F1新王者フェルスタッペン「ファイナルラップ直前に脚がけいれんし始めたが、全開で飛ばすしかなかった」
2021年12月14日(火)10時40分 AUTOSPORT web
2021年シーズンのF1最終戦となった第22戦アブダビGP。残り5周でのセーフティカー導入で、それまでにルイス・ハミルトン(メルセデス)が築いた約12秒のギャップが潰えた一方、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)はピットインを敢行し、新品ソフトタイヤで勝負に出た。ファイナルラップで迎えたレース再開直後、フェルスタッペンはハミルトンをオーバーテイク。そのままトップチェッカーを受けて、自身初、オランダ人初のF1ワールドチャンピオンを獲得した。
レース後、F1新王者となったフェルスタッペンはレッドブルのリリースで初タイトル獲得の喜び、そしてともに戦ったチーム、家族、そしてチームメイトのセルジオ・ペレスへの感謝の思いをコメント。さらに、ファイナルラップ中はふくらはぎが激しくけいれんしていたことを明かした。
「信じられない。最後まで戦い続けたあと、ファイナルラップでチャンスが訪れた。本当に素晴らしい。まだ脚が震えている。凄まじかった。スタンドのファン、チーム、そしてもちろん、母国の人たちはこの勝利を得るに相応しい。全員を愛している。2016年から楽しく仕事をしてきたけれど、今シーズンは特に素晴らしかった。ようやく運が回ってきた」
「あとはチェコに大いに感謝したい。彼のパフォーマンスがあったからタイトルを獲れた。彼はチームのために全力を尽くしてドライブしていた。今日は素晴らしいチームワークだった。チェコは素晴らしいチームメイトだ。チームは僕が彼らを愛していることを分かっているだろう。10年、15年先も、この結果を一緒に出せていければと思っている」
「残りの人生を彼らと一緒に過ごしていきたいし、そうさせてもらえることを願っている。クリスチャン・ホーナーとヘルムート・マルコは僕を信頼してチームに入れてくれた。僕たちの目標はこのチャンピオンシップを獲得することだった。そして今、僕たちはその目標を達成した」
「もちろん、ファイナルラップを迎えるまで勝利を信じるのは難しかった。でも、信じ続ける必要がある。今日も最後までプッシュし続けて、僅差に留まり続けようとした。これが僕の助けになった。メルセデスは好きなタイミングでピットインできなかった。でも、僕たちはそうすることができた。なぜなら後方からのプレッシャーがなかったからだ。そして最後に、ファイナルラップでフレッシュなタイヤでアタックするチャンスを手にすることができた」
「当然ながら、F1ドライバーになることが僕の小さなころからの夢だった。そして勝利を挙げて表彰台に上りたいと思っていた。表彰セレモニーでは国歌が演奏されるけれど、いつの日か、自分の国歌が演奏されればと願っていた。その表彰台に立ち、ワールドチャンピオンだと伝えられた瞬間は本当に素晴らしかった。父親と一緒だったのでひときわ素晴らしかったし、特別な瞬間だった」
「長年に渡り、僕たちはこの目標のために世界中を旅してきた。そして今日のファイナルラップですべてがひとつにまとまった。チーム、家族、友人、そしてゴーカート時代の仲間全員が、僕を今の場所までプッシュしてくれた。彼らの大半が今日ここに来てくれている」
「アブダビだけではなく世界中でオレンジアーミーを見ることができて嬉しい。彼らはキャリアを通じて僕をサポートしてくれていて、彼らのサポートは本当に素晴らしい。目標が達成できないように思えた時も、プッシュし続けて自分を信じることができた。ミラクルが起きるときがある」
「ファイナルラップの直前に脚がけいれんし始めた。だから、ファイナルラップではすべてのストレートセクションでのフルスロットルでふくらはぎが激しくけいれんしていた。あれは厳しかったけれど、全開で飛ばすしかなかった。引くわけにはいかなかった」
「チェコと組むことが決まったとき、僕たちふたりの関係がどうなるかはわからなかった。でも、彼は本当に素晴らしい人間だ。彼のようなチームメイトを得られるのは非常にレアだ。今日彼が見せてくれたのは、彼が真のチームプレイヤーであるということ。長期に渡りこの関係を続けていければと思っている」
「ルイスはアメイジングなドライバーで、アメイジングなライバルだ。本当に苦しめられたし、全員が僕たちの戦いを楽しんでくれたと思う。もちろん、シーズンの中で両チームがやり合うことも何回かあったけれど、それもこのスポーツの一部だし、感情なので仕方がない。全員が勝ちたいと思っている。今日もどちらに転んでもおかしくなかった。来シーズンはまた新たな気持ちで挑戦するつもりだ」