【瀬戸内】アクシデントも底力で乗り越えるチーム力 注目は2年生MF江川楓<第100回高校選手権>

2021年12月25日(土)23時21分 サッカーキング

2年生MF江川楓(背番号14) [写真]=吉田太郎

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 準々決勝終了後に打ち切られた県新人戦、インターハイ県予選、そして選手権県予選を通じて広島県内の公式戦は13戦全勝。瀬戸内は中国高校新人戦とプリンスリーグ中国でともに2位と、2021年の広島県、中国地域で強さを示してきた好チームだ。

 2018年度の選手権では初出場で3位と大躍進。今年も陣容は攻守ともに充実している。『4−3−3』のアンカーを務めるMF正法地大(3年)、2シャドーのMF長谷川大貴(3年)とMF江川楓(2年)のトライアングルはいずれもスキル、サッカーIQが高いトリオ。トレーニングでパス&コントロールを徹底しているチームは、「相手を見てポジションを決めて、相手の逆を取ったり、ボールをどう運ぶか、相手に合わせてボールを運ぶというのがテーマ」(田中健二郎監督)を表現する形でボールを前進させ、スピードと強さを兼ね備えた3トップを交えた攻撃でゴールを陥れる。

 攻撃的なチームだが、フィード力と高さを兼ね備えた注目DF有吉勇人(3年)とDF平山歩夢(3年)を中心にプリンスリーグ中国はリーグ最少失点で終えた。また、今回の県予選はFW風呂迫恵人(3年)を負傷で欠く中、代役のFW澤田佳憲(2年)が決勝で先制点。加えて、高速左SB伯野航太(3年)が急遽併用された『3−4−3』システムの2シャドーの一角に入ってスーパーゴールを連発し、DF松浦隆介(3年)が準決勝と決勝で貴重なゴールを挙げるなど、アクシデントを乗り越える底力を示して広島の頂点に立った。

 好選手の多い瀬戸内だが、中でも11月にU−17日本高校選抜へ選出された江川は、ブレイクが期待される選手だ。5日間のU−17日本高校選抜合宿では年代別日本代表常連の神村学園MF大迫塁の動きを見て、アドバイスを受けるなど刺激に。より前を意識してプレーするようになった。

 瀬戸内で磨いてきたボールコントロールは高校1、2年生の才能たちの中でも十分に通用することを確認した。武器に自信を深め、ボールを奪う部分も表現。得意とするドリブルからのシュートで結果を残すことはできなかったが、「こういう大きな場所に選ばれて、自分の実力を試す良い機会だなと思って楽しみでした」という合宿の経験は、飛躍のきっかけになりそうだ。

 インターハイは丸岡との2回戦で相手の3倍に及ぶ12本のシュートを放ちながら、2点目を奪えずにPK戦敗退。「悔しい思いをした」と語る江川は、選手権へ向けて「3年前にベスト4へ行って、それを超えたいと思っています。自分は自分の仕事をしっかりして、チームを勝たせる選手になりたいです」と話す。夏の悔しさも込めて戦い、先輩たちとともに歴史を塗り替える。

取材・文=吉田太郎

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