第101回全国高校サッカー選手権大会、注目校まとめ【前編】

2022年12月26日(月)14時0分 FOOTBALL TRIBE

青森山田高校(左)前橋育英高校(右)写真:Getty Images

毎年冬になると、日本サッカー界における重要な大会がはじまる。全国高校サッカー選手権大会である。今年で101回目を迎える同大会は、高校サッカーをする者にとって最大の目標となる大会だ。


今2022年は12月28日に開幕戦を迎え、2023年1月9日までの開催が予定されている選手権。ここでは開幕を前に、第101回全国高校サッカー選手権大会における注目校を前編と後編に分けて紹介しよう。


プロと違い、毎年チーム編成が大きく変わっていく高校チーム。果たして2022年はどんなドラマが待っているか。高校生たちの熱い冬が始まる。




青森山田高校 写真:Getty Images

青森山田高校


黒田剛監督のラストイヤーを飾れるか


昨2021年、高校三冠(インターハイ・高円宮杯・選手権)を達成した青森山田高校。MF松木玖生(FC東京)やMF宇野禅斗(町田ゼルビア)ら多くのタレントがいた。昨年のチームは歴代最高と称され、それを越えることはそう簡単なことではない。後輩たちには相当のプレッシャーがあったに違いない。


今2022シーズン序盤は、高円宮杯JFAU18プレミアリーグEAST(通称プレミアリーグ:4月2日〜12月4日開催)で、同校は開幕3連勝するもそのあと5連敗。連覇のかかったインターハイ(全国高校総体:7月24日〜30日開催)でも2回戦で帝京高校(東京)に敗れるなど、非常に苦しい夏を過ごしていた。


しかしチームは立て直しを図り、プレミアリーグでは最終4位と、高体連チームでは最高順位でフィニッシュ。青森山田高校セカンドも高円宮杯JFAU18プリンスリーグ東北(通称プリンスリーグ)を優勝でフィニッシュ。チームとしての総合力を確実に高めた1年となった。


そんななか10月末に、長年指揮を執った黒田剛監督の退任が発表された。1994年から青森山田を強豪校に育てあげてきた同監督は、2023シーズンよりFC町田ゼルビアの監督に就任することが決まっている。青森山田での最後の冬。有終の美を飾ることができるか。







飯塚高校


福岡の歴史を変えた新勢力


東福岡高校、筑陽学園高校、九州国際大付属といった高円宮杯JFAU18プレミアリーグWEST(通称プレミアリーグ)や高円宮杯JFAU18プリンスリーグ九州(通称プリンスリーグ)に所属する高校が多くある福岡は、激戦区の1つでもある。そんな福岡の歴史を変えたとも言える新勢力が、飯塚高校だ。


何よりも注目すべき点は守備力である。選手権の福岡県予選では、準決勝で対九州国際大付属を3-0で撃破。決勝では東福岡相手に1-0のウノゼロで勝利した。同予選での失点数はなんと0。2022年の福岡県リーグでの失点数は8。他県リーグチームの平均失点数が35に対し、圧倒的に少ない。リーグに限らずトーナメントでの強さを発揮。力があることを証明する舞台は整った。


注目選手は、DF片山敬介。堅守を支える主将である。身長は178㎝と決して大きい方ではないが、競り合いの強さはピカイチ。まずは選手権初戦突破を目指す。


前橋育英高校 写真:Getty Images

前橋育英高校


夏の覇者が冬でも力を発揮するか


今2022シーズンが始まる段階で、高校三冠(インターハイ・高円宮杯・選手権)に1番近かったチームが前橋育英高校(群馬県)である。中盤には、MF徳永涼というU18日本代表にも選出された高校年代トップクラスの選手を擁す。この徳永を支える相方は、FW小池直矢とFW高橋善だ。タイプの違うFW同士で様々な得点パターンを持つ。


攻撃陣に注目が集まるが、守備陣も素晴らしい仕上がりである。12大会ぶり2回目の優勝を果たした夏のインターハイでは、5試合で失点はわずか1。最終6位となった高円宮杯JFAU18プレミアリーグEAST(通称プレミアリーグ)での失点数については波があるが、守備陣もいつも通りの力を発揮できれば選手権優勝も見えてくるだろう。


今シーズンから初参戦となったプレミアリーグを経験することで、リーグ戦で体感する試合強度を上げることができたのも、チームにとって大きなプラスになっていることは間違いない。目指すは「高校二冠」である。







大津高校


前回選手権準優勝校、目指すは頂点


前回選手権で準優勝の大津高校(熊本県)。昨2021年はメンバーのほとんどが3年生であり、2022年は1からチーム作りをする必要があった。そのなかでも力をつけ、インターハイではベスト8進出。高円宮杯JFAU18プレミアリーグWEST(通称プレミアリーグ)は6位でフィニッシュ。この1年間で大きく成長したチームであることは間違いない。


特に今シーズンの成長ポイントは、DF坂本翼とDF田辺幸久の両サイドバックである。攻撃参加はもちろんのこと、守備面での貢献度が高い選手である。攻撃のキーマンはU17日本高校選抜にも選ばれた10番MF田原瑠衣。決してサイズが大きい選手ではないが、ラストパスが出せるレフティーだ。田原のパスから今選手権では何得点が生まれるか。注目である。


公立高校の雄として、大津高校が目指すは前回大会を越えること。それは優勝である。

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