【有馬記念】アーモンドアイは泣く泣く消し 狙うは余力残しのフィエールマン

12月18日(水)17時0分 SPAIA

競馬_イメージ画像_中山ⒸSPAIA撮影三木俊幸

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ファン投票上位馬がほぼ参戦

先の香港ヴァーズ(芝2400m)では日本馬が1、2、4着と大活躍。香港カップ(芝2000m)もウインブライトが優勝。その4頭以外にも、今年の有馬記念は中距離路線で活躍してきたそうそうたるメンバーが揃った。何といっても、香港を取りやめてここに回ってきたファン投票1位、アーモンドアイの存在が大きい。彼女の参戦がレースレベルをさらに一段階引き上げた。そのほか、ファン投票上位の馬がほぼ出走してくる。やはりドリームレースはこうでなくてはいけない。

今回も過去10年の傾向を調べつつ、有力馬の前哨戦を中心に分析しながら勝ち馬を探していきたい。

表1_有馬記念出走馬の年齢ⒸSPAIA


まずは年齢。ここ10年で連対した20頭は全て5歳以下。6歳以上になると3着が精いっぱいとなっている。感動の復活を遂げたオグリキャップやトウカイテイオーも5歳の時(旧年齢表記では6歳)だったし、ナイスネイチャの3年連続で3着という記録を達成したのも3〜5歳の時(旧年齢表記では4〜6歳)。6歳以降も2回走っているが馬券には絡めなかった。今年も6歳以上は大きく割り引いた方がよさそうだ。

キーとなるのは菊花賞


年齢をさらに詳しく見ると、最も成績がいいのは3歳馬。ここ10年で5勝しており、勝率、連対率ともに世代トップを誇る。5頭の勝ち馬の中で3頭がその年の菊花賞馬、1頭は菊花賞4着、そして残る1頭はジャパンカップを使っての参戦だった。古馬の勝ち馬5頭はというと、牝馬のジェンティルドンナ以外は菊花賞を走っており、その全てが掲示板に載っていた。古馬も菊花賞での好走経験があると心強い。

表3_海外帰りの有馬記念成績ⒸSPAIA


宝塚記念と合わせて前後期のドリームレース制覇を狙うリスグラシュー。さらに、凱旋門賞帰りになるキセキとフィエールマン。仕上がりが気になる海外遠征組だが、ここ10年では6頭が出走して1着1回、3着1回。可もなく、不可もなくといった数字だが、目標のレースに照準を絞って仕上げてきたのならば、休み明けでも海外帰りでも気にしなくていいように思う。

最後に性別。勝率は牡馬、連対率は牝馬に軍配だが、これも大差なくどちらが優勢とはいえない。

ここで復活、フィエールマン

今年の有馬記念を面白くしている要因の一つに、逃げ馬が複数いることが挙げられる。特にキセキ、アエロリットはスローでためるより、後続に足を使わせる逃げの方が合うタイプ。また、アエロリット、クロコスミアはともに引退レースでもあり、悔いのないよう自分の形に徹するはず。隊列がすんなり決まるとは思えず、今年は底力勝負になるとみる。

焦点は間違いなくアーモンドアイの取捨。日本、いや世界でもナンバーワンの実力の持ち主に「捨」の文字を出すのは失礼かとも思うのだが、逆らうなら今回をおいてないだろう。天皇賞・秋は文句なく強かったが、同時に切れ味の馬だと再確認。この馬の能力を持ってすれば中山のトリッキーな舞台も問題なくこなせるのだろうが、今回は自身以上にコース適性がある実力馬が出走。加えて、これまで「予定通り」のぶっつけ本番だったのに対し、今回は「予定外」のアクシデントがあっての本番。このあたりからも、付け入るスキは十分あるとみる。

では、逆転があるならどれか。データで示したように過去に菊花賞で好走経験があり、かつまだ余力を残していると思われる馬。それはフィエールマンにおいてほかない。凱旋門賞は力関係以上に馬場適性がそのまま着順に出たレース。それほど見ていて重い馬場に思えた。札幌記念は明らかに叩き台、凱旋門賞はしんがり負けで力を出し切っていないとなれば、ほかの馬と違って余力十分、そして万全の状態でここに挑めるはず。菊花賞で見せた馬群を割って差し切る勝負根性、天皇賞・春で早めに仕掛けて抜かせなかったレースぶりからも間違いなく底力タイプ。ここ10年でステイゴールド産駒の4勝も凄いが、今回のフィエールマンの鞍上・池添騎手の4勝もこれまた凄い。有馬記念の勝ち方を知る男に導かれ頂点に立つのはこの馬だ。

このレースは3歳、そして菊花賞馬と相性がいいとデータにあった。当然ながらワールドプレミアは無視できない存在だが、レースぶりを見る限り外回りが合うタイプだし、菊花賞だけ見れば早めに動かざるを得なかった3着馬ヴェロックスの方が強い競馬をしていた。そのヴェロックスを神戸新聞杯で子供扱いしたのがサートゥルナーリア。ダービーや天皇賞・秋では人気ほど走れなかったが、自分の中で世代最強の評価は変わらない。意外に手応えほど伸びず、実績通り直線の短いコースで全力を発揮するタイプではないかと思っている。

覚醒したリスグラシューはどうか。ハーツクライ産駒らしく古馬になって一段と力を付けている。コックスプレートでの外を回って一気に前をのみ込んだシーンからも、中山は合いそうな気がする。ただ、師の悲願であるコックスプレート制覇に全力投球した印象があり、再び調子の波を頂点に持ってこられるのかどうか。凱旋門賞組より調整期間が短いのも微妙に影響しそうだ。

キセキは昨年のジャパンカップで好時計の2着の実績があるものの、凱旋門賞で日本馬最先着を果たしたように、重い馬場により適性があると思っている。開催が進んで荒れた馬場だけに、さらにひと雨降れば面白い存在になりそう。

スワーヴリチャードはジャパンカップが最大目標だったと思うし、2年連続で3着のシュヴァルグランは年齢的に過去以上の成績を望むのはどうか。レイデオロは明らかに昨年2着当時の勢いがない。というわけで、ジャパンカップ組は軽視。

結論だが、本命は馬も騎手も底力タイプのフィエールマン、対抗にはコース替わりで全力を出せそうなサートゥルナーリア、3番手はワールドプレミア。何だかんだで菊花賞馬はやはり外せない。アーモンドアイに勝たれたら、素直にごめんなさい。

◎フィエールマン
○サートゥルナーリア
▲ワールドプレミア

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。

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