CTCC最終戦:BTCC王者コリン・ターキントン参戦も、ペナルティと転倒の大波乱

2019年12月20日(金)10時51分 AUTOSPORT web

 12月14〜15日の週末に中国湖北省武漢市のストリートサーキットで開催された2019年CTCCチャイナ・ツーリングカー・チャンピオンシップ最終戦に、BTCCイギリス・ツーリングカー選手権連覇を達成したコリン・ターキントンが助っ人参戦した。しかし、レース1ではマルチクラッシュの起点となり、彼のフォルクスワーゲン・ラマンドGTSは横転を喫するアクシデントを起こし、続くレース2でペナルティの対象となる波乱含みの週末となった。


 チャンピオンシップ天王山ともなった武漢(ウーハン)での最終戦は、ターキントンをはじめとした国際ワイルドカード枠の外国人ドライバー勢が良くも悪くも主役を演じることに。まず予選で先手を取ったのはSAICフォルクスワーゲン333レーシングに合流したターキントンで、地元BTCCで所属するWSRウエスト・サリー・レーシングからレギュラーのレースエンジニアを帯同させ、幸先良くポールポジションを獲得してみせる。


 しかしレース1に向けてはトップ8リバースグリッドが採用されたため、チームメイトのロドルフォ・アヴィラや、東風キア・レーシングチームのアレックス・フォンタナ(キアK3 2.0T)、そして北京汽車集団のBAICセノヴァでワイルドカード起用された同じくBTCCドライバーのアダム・モーガン(BAICセノヴァD50)らの背後から勝負を挑むこととなった。


 結果的にこのグリッドの位置取りが悲劇の始まりとなり、パック中団から慣れない左ハンドルマシンでスタートしたターキントンが、オープニングラップ早々に大クラッシュを引き起こす。レースペースに勝る彼のVWラマンドGTSは、早めの仕掛けで集団の前方へ上がるべくタイトなヘアピンでレイトブレーキングを敢行。


 スタート早々でオーバーテイクを仕掛けたBTCC王者だったが、「普段とはドライバーズシートが逆で、右ななめ前方のマシンにそれほど接近しているとは思わなかった」と、チームメイトのチャン・チェン-ダンにリヤから接触。


 すると、このアクシデントを回避できなかったキアの張志強(キアK3 2.0T)に背後から激しくヒットされ、ターキントンのVWはきりもみ状態に陥りロールオーバー。ルーフを逆さにして止まり、ここで赤旗が掲示される。


 さらに、このクラッシュの巻き添えとなったモーガン、長安フォードFRDチームのアンディ・ヤン(フォード・フォーカスCTCC)、東風キアのジェイソン・チャン(キアK3 2.0T)らがストップ。ターキントンとともに、ここでレースを終えることとなった。

この週末、自らのエンジニアを帯同しVWラマンドGTS19号車のステアリングを握ったコリン・ターキントン
「SC明けのリスタート後は、本当にクリーンなギャップを築けた」と、2019年最終戦で初優勝のアレックス・フォンタナ
R1では選手権を争うエースのアシスト役に徹したロドルフォ・アヴィラ。R2は一転、主役に躍り出る


 レース再開後は東風キアのフォンタナが終始集団を支配し、2番手にはVWのアヴィラが続く展開となったが、ファイナルラップも残すところコーナーふたつというところで、マカオ出身アヴィラのVWラマンドが突如スローダウン。チームオーダーを受け後方にいたチャン・チェン-ダンをアシストするべく下がると、フィニッシュライン直前で先に行かせチェッカー。


「僕らのマシンが得意とする数少ない市街地レースだったので、こうしてクリーンな展開で勝利を挙げることができてホッとしている」と語るフォンタナが2019年シーズン初優勝を飾ったものの、2位イー・ホンリー(BAICセノヴァD50)の背後となる最後の表彰台にVWのチャン・チェン-ダン。そして4位にアヴィラが続き、SAICフォルクスワーゲン333レーシングが一丸のチームプレーを披露し、王座争いで優位に立つ状況で年間最終レース2へのお膳立てを整えた。


 するとVW陣営の思惑通り、日曜19周のタイトル決定戦はラマンドGTSがワン・ツー・フィニッシュとなり、ふたたび予選最速でポールシッターとなったターキントンが前日のアクシデントによるドライブスルー・ペナルティを課されたことで、その背後フロントロウから勝者となったアヴィラに続き、2位チェッカーを受けたチャン・チェン-ダンが177点を獲得して2019年チャンピオンを獲得。


 3位表彰台には前日のアクシデントでレースを失っていたBAICセノヴァのモーガンが入り、レース終盤のオーバーテイクショーでファンを沸かせると、ペナルティ消化で一時は13番手にまで下がっていたターキントンも、トップ10圏内の9位までポジションを回復し、2019年最後のレースを終えた。


「R1のアクシデント後も体は大丈夫だったが、少し憂鬱な気分になったね」と振り返った、BTCC最多タイ4冠を獲得したばかりのターキントン。


「コース上でルーフを下にして止まるのは、あまり気分の良い経験じゃなかったけど、少なくともマシンから無事に降りることができたのは幸いだった」


「R2はスタンディングのクラッチミートも悪くなくリードを保てたけど、すぐに背後のロドルフォ(・アヴィラ)を前に行かせたんだ。その直後に、レースコントロールからペナルティの宣告を受けた」


「これで僕の2019年は終わりで、2020年に向け休息に入るよ。ここ中国での経験は本業(BTCC)でも活かせると思うし、週末を通して僕らはこのマシンを最速に維持し続けた。チームメイトの王者獲得をサポートできて良かったし、またCTCCで戦える日を楽しみにしている」

コリン・ターキントンが去った後のレースを牽引し、チャン・チェン-ダンの風切り役として勝利を挙げたアヴィラ。僚友のタイトル獲得に最大級の貢献を見せた
長安フォードFRD陣営のフォーカスCTCCは、年間を通じて優位を誇ったマウンチューンのエンジンが不発に終わり、R2は8位が最上位
ドライバーズチャンピオンはVW陣営が。マニュファクチャラーズタイトルは東風キアが獲得している


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