本田圭佑、先発予想もなぜベンチスタートだったのか? 指揮官の決断が意味する10番の現状

12月13日(火)15時20分 フットボールチャンネル

本田、試合前の先発予想から一転。ローマ戦はベンチスタートに

 ミランは現地時間12日、セリエA第16節でローマと対戦し、アウェイで0-1の敗戦を喫した。日本代表FW本田圭佑は、試合前には先発予想と報じられていたが、蓋を開けてみればベンチスタート。終盤に出場し、わずか数分間のプレー時間となった。なぜ本田圭佑は先発と報じられながらもベンチスタートとなったのだろうか?(取材・文:神尾光臣【ローマ】)

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 12日のローマvsミラン戦で、先発の可能性も高いといわれていた本田圭佑だったが、蓋を開けてみればベンチスタートだった。

 前日の練習で本田がテストされていたという情報は、複数の地元メディアも入手していた。ただどうも、ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は直前になって考えを変えたということらしい。

 イタリア衛星TV『スカイ・イタリア』は、「試合の1時間前に、本田ではなくエムバイエ・ニアンを先発させると決定した」と報じている。そのことについて試合後に質問すると「私は選手を選択しなければならない。そしてその選択がこうだったということだ」とだけ答えていた。

 結局そのニアンはローマのDFアントニオ・リュディガーに抑えられた挙句、PKも失敗する。もっとも、だからと言ってモンテッラ監督を批判するつもりもないし、これが本田だったらなどと書くつもりもない。指揮官は全体の戦術を考えてベストと思われる判断をしたわけだから、それは尊重しなければならない。

「今のミランの選手は平均23歳以下。そんな彼らが16試合を戦って成長した。強豪相手に力を試させてやりたかった」とモンテッラ監督は会見で語った。それがそのまま、ローマ戦における彼らのゲームプランでもあったようだ。結局中盤にはアンドレア・ベルトラッチが入っただけであとはほぼお馴染みのメンバーでの先発となったが、後半にラジャ・ナインゴランのゴールを喰らうまで彼らは良く健闘していた。

敗戦もローマ相手に健闘。浸透したモンテッラ監督の戦術

 健闘の秘訣となった要素も、ずばりここまでの試合で仕上げられたサッカーそのものだ。守備の際には4-5-1のような形になって収縮。そしてボールを奪うと両サイドバックが高い位置を取り、中盤は下から組み立て、スソやニアンは相手の最終ラインとMF陣の間にポジションを取ってチャンスを作る。これが今のミランの基本となるサッカーだが、ローマ相手にこれを潰されるどころか、きちんと機能して攻めることができていた。

 ローマの各選手はタフにプレスを掛けにくるが、怯まずに自分たちも勤勉に走ってボールを奪いに行き、狭いゾーンに間をとってボールをつなぐ。好調のスソはいざ知らず、この日は中盤の他の選手も見事な構成力を見せていた。

 このところスタメンを確保しているマリオ・パザリッチ、そして久々の出場となったベルトラッチは、シンプルにショートパスをつないで自らも前に飛び出す。中盤からのドリブルで活路を作るジャコモ・ボナベントゥーラの代わりに、彼らはショートパスの交換で前にボールを運んでいたのだ。

 その結実となったのが、PKを呼んだ前半27分のプレーだ。高い位置でボールを奪ったのち、スソがベルトラッチへと素早くつなぎ、ベルトラッチからはDFラインの裏のスペースへ果敢に飛び出したジャンルカ・ラパドゥーラ目掛けてスルーパスが入る。このPKをニアンが決めていれば、ミランは試合の主導権を完全に掌握できたに違いない。

ミランの成長に本田は関われず

 ただローマは、選手の地力の差を利して抵抗し、試合を徐々に自分たちの流れに持っていった。ルチアーノ・スパレッティ監督は、ブルーノ・ペレスの故障とステファン・エル・シャーラウィの投入に伴ってシステムを変更するとともに、中盤の選手の位置関係にも細かな修正を加えた。間のスペースに入られていたスソやベルトラッチ、そして中盤の底のマヌエル・ロカテッリにきっちりプレスが掛かるよう、ナインゴランやダニエレ・デ・ロッシのポジショニングを細かく調整した。

 こうして中盤の守備を噛み合わせたローマは、ボールを奪うと個々の力量で局面を打開し、流れをつかんだ。ロカテッリにプレッシャーをかけたのち、軽やかなボールコントールで背後を取って、左足のシュートをねじ込んだナインゴランの決勝ゴールはその象徴だった。

 逆にこうなると、ミランとっては厳しかった。中盤の選手を中心に失点後は運動量を落とし、ローマのパワフルなショートカウンターを次々と喰らうようになる。DF陣はエディン・ジェコのパワーに振り回され、ラインを下げていく。交代選手投入も流れを変えるには至らず、ミランは体力負けした。ただ、地力に勝るローマと互角以上に渡り合ったことは、若い選手の多いチームには成長への自信となるだろう。

「今のミランは強豪としてカウントするべきだ」と敵将のスパレッティ監督は語っていたが、ミランはその通りにチームとしての高い成長度を披露した。スソの後塵を拝して試合にあまり出られず、チームの成長過程にあまり関われていなかった本田が選択されなかったというのは、必然というか仕方のない話だったのかもしれない。

「これまで、内容の上ではどの相手にも引けは取らなかった。このローマに対してもそうだったと思う」とモンテッラ監督は誇らしげに語った。後半戦でうまく戦力を上乗せできれば、ミランはさらなる成長を遂げそうだ。

(取材・文:神尾光臣【ローマ】)

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