レッドブル・ホンダ密着:ミディアム・ローダウンフォース仕様のリヤウイングを選択。一時は問題発生も今季10回目のポール

2021年12月12日(日)14時57分 AUTOSPORT web

 ホンダにとって最後のF1での予選となった第22戦アブダビGPの土曜日、レッドブル・ホンダは悔いのない予選にしようと、最後の最後まで全力を尽くして戦っていた。

2021年F1第22戦アブダビGP予選 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


 そのひとつが、リヤウイングの選択だった。


 最終戦のアブダビGPにレッドブル・ホンダは2種類のリヤウイングを持ち込んでいた。ひとつはミディアム・ダウンフォース仕様で、もうひとつはミディアム・ローダウンフォース仕様だ。

ミディアム・ダウンフォース仕様のリヤウイング
ミディアム・ロウダウンフォース仕様のリヤウイング


 金曜日のフリー走行ではマックス・フェルスタッペンがミディアム・ダウンフォース仕様を装着し、セルジオ・ペレスがミディアム・ローダウンフォース仕様を試していた。金曜日のフリー走行でフェルスタッペンが4番手、ペレスが5番手に終わったのは、セットアップを進めることよりも、2種類のリヤウイングの比較テストに重点を置いていたからだった。

金曜日のフリー走行でミディアム・ダウンフォース仕様のリヤウイングを装着したフェルスタッペン
ペレスはミディアム・ロウダウンフォース仕様のリヤウイングを装着
フェルスタッペンはアブダビGP初日を4番手で終えた


 ペレスも「今日は2台でまったく違ったセットアップで走行したので、お互いのデータをよく分析して予選に向けたベストなセッティングを見つけだせるように努めたい」と初日のフリー走行を振り返っていた。


 金曜日の夜に、走行データを分析して、どちらのリヤウイングにするかを決定し、土曜日は2台そろって同じリヤウイングで走るかと思われた。


 しかし、フリー走行3回目でもレッドブル・ホンダは依然として2種類のリヤウイングを引き続き使用した。ただし、今度はフェルスタッペンがミディアム・ローダウンフォース仕様で、ペレスがミディアム・ダウンフォース仕様と金曜日と逆になった。

FP3ではフェルスタッペンがミディアム・ロウダウンフォース仕様を装着
ペレス車はミディアム・ダウンフォース仕様


 ところが今度は、フリー走行3回目でフェルスタッペンのミディアム・ローダウンフォース仕様に問題が起きる。

FP3でフェルスタッペンのリヤウイングに問題発生


 これで、ミディアム・ローダウンフォース仕様はお蔵入りかと思われたが、フリー走行3回目後にレッドブル・ホンダが予選とレースで使用するリヤウイングに指定したのは、2台そろってミディアム・ローダウンフォース仕様だった。しかも、彼らが2台にそれを装着し始めたのは予選開始まで30分を切ってからで、ペレスのリヤウイングに至っては、装着が完了したのは予選まで5分を切ってからだった。

予選に向け、フェルスタッペンのマシンにミディアム・ロウダウンフォース仕様のリヤウイングを取り付けた
予選まで5分を切ったところでペレス車の取り付けも完了した


 その期待にフェルスタッペンも、そしてペレスも応えた。

2021年F1第22戦アブダビGP土曜日 マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
ガレージでレッドブルのクルーと話すフェルスタッペン
2021年F1第22戦アブダビGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第22戦アブダビGP セルジオ・ペレス&クリスチャン・ホーナー代表(レッドブル・ホンダ)


 フェルスタッペンがペレスのスリップストリームを巧みに利用し、今季10回目、ホンダにとって90回目のポールポジションを獲得した。


 この戦う姿勢を日曜日のレースでも貫いてほしい。

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