F1キャリアを終えたライコネン「楽しい思い出がたくさんできた。これから普通の生活を送るのが楽しみ」
2021年12月19日(日)6時35分 AUTOSPORT web
キミ・ライコネンにとって、2021年最終戦アブダビGPはF1キャリア最後のレースだった。F1でたくさんの楽しい思い出ができ、多くの人と知り合うことができたことを喜ぶライコネンだが、今は引退後の生活が楽しみだと語った。
アイスマンと呼ばれて多くのファンを持つライコネンは、モータースポーツの頂点で19年の傑出したキャリアを築いてきたが、42歳になった2021年を最後にF1から去ることを決めた。ライコネンはこの間に21勝を挙げ、2007年にはフェラーリで世界タイトルを獲得した。
アブダビでのラストレースを前に引退について聞かれたライコネンは、「すべてが終わるときを楽しみにしている」と答えた。
「間違いなく、僕よりも妻のほうが感極まってしまうはずだ」とライコネン。最後のレースには妻のミントゥさん、長男ロビンくん、長女リアンナちゃんが訪れ、引退式典にも出席した。
「子どもたちは興味がわかないだろうね。もっと楽しいことを見つけると思う。暖かい国に来て、プールに入ったりするのが好きなんだ。それでも、彼らをここに呼べてうれしい」
これまではグランプリドライバーとして過密スケジュールに追われ、知り合った人たちと過ごす時間もほとんど取れなかったとはいうものの、長年の間にパドックで友人同士になった馴染みの何人かと離れるのは寂しいことだと彼は認めた。
「多くの仕事仲間と出会った。たくさんの良い人たちとね。そのうちの何人かとは仲良くなったし、友情も育んだ」とライコネンは言う。
「とにかく忙しく過ごしているから、友人同士になるのが難しい場所ではある。時間がなくて、何もできないしね。でもこれからは、望めばそうした面倒なこととは関係なく会うことができる」
F1を離れてから寂しさを感じるようなことは他にもあるかと聞かれたライコネンは、次のように答えた。
「ひとつ挙げるとすればレースかな。けれど他にももっと良い、純粋にレースを楽しめるシリーズがあるかもしれない。だからそうとも言いきれないね」
ライコネンがF1キャリアの最高点に到達したのは2007年、ワールドチャンピオンの座に就いた時だろう。当時、マクラーレンのチームメイト同士だったルイス・ハミルトンとフェルナンド・アロンソがタイトル争いをしていたが、ライコネンはこのふたりを最終戦で破って世界王者になった。
しかし長い期間のなかでは、どのようなキャリアにもうまくいかない時期がある程度含まれるものだとライコネンは語る。
「なんであれ、長年続けていればそうした時期はあるものだし、それでいいと思っている」
「問題は何もない。うまくいくかどうかは、ささいなことに左右される。もしも良いマシンに乗っていても、そういうささいなことで結果が変わってしまうものなんだ」
「ここには楽しい思い出がたくさんある。これまでの人生の大部分を過ごしてきた。それが良かったのか悪かったのか、僕には分からない。けれど、そういうものなんだ。かなりの時間を必要とする世界だ」
「ただ、これが自分の人生で最も重要だったことはない。だから終わりを迎えるのはいいことだ。これから普通の生活を送ることを楽しみにしている」