仙台、負傷者続出で波に乗れず。エース退団で来季への補強は急務【2016年Jリーグ通信簿】

12月13日(火)10時3分 フットボールチャンネル

3年目の渡邉体制で進めた将来に向けたチーム作り

 今シーズンのJ1も全日程が終了した。この1年を振り返り、各クラブはどのようなシーズンを送ったのだろうか。今回は、年間勝ち点12位のベガルタ仙台を振り返る。

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 2年連続で14位に終わり、今季は上位進出を目指して戦力流出を最小限に抑え、主力級から若手有望株まで満遍なく補強して臨んだシーズンだった。

 東日本大震災に見舞われた2011年に4位、翌年は2位につけるなど手倉森誠監督の下で躍進したが、最近は毎年残留争いに巻き込まれている。渡邉晋監督体制3年目を迎え、単年の上位進出だけでなく数年後を見据てチーム強化を進めている。

 ベースとなる戦術などは変えず、即戦力となる平岡康裕や三田啓貴はそれぞれ清水エスパルス、FC東京から期限付き移籍で獲得。鎌田次郎や上本大海、村上和弘、多々良敦斗といった多くの選手が抜けた最終ラインにはジェフユナイテッド千葉から元世代別代表の大岩一貴を補強した。さらに中盤より後ろに高卒や大卒の若手を加えた。

負傷者続出で波に乗れず。若手は徐々に存在感を発揮

 上位進出が目標のシーズンではあったが、1stステージは第4節からの4連敗や7試合勝ちなしでつまづき、一時は15位まで低迷した。それでもステージ終盤に4連勝で巻き返し、10位で前半戦を終えた。

 波に乗り切れなかったひとつの原因として、主力に負傷者が続出したことが挙げられる。開幕してまもなく梁勇基や金園英学、六反勇治が長期離脱。夏場には1stステージで前線をけん引した野沢拓也や、守備を支えた平岡康裕も負傷で戦線を離れた。

 しかし、2ndステージになるとハモン・ロペスが調子を上げてチームを引っ張る。散発的ではあったものの初のシーズン10得点を達成し、重要な場面でゴールを決める勝負強さだけでなく味方を生かすプレーにも磨きをかけていった。

 また藤村慶太や西村拓真ら若手も徐々に存在感を増すようになり、シーズン当初の狙いだった長期的な強化も実りつつある。結果的には例年通り残留争いをすることとなったが、そんな中でも来季以降につながるポジティブな要素が多い1年だったといえるだろう。

 渡邉監督はチームの持ち味である堅守速攻を最後まで貫き、しっかりと守ってカウンターでゴールを陥れる戦い方を1年間通して実践し続けた。2ndステージも3連敗など苦しい時期がありながら、降格圏から10ポイント以上離れた12位で今季を終え、最低限の目標をクリアしている。

絶対的エースが退団。さらなる主力流出の恐れ

 来季に向けてすでに水野晃樹やウイルソンの契約満了が発表されている。特にチームの絶対的エースだった後者の退団は一時代の終わりを象徴している。昨季から負傷続きでなかなかベストコンディションをキープできず、1stステージはチーム低迷の一因になってしまった。

 2ndステージは3試合連続ゴールなどで復活をアピールしたものの、やはり長期間安定したパフォーマンスを発揮することができなかった。

 また、今季の仙台の攻守を支えた渡部博文やハモン・ロペスにも移籍の噂がある。仮に退団が決まれば代役を確保せねばならず、その穴はあまりにも大きい。

 若手選手たちはオフに研修として海外クラブに練習参加して実力を磨くなど、着実に成長しているのは間違いないが、主力として継続的に起用できるまでではない。今季も選手層の薄さは課題だった。

 再び上位進出を目指す来季は緊急事態でも大崩れしない安定感のあるチームを作らねばならない。そのために選手層の問題を解決する即戦力の確保が必要だろう。特にレギュラーを担えるストライカーとセンターバックの補強は急務だ。

診断

補強診断 C

 即戦力として獲得した選手たちはしっかりとレギュラーに定着し、持てる力を発揮した。若手選手たちも成長を実感させたが、結果だけがともなわなかった。期限付き移籍で獲得した選手の完全移籍への切り替えが来季に向けての第一歩となる。

総合力診断 C

 ハモン・ロペスは来日3年目にしてついに本領を発揮しはじめたが、少し遅かった。負傷者続出も痛手で、年間を通して勝ち続けられるチームとはいえない。戦術面の一貫性はある程度結果に結びついており、ここで大きく変える必要はないだろう。

 ただしこのままでは来季も残留争いに巻き込まれる可能性は高い。さらなる上位進出へ向けてチーム在籍年数が長いベテラン選手だけに頼ることはできず、伸び盛りの中堅や若手にさらなる奮起が求められる。

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