トレンドの翼端版を導入したウイリアムズ。アルファロメオはシーズン中にノーズを変更/2023年F1開発まとめ(1)

2023年12月25日(月)19時57分 AUTOSPORT web

 2023年のF1は、前年に導入された新しい技術規則によりグラウンドエフェクトカーが復活して2年目のシーズンとなった。今年も各チームが特色のあるマシンを投入し、シーズンが進むにつれて徐々に進化を遂げていった。そんな2023年型マシンのアップデートを振り返ってく今回の企画、第1回はコンストラクターズ選手権7位のウイリアムズ・レーシング、9位のアルファロメオF1チーム・ステーク、10位のマネーグラム・ハースF1チームだ。


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▼ウイリアムズ・レーシング(FW45)


2023年F1第12戦ハンガリーGP ウイリアムズFW45

 2022年にメルセデス型のゼロポットに近いコンセプトでスタートしながら、途中からレッドブルのアンダーカット&ダウンウォッシュ型に変更したウイリアムズは、2023年もそのアンダーカット&ダウンウォッシュを進化させてきた。第9戦カナダGPではそれまでサイドポンツーン上面の後方にあった出っ張りをなくし、なめらかな形状に変更してきた。
F1第9戦カナダGP以降、サイドポンツーンにあった出っ張り(赤矢印)はなくなった


 また第9戦カナダGPでは、リアウイング翼端板に山脈のような膨らみを持たせてきた。これはスウェッジライン付きの翼端板と言い、アストンマーティンが先鞭をつけ、アルピーヌら多くのチームが採用したもうひとつのトレンドだった。

同じくカナダGPではスウェッジライン付きの翼端板を導入


▼アルファロメオF1チーム・ステーク(C43)


2023年F1第3戦オーストラリアGP アルファロメオC43

 第3戦オーストラリアGPでノーズを、ショートからフロントウイングの先端まで伸ばすロングに変更。2023年にシーズン中にノーズの長さを変更してきたのは、アルファロメオだけだった。
2023年F1第1戦バーレーンGP ショートノーズのC43


 アルファロメオがフロアをアップデートしてきたのは、第16戦シンガポールGP。従来スペックでは基本的に1枚のフロアにいくつかの切り欠きを設けた単純なデザインだったが、アップデートによってディフューザー効果が高まったようだ。

従来のC43のフロア
アップデートされたC43のフロア


▼マネーグラム・ハースF1チーム(VF-23)


ハースVF-23

 レギュレーションで許されている範囲で多くの技術的支援をフェラーリから受けているハース。空力コンセプトがフェラーリと基本的に似たものになるのは当然だろう。
VF-23の最大の特徴であるバスタブ型サイドポンツーン

 その最大の特徴は、バスタブ型をしたサイドポンツーン。しかし、フェラーリがそのコンセプトに限界を感じて、開幕直後にバスタブ型の開発を断念したことで、ハースの開発計画は大きく狂うことになる。開発力があるフェラーリが第8戦スペインGPに異なるコンセプトのサイドポンツーンを投入してきたのに対して、ハースは開発の方向性を巡って議論が二転三転したこともあって、なかなかアップデートを投入できなかった。
2023年F1第19戦アメリカGPでアップデートを投入したVF-23


 ハースがアップデートを投入したのは、シーズン終盤戦の第19戦アメリカGP。サイドポンツーンの下をえぐったアンダーカットと、上面が後方へ向かって下がっていくダウンウォッシュを採用した。

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