ドイツの伝説的ゴルファーのバンカーショットがSNSで“大炎上” タイガーは称賛も…何が起こった?
2024年12月24日(火)10時0分 ALBA Net
タイガー・ウッズ(左)組をくだしたランガーだったが、炎上騒動に巻き込まれることになった(撮影:GettyImages)
メジャーチャンピオンが親子でペアを組んで対戦した今年の「PNC選手権」で、炎上騒動が巻き起こった。5年連続で出場したタイガー・ウッズと長男のチャーリー君は、ドイツのレジェンド、ベルンハルト・ランガーと息子のジェイソンとのペアにプレーオフで敗戦。だが最終日のランガーのプレーに対し、SNSで論争が勃発している。
問題になっているのは最終日の14番パー5。ジェイソンのティショットが左の池に入ったため、父・ベルンハルトはバンカーからのティショットを選択した。
第2打はジェイソンが先に打ち、ベルンハルトはそこから1クラブレングス内にリプレースし、同じく第2打を打った。しかしTVで大写しされたライは、砂が盛り上がった上に、まるでティアップされたかのよう。ベルンハルトはこれをドライバーで打ち、グリーン右前のバンカーまで運んだ。そして、ここからうまく寄せてバーディを奪い、チーム・ウッズにリードを許さなかった。
この大会で採用されるのは『スクランブル』というフォーマット。米国ではプロアマなどで多く行われるものだ。ペア、あるいは同チームの全員がティショットを打ち、最も良いと思われるショットを選択。そして、次もペアの2人とも(あるいはチームメンバー)がショットし、また良い方を選択する。グリーン上も同様で、ホールアウトまですべてのショットが繰り返されるため、バーディが量産される。
ショットを選択すると、ティなどを使用しボールの位置をマーク。そこから1クラブレングス内にボールをリプレースしてプレーは続行される。つまり良いライにボールを置くことができるのだ。
つまりベルンハルトの行為は、ルール上まったく問題がないのだが、「バンカー内でタワーのような良いライから打つのはおかしい」といった声や、「同じようなライに置くのが当然」など批判の声が起こったというわけ。
しかし当然ながら同ホールではフェアウェイにリプレースするタイガーもライを選んで置き、ドライバーでグリーンに2オンしている。PGAツアーのルールオフィシャルは「スクランブルのルールを完全に順守したもの」という見解も示している。
チーム・ウッズとのプレーゆえ、その一打一打すべてがTVに映し出された結果の騒動ともいえる。ちなみにタイガーはこのベルンハルトのドライバーショットを「これまで見たもっとも素晴らしいバンカーショットの一つ」と称賛している。(文・武川玲子=米国在住)
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