上原浩治氏が「同期」松坂大輔に抱く思いは「バケモノ」

12月27日(金)16時0分 NEWSポストセブン

上原の目に松坂はどう映った?(撮影/谷本結利)

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 2019年5月に引退した元巨人の上原浩治氏(44)は、かつて巨人で同僚だった工藤公康氏(現ソフトバンク監督)から「球種を増やすのではなく、いま持っている球を磨け」という教えを受け、それが現役生活を長く続けられた理由だと語っている。そしてもうひとつ、上原氏は工藤氏から重要な教え受けていた。引退までの心の動きを綴った著書『OVER 結果と向き合う勇気』を上梓した上原氏が、工藤氏からの教えと、今なお現役を続ける西武ライオンズ・松坂大輔(39)への思いを語る。


上原:工藤さんは「年齢を重ねるほど練習時間は長く、オフの休養は短く」とも話していました。ベテランはオフに体をしっかり休めるのが当たり前だった時代に、人一倍体を動かし続けたから、工藤さんの実働29年の現役生活はあったんだと思います。


 だから僕もファームでは誰よりも早くグラウンドに出て準備をしたし、オフも年々短くなって、40歳を過ぎてからは1週間ほどしか休みませんでした。(松坂)大輔はまだ39歳でしょ? 彼にはこれからも現役にこだわってやってほしいと思いますよ。野球が心底好きなヤツやから、まだまだやれると思います。


 僕が引退を決めた時にはLINEを送りました。長い文章じゃないですけど、「明日、引退会見をするから」って。大輔からは「正直、寂しいです」という返信が返ってきました。僕がそうでしたけど、野球が好きだからボロボロでも現役でいたいわけで、好きじゃなかったら続けることはできない。


 もちろん戦力として認められるかどうかはあくまでも第三者の評価ですけど、球団から必要とされているんだったらぜひ1年でも長く続けてほしい。


──同じ1999年にプロ入りし、ともにリーグを代表するエースとして活躍。メジャーではどちらもワールドチャンピオンに輝き、再び“古巣”でプレーするなど、2人の歩みの共通点は多い。


上原:大輔とは年齢が5つも離れていましたし、プロ入り当初はそれほどライバル視はしていなかったんです。「所詮は高校生やろ」という思いもあって。でも、実際見たらとんでもないバケモンやった(笑い)。


 同期でプロ入りして、セ・パ両リーグで互いに新人王を獲らせてもらう中で、どんどんと意識する存在になっていった。何かと比べられることも多かったですし、僕にとってはいいライバルでしたね。レッドソックスでは入れ替わりでチームメイトにはならなかったけど、メジャーでもそういう意識で大輔を見ていました。けどアイツ、西武に入ったって俺への連絡がないなァ(笑い)。


──上原の「野球が好きだ」という思いは、現役を終えても変わらない。引退後も、野球の現場でプレーする選手たちを見ては「羨ましい」という思いが、ふと湧いてくるのだという。


上原:世界野球プレミア12で解説をさせてもらった時は、日の丸を背負って戦う選手たちに対して羨ましさを感じました。ああ、俺も東京五輪でプレーしてみたかったな、と。


 でもそんなことばかり考えていても仕方がない。一度、野球から気持ちを切らなければいけないと考えています。その時初めて、野球人としていろんなものが見えてくると思うし、本当の意味で前へ進めると思うんです。


 これからの自分がどうなっていくのか、自分でもわかりません。ただ、仮に野球の指導者になったとしたら、僕が教えられることはいくつかあると思います。


 僕は日本シリーズやワールドシリーズ、第1回WBCみたいな大舞台も経験させてもらってますけど、一方で、高校野球での補欠時代やアメリカでのマイナー生活も血肉になっている。それに先発の気持ちも、中継ぎの気持ちも、抑えの気持ちもわかる。この経験値だけは負けないという自負はあります。


 とくに、プロの一軍で活躍できるメンタルをどう培っていくか──そういうことを、次世代の選手に伝えることができればうれしいですね。


●取材/佐々木亨(スポーツライター)


※週刊ポスト2020年1月3・10日号


OVER - 結果と向き合う勇気 - (JBpressBOOKS)

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