふたりの英雄と仕事をすることができるんだもの!」と、喜びを語ったグティエレス。

ルイス・ハミルトンのチームで走ることを決めたセバスチャン・ローブ。世界王者同士の豪華共演が実現した
「これで初年度にグリッドへ並ぶ半数以上のドライバーを発表した。その顔ぶれを見て、開幕がすでに待ちきれない」とシリーズCEOのアレハンドロ・アガグ


■ハミルトン「尊敬を抱いてきたドライバーを乗せることをとても誇りに思う」


「セバスチャン・ローブは史上もっとも素晴らしいラリードライバーで、彼とパートナーを組むことができ本当にうれしい。彼からたくさんのことを学ばなきゃ、ただの間抜けになる。そして私はF1の大ファンでもあり、ルイスのレースを何年も見てきた。彼のチームでドライバーとして起用されるなんて夢みたいな気分ね」とグティエレス。


 ふたりの起用を決めたチーム創設者のハミルトンも、「セバスチャンとクリスティーナをX44に迎えることができてうれしく思う」と期待を寄せる。


「彼らはどちらも素晴らしいドライバーであり、どんなレースを見せてくれるか本当に楽しみにしている。クリスティーナは目の前に素晴らしい未来が開けている次世代の才能であり、セバスチャンは本当に長年、僕が尊敬を抱いてきたドライバーだ。彼らを乗せることをとても誇りに思い、興奮しているよ」


 一方、さまざまなツーリングカーやスポーツカー選手権、耐久レースシーンで成功を収め、2005年のVLN耐久では女性ウイナーに輝いたヒュルトゲンは、その経験豊富なキャリアを買われて、DTMドイツ・ツーリングカー選手権2冠とWorldRX世界ラリー選手権チャンピオンの肩書きを持つエクストロームのペアとして、アプト・クプラXEに加入した。


「モータースポーツの世界で25年間活動した後でも、このエクストリームEは私にとってまったく新しいエキサイティングな挑戦であり、とても楽しみにしている」と語ったヒュルトゲン。


 彼女もすでにシェイクダウンで最初のドライブを完了し、来週実施予定のシーズン前合同テストに先立って、チームが“e-クプラ・アプトXE1”と名付けた400kWのフルエレクトリックSUVの感触を確かめた。


「私は1kmごとに新しいことを学び、各コーナーをより完璧に処理しようとした。言うまでもなく、この取り組みで私をサポートしてくれる経験豊富でオープンマインドなチームメイト、マティアスがそばにいてくれることは素晴らしいことね」


 そう称されたクプラ電動モビリティ・アンバサダーのエクストロームも、彼女とのコンビネーションに自信を見せる。


「クラウディアと僕はここ数年よく顔を合わせる機会があり、僕らはお互いを知っていて仲良くしてもらっていた。彼女がチーム全体と僕に感銘を与えるのにそれほど時間はかからなかったよ。クラウディアは非常に迅速な学習者であり、すべての要件に即座に適応する能力を持っている。彼女がオフロードレースの経験がほとんどない状態でチームに加入したことを考えると、それはさらに印象的なことだよね」

『ABT CUPRA XE』でペアを組むことが決まったマティアス・エクストロームとクラウディア・ヒュルトゲン
12月末にはスペインのモーターランド・アラゴンでシリーズ初の公式合同テストが予定されている

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