スーパー耐久:タイトルを決めたGRヤリス。「みんなの頑張りでこの結果が出たのだと思います」とMORIZO

2020年12月16日(水)13時10分 AUTOSPORT web

 12月13日、ピレリスーパー耐久シリーズ2020第5戦『TKU スーパー耐久レース in オートポリス』の5時間の決勝レースが行われ、ROOKIE Racingの32号車ROOKIE Racing GR YARISがポール・トゥ・フィニッシュを飾り、2020年シーズン通算3勝目を挙げてST-2クラスのシリーズタイトルを獲得した。レース後、ステアリングを握った井口卓人、佐々木雅弘、そしてMORIZOに喜びの声を聞いた。


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 最終スティントを担当し、チェッカーを受けたMORIZOは「2020年にGRヤリスを出したわけですが、モータースポーツを基点にしたプライベーター目線のもっと良いクルマを作ろうと。(レースカーは)まだこの1台しかありませんが、できるだけ不具合を出して壊して壊して壊しまくって、2021年にほかの方が使うときには、より強いクルマになっている、ということでやりました」


「結果、ウチの技術部のメンバー、メカニック、プロドライバー、みんなの頑張りでこの結果が出たのだと思います。だからGRヤリス、良いクルマですよ」と語った。


「私のような素人が運転しても、最初のころに比べてタイムが上がってきました。ずっと不安があって運転していたのが、ここ2戦は全然不安もなく、むしろ楽しくドライブできました。ぜひ多くの方に乗っていただきたいですね」と続けた。


 プライベーターがニュルブルクリンク24時間レースに持ち込む可能性もあるのではと尋ねると「そうなるといいですね」と笑顔をみせ、タイトル獲得については「(このプロジェクトに)関わった多くの方にあげたいと思います」とホッとした表情をみせた。


 一方開発を担当した佐々木雅弘は「走り始めはすごく乗りにくくて、どうなることかと思っていました。ただ今年は開幕が遅れたことで少し時間ができました。それでも開幕がいきなり24時間でしたから、これはなかなか難しいと思ったのですが、そこでポールポジションを獲れてスピードをアピールすることができました」と開発に苦労したことを振り返った。


 2020年シーズンのピレリスーパー耐久シリーズ開幕戦となった『NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース』はGRヤリス発売日である9月4日に開催され、発売日にデビューウィンを遂げたのだが、シリーズ途中は苦戦を強いられた。


「SUGO、岡山で見つかった弱点を改善して、もてぎとここ(オートポリス)に合わせることができて決勝でも強いクルマになってきたと思います。ただ今回のポールタイムも僕らのタイムが突出して速かったわけではなく、過去のST-2クラスのタイムを見ているともっと速いクルマがあって、僕らはそこに近づいているだけなんです」


「最近はST-2クラスよりST-3クラスの方が速くなっていて、それが普通になっていた。これでST-1、2、3と本来のST-2クラスの位置に戻ることができて、その中で強さをみせられて良かったと思います」


「こんな状況下、トヨタがすごく協力的に僕らのチームをバックアップしてくれたことで、良いクルマ作りにつながりました。スーパー耐久というレースが市販車の開発につながって良かったと思います」と達成感を実感したような笑みをみせた。


 エースドライバーとして、また開発担当としてチームを引っ張った井口卓人は、昨年までST-2クラス7連覇を遂げていたライバルチーム(TOWAINTEC Racing)に在籍していたが、今年はそのシリーズ8連覇を阻んだ。


「正直複雑な気持ちですが、走っている以上、ちゃんとライバルとして強く戦えましたし、チャンピオンはやはりうれしいです。何より今年はGRヤリスという新しいクルマでゼロからスタートするという難しいことにチャレンジして、ここまで開発が進んで速いレースカーになりました」


「それにプロドライバーではないMORIZO選手がパッと乗って楽しく走ってもらえるようなクルマに仕上げられたのは良かったですね。今日は最後、GRスープラと並んでゴールしてチャンピオンを決めることができたので、記念になる1年だったと思います」と、こちらも“タクティスマイル”で答えた。


 近い将来、ニュルブルクリンク24時間レースにGRヤリスがエントリーすると、STIのWRXとは同じSP3Tクラスのライバルとなりそうだが。井口は少し考えて「いろいろ大変でしょうが、うまくやります!」と茶目っ気たっぷりに笑った。


 2020年シーズンのピレリスーパー耐久シリーズ、最終戦となる第6戦『SUZUKA S耐』は2021年1月23日に三重県の鈴鹿サーキットで5時間レースが開催される。

スタート前、佐々木雅弘と話すMORIZO(ROOKIE Racing GR YARIS)
2020 スーパー耐久第5戦 オートポリス スタートの様子
2020 スーパー耐久第5戦 オートポリス ROOKIE Racing GR YARIS(井口卓人/佐々木雅弘/MORIZO)
豊田大輔のドライブするROOKIE Racing GR SUPRAとともにチェッカーを受けたMORIZOの乗るROOKIE Racing GR YARIS
2020 スーパー耐久第5戦 オートポリス ST-2クラス表彰台

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