MotoGP:スズキ「最大の要因として一貫性が非常に重要だった」/2020年シーズン振り返り(3)

2020年12月28日(月)8時0分 AUTOSPORT web

 MotoGP最終戦ポルトガルGPで行われた各マニュファクチャラー代表者たちによる特別記者会見。スズキ、ドゥカティ、KTMの代表者たちが2020年シーズンを振り返った。


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■ダビデ・ブリビオ:チーム・スズキ・エクスター マネージャー
「2020年は我々にとって素晴らしい年だ。ヘレスでの最初の2戦ではそれほど良いスタートを切れなかった。開幕戦では、ライダーふたりともがゼロポイントだったのだ!その後我々は徐々に集中していった。ターニングポイントとなったのはオーストリアでジョアン(・ミル)が表彰台を獲得した時だ。アレックス(・リンス)はクラッシュしたが、彼は首位に近いところにいた。そして一貫性を積み重ねていき、今の状態にあるわけだ」


「ジョアンは第14戦バレンシアGPで世界選手権タイトルを獲得し、リンスは2位につけているところだ。非常にポジティブな状況で、大変喜ばしく思っている。コンストラクターズ選手権ではドゥカティと争っているので、最終戦に臨むにあたっては、達成すべきいくつかの他の目標も持っているわけだ。これは良い状況だ」


「我々が満足し、誇りに思っていることは、ダブルポディウムを飾ることができたことだ。ライダーふたりが4回表彰台にともに登壇している。これはライダーたちがどれだけ速いか、またバイクのパフォーマンスがどれだけ優れているかということを明確に示している」


「今年の最大の要因として、一貫性が非常に重要だった。多くの異なるライダーたちがレースで優勝している。ヤマハはどのチームよりもレースで優勝しているが、我々は一貫性を発揮することができた。ふたりのライダーが11回表彰台を獲得したのだ」


「今年は奇妙なシーズンで、少々異なる勝負であったと考えている。3連戦が多く行われた。我々は3連戦には慣れていない。だが技術的な観点から見ると、1カ所のサーキットで2連戦を行うと、我々が慣れているスケジュールに比べて流れを変えることができる。最初のレースでは早くバイクに適応しなければならない。2回目のレースでは全員の差が縮まっており、競争はいっそう激しくなる。こうしたことが普段と比べてこのシーズンを違ったものにしている。だが我々はタイトル獲得を達成したことを喜んでいるよ!

2020年MotoGP第14戦バレンシアGP タイトルを獲得したジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)


■パオロ・シアバッティ:ドゥカティ・コルセ スポーツディレクター
「ダビデが分析したことに賛成だ。今年は独特なシーズンだった。3月にはカタールでレースをしているはずだったことを我々はみんな覚えている。それにある時点では、そもそも2020年にチャンピオンシップが開催されるのかどうかそもそもの疑問があった。そういうわけで、第一にこの困難な状況のなかで14ラウンドを開催したことは素晴らしい成果だった。この成果を喜び、誇るべきだと思う」


「我々の状況については、マルク(・マルケス)が開幕戦でクラッシュし、彼がその不運の影響のために今シーズン復帰できなかったことが理由だと思うかもしれないが、我々はこの選手権でのタイトル候補になり得たのだ。なぜなら過去3年間にわたって、ドヴィツィオーゾはマルクについで2位につけていたからね。だがいくつかの原因があった」


「それはチャンピオンシップの形式、連戦、新しいミシュランのリヤタイアに以前のパッケージで慣れていたバイクとライディングスタイルを適用させることが困難だったことなどで、一部のライダーたちはうまくいかず、我々にとって難しい事態となった。我々には競争力があり、ほぼすべてのレースで表彰台を争っていたが、それはアラゴンを除いては常に異なるライダーによるものだった」

2020年MotoGP第10戦フランスGP ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ・チーム)


「何人かのライダーと表彰台を賭けて戦っていた。我々は5人のライダーを表彰台へ送り込んだ。2019年型バイクに乗る(ヨハン・)ザルコを含む、ドゥカティが契約する5人のライダー全員が表彰台に上がった。これが我々がコンストラクターズ選手権でスズキと並んでいる理由だ。彼らは優勝回数が多いので、同点で首位にいる。ライダーズタイトルを争えないことは残念だ。スズキとジョアン・ミルにとって一貫性が重要な役割を担っていた。彼らの素晴らしい仕事には脱帽だ」


「今年の結果を見てみると、あるレースで素晴らしい結果だったが、次のレースではかなり遅くなったライダーたちがいた。コースのコンディションによって、誰もが順応するのに苦労していると思う。我々ドゥカティはグリップの低い時に苦戦した」


「だが我々は今年多くを学んだし、2021年に向けたアイデアがいくつかある。来年は新たな展開もある。なぜならファクトリーチームとプラマックに新ライダーたちが加入するからだ。また、アンドレア(・ドヴィツィオーゾ)とダニロ(・ペトルッチ)に別れを告げる感情的な時期だ。アンドレアは8年、ダニロはプラマックを数に入れれば6年、我々とともにいた。そういうわけで我々は前を見据えなければならない。将来に向けた開発のアイデアがいくつかあるし、来年はさらなる一貫性をすべてのラウンドで発揮できることを期待している。なぜならそれだけがチャンピオンシップで戦う方法だからだ」


■マイク・ライトナー:レッドブルKTMファクトリーレーシング チームマネージャー
「今シーズンには非常に満足している。我々にとってMotoGPでの4シーズン目にあたるが、3シーズン目から4シーズン目にかけて大きな進歩があった。ウインターテストの時にバイクの何かが変わったとすでに感じていた。我々は必死に取り組んだし、会社側も大きくプッシュしてくれた。ライダーもエンジニアもだ。その後、シーズンは新型コロナのために足止めされ、我々は何も見せることができなかった」


「我々はテストで軌道に乗った最初のチームだった。レースが始まってみると、ヘレスでの開幕戦ではポル(・エスパルガロ)のパフォーマンスがすでに良かったし、ブラッド(・ビンダー)も速かった。シーズンが進むなかで、バイクのパフォーマンスは特にレース距離で明らかに大きく向上した。予選でも良い成績が出せた。そして2回の優勝があった。1回目はブラッドがブルノで、そして次にミゲル(・オリベイラ)がオーストリアで優勝した。我々にとって大きなハイライトであり、今シーズンについて非常に喜ばしく思っている。今もライダーのためによりいっそう優れたパッケージを作るべく熱心に作業をしているし、将来を楽しみにしている」


「ポルは初めからこのプロジェクトで非常に強力な役割を担っていた。そして我々が将来に向けて戦略を変更しなければならなかったことは確かだ。我々はもう悲しくはない。彼の将来の新しいプロジェクトが上手くいくことを祈っている。一方でファクトリーチームは、ミゲルとブラッドという非常に速いふたりのライダーを起用する。テック3には速くて若いライダーのイケル(・レクオーナ)がおり、また経験豊富なダニロ(・)ペトルッチも加入する。彼らライダーたちから最高の力を引き出し、最大限にプッシュしていく」

2020年MotoGP第13戦ヨーロッパGP ポル・エスパルガロ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)


※2020年シーズン振り返り(4)に続く

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