ミランは本田が鍵握るか。ローマとの大一番、10番に求められる攻守のタスク

12月12日(月)15時40分 フットボールチャンネル

ローマ戦を楽しみにするモンテッラ監督「軽やかにプレーを」

 現地12日、ACミランはアウェイのローマ戦に挑む。2位と3位の上位対決となり、ミランとしてはプレッシャーのかかる一戦になるが、指揮官は必要以上に気負ってはいない。先発には久々に本田圭佑が復帰すると見られている。代役という立場だが、求められることは多い。組織のバランスを崩せば試合が難しくなるだけに、本田が勝負の鍵を握る側面もあるだろう。(取材・文:神尾光臣【ローマ】)

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「我々が上位対決に挑めることを嬉しく思うし、これはシーズン最初から頑張ってきたことの成果だ。選手たちにはこの状況を楽しみつつ、軽やかにプレーしてほしい」

 11日、ローマ戦の前日会見でミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は語った。15節を消化して2位ローマと同勝ち点の3位。この成績に周囲はもちろんのこと、指揮官自身にとっても予想を上回る好成績であったというものだ。

 ミランのようなクラブにとっては上位争いをして当然であり、勝つことは義務だと考える向きはあるかもしれない。すると「状況を楽しんで軽やかにプレーを」というモンテッラ監督の発言は真剣味を欠くようにも思われる。しかし、それは彼の発言の本意ではないだろう。

 今季のミランの武器は若い選手たちの成長力そのものである。決して分厚いとは言えない戦力を用いながら、攻撃性とハードワークが両立した勝負強いサッカーを展開して、成績も付いてきた。

 多くの選手にとって上位対決は慣れていないものだが、そこを重圧で潰すのではなく、はつらつとプレーさせるように仕向けている。このようなモチベーションのコントロールに、モンテッラ監督の手腕の一端が現れているようだ。

 もっとも、いかにも挑戦者然とした発言の裏には、現実的な戦力の算段というものも見え隠れしている。現在のローマについてモンテッラ監督は「戦力も揃い、かつ試合中にも様々な戦術変更に対応が出来る、スクデットを狙って整備されたチームだ」と評していた。

本田に先発の可能性。ニアンの代役か?

 ダニエレ・デ・ロッシにケビン・ストロートマン、ラジャ・ナインゴランと、中盤の軸となる選手がいずれも攻守両面に優れ、プレーの幅が広い。それにスピードのあるウイングや高さと強さを誇るCFなど個性的な選手の力を織り交ぜ、相手や戦況にしたがって柔軟な戦い方を取ってくるのが今のローマだ。

 それに対しミランは、これまで培ってきたスタイルで対抗する。つまり勤勉な守備でボールを奪った後、後方から組み立てサイドを使った速攻で切りくずすというものである。

 ただその上で、今回のミランはこれまでと一部異なるメンバーで戦うことになりそうだ。中盤の要ジャコモ・ボナベントゥーラが結局故障から回復せず、強行出場は回避。また最近の試合では不調続きのエムバイエ・ニアンも先発から落とされそうである。

 現地の複数の情報によれば、11日の直前練習では普段はボナベントゥーラが務める左インサイドMFにアンドレア・ベルトラッチが、またニアンの代わりの左ウイングには本田圭佑がテストされていたという。

 この人選からは、まず守備から試合に入るという監督の意図が感じられる。ベルトラッチは故障で、本田はスソとのポジション争いで後退した関係で出場機会に恵まれていなかったが、試合の行方は彼らがどこまでやれるかということにかかってくる。

本田に何が求められているのか?

 本田に関して言えば、前節クロトーネ戦で短いながらも左サイドで攻撃のポイントを作り、FKで勝ち越しゴールに絡んだことが評価されたのだろう。そして当然、組織のバランスをとる役割が期待されているはずだ。

 強力で戦い方も柔軟な今のローマに対しては、組織のバランスを崩してゾーンに穴を開けてしまうと致命的になる。特に対面の右には、爆発的な走力を備えるブルーノ・ペレスが立ちはだかる。ここでしっかりと守備をしつつ、攻撃を仕掛けられるかどうかは試合結果を左右する要素の一つとなるだろう。

 先発して失敗した10節のジェノア戦では、攻撃面でのキレがなかったこともさることながら、戦術に沿った規律あるプレーという点でもいまひとつだった。それを払拭し、チームに貢献ができるかどうか。

 負ければミランでの立場はさらに悪くなるに違いないが、勝利に結びつければ彼自身の今後についても色々な可能性が拓けることだろう。久しくフル出場から遠ざかっているため使われるのは60〜70分ほどかもしれないが、最低限前節のようなプレーを安定して続けたい。

(取材・文:神尾光臣【ローマ】)

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