【角田裕毅F1第22戦密着】チームメイトを上回ったQ2の走りに満足。Q3はタイム抹消も「全コーナーを限界で走れた」
2021年12月12日(日)13時11分 AUTOSPORT web
2021年F1第22戦アブダビGPの土曜日、ついに今シーズン、初めてチームメイトのピエール・ガスリーを予選で上回った。予選後、ミックスゾーンにやってきた角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、とてもリラックスしていた。
「ミディアムタイヤがすごくよかった。とても満足しています」
Q2でミディアムタイヤを履いてアタックすることは、予選前から決まっていた。それは予選直前に行われたフリー走行3回目で、角田がバルテリ・ボッタス(メルセデス)やセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)というトップ2チームのドライバーとコンマ2秒程度しか遅れていなかったからだ。
角田のフリー走行までの速さは、予選に入ってからも翳りを見せることはなかった。Q1を5番手で通過した角田とチームは、事前に予定していたとおり、Q2でミディアムタイヤを選択。そのミディアムタイヤを履いたアタックで、角田はソフトタイヤを装着したQ1の自己ベストである1分23秒428を上回る1分23秒404をマークし、Q2の1回目のアタックを終えた時点で、6番手につけた。
Q2の1回目のアタックでミディアムタイヤを履いたドライバーは8人いるが、そのなかで角田はルイス・ハミルトン(メルセデス)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、ボッタスに次ぐ、ミディアム勢4番手。チームメイトのガスリーやペレスよりも速かった。
ガスリーはQ2の最後のアタックでも角田を上回ることができずに12番手に終わった。この結果、角田は今シーズン初めてチームメイトに予選順位で勝利した。
残念だったのはQ3の1回目のアタック。1分23秒011をマークしたものの、最終コーナーでトラックリミット違反を問われ、タイムが抹消された。
最後のアタックでは「スリップストリームを使うことを意識しすぎて、ウォームアップラップのペースが少し速くなってしまって、タイヤがオーバーヒートしてしまった」ため、セクター3が伸びずに8番手に終わった。もし、1分23秒011が取り消されていなければ、7番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)を上回り、今シーズン自己最高位の予選7番手(第9戦オーストリアGPと同じ順位)を獲得していた。
それでも、内容的にはオーストリアGPの7位を上回るパフォーマンスだった。今シーズンのベストラップだったかと尋ねると、こう回答した。
「そうですね。特にスリップストリームもないなかで、あのラップタイムはすごくよかったと思いますし、すべてのコーナーを限界で走ることができました。残念ですけど逆に限界まで走れてよかったです」
日曜日のレースでも今シーズン、ベストの走りを披露してほしい。