【岡山学芸館】“個よりも組織”で県内3冠 チームの歴史を塗り替え目指すはベスト4以上<第100回高校選手権>

2021年12月24日(金)20時41分 サッカーキング

主将のMF山岡亮太をはじめ足元の技術の高い選手が揃う [写真]=森田将義

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 2年ぶりの選手権出場を果たした岡山学芸館だが、新チームが始まった当初の評価は決して高くなかった。2月の県新人大会で、高原良明監督は「個の質としては去年のほうが高かったと思う。今年は一人ひとりが力を合わせて、グループで崩していけるがカギになる」と口にしていた。一人で試合を決められる抜けたタレントがいなかったため、苦戦も予想されたが、蓋を開けてみれば新人戦、インターハイ、選手権と県3冠を達成。強さを証明した一年になった。

 冒頭の言葉通り、組織として戦う今年は今まで以上にポゼッション練習に力を入れた。大事にしたのは、「縦に速いポゼッション」。自陣からパスをつなぎながら、チャンスと見れば積極的にシュートまで持ち込む。主将のMF山岡亮太(3年)を中心に足元の技術を持つ選手が多い今年は、スタイルを徹底するにはうってつけの年だった。

 インターハイでは、自分たちがやってきたことがないと証明するもできた。これまでは、全国大会初出場となった2012年のインターハイ、2度目の選手権出場となった2018年の選手権で記録したベスト16が最高記録で、高原監督も「今までは全国に出て満足、みたいな部分が多少はありました」と話す。

 だが、今年のチームはこれまでとは違った。初戦で比叡山にPK戦で勝利。2回戦では矢板中央に1−0で競り勝ち、ベスト16までたどり着いた。記録更新がかかった飯塚との3回戦はPK勝ち。準々決勝で星稜に敗れはしたが、高原監督は確かな手応えを得たという。「負けはしたけど、ある程度うちのペースで試合が運べた。全国に出てもある程度これくらいはできるんだと知ることができたのは、収穫でした。負けた後にピッチに倒れて、泣き崩れる選手も結構いたので、これくらいの気持ちで戦っていたのなら、まだ選手権も可能性あるなとも思いました」。

「インターハイではチームの目標であるベスト16は越えられましたが、ベスト8で星稜に負けて全員が悔しい想いをしました。選手権ではまず県内で優勝をすることを目指して、全国に出てベスト4以上を目指しています」と、選手権予選の初戦で話していたのは、守備の中心であるDF坂田陸(3年)だ。

 新チームが立ち上がってから取り組んできた全員で崩すサッカーは、仕上がりの良さを予選で感じさせた。サイドバックが高い位置をとるため、奪われた後のカウンターやサイドチェンジの対応などが課題として挙がっていた守備も、予選4試合を無失点で終えるなど強度は上がっている。インターハイや予選決勝でPKストッパーとして活躍したGK寺島紳太朗(3年)の存在も勝利を後押ししそうだ。ベスト16からベスト8へとチームの歴史を塗り替えた夏から4カ月。更に前進するための準備は着実に進んでいる。

取材・文=森田将義

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