桐蔭学園|伝統の技術にハードワークも兼備…激戦区を制した神奈川の名門【選手権出場校紹介】

2020年12月29日(火)17時45分 サッカーキング

激戦区の神奈川県予選を制した桐蔭学園

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 伝統の力に加え、まとまりの良さ、粘り強さで激戦区・神奈川県予選を制した。桐蔭学園は2002年度の選手権でベスト4入りしたほか、2011年のインターハイで全国制覇も成し遂げている伝統校。DF森岡隆三(元清水など)、MF戸田和幸(元清水など)というワールドカップ戦士や福岡をJ1へ導いた長谷部茂利監督、来季から山口の指揮を執る渡邉晋監督といった指導者も輩出している。

 伝統的に見ている人を魅了するようなパスワークを強みとしてきたチームは、今年もベースとなる技術力が高い。OBでもある八城修監督から求められている「判断の部分を自分で考えて出せること」と合わせて、相手の状況を見ながら多彩な崩し、そして得点を奪う力がある。県予選決勝も相手の隙を見逃さずにボールを正確に繋ぎ、エースFW長澤圭剛と2年生FW立石宗悟の強力2トップがともに個の力を発揮してゴールを決めるなど、昨年のインターハイ王者である堅守・桐光学園から3ゴールをもぎ取った。

 今年のチームについて、左サイドの仕掛け役であるMF廣瀬隼斗は「誰かがズバ抜けているわけではない。前線は繋いで繋いでクロスでも、ミドルでも、誰が出ても得点に絡めるように。守備は青木(祐人)中心になるんですけど、身長は大きくない。まとまってカバーし合って競り合いもセカンドを意識しています」と説明する。2トップや、最終ラインの柱である2年生CB青木祐人をはじめ、力のある選手が揃うが、年代別日本代表やJクラブ内定選手がいる訳ではない。それでも、各選手がそれぞれの強みを生かしながらまとまり良く戦っている印象で、それが結果に繋がった。

 もう一つ、神奈川予選優勝の原動力となったのは、粘り強さだ。桐光学園との県予選決勝は攻められる時間が増えていたが、「守備の粘り強さで出してもらっている。守備の粘り際を伝えていければと思ってプレーしていました」という右SB中島駿乃介主将や青木、CB片山楓人らがゴール前で最後まで身体を投げ出してシュートをブロックしたり、コースを限定したりしていた。2度追いつかれたものの、その粘り強さによって勝ち越し点は許さずに延長戦で勝利している。どちらかというとスマートな印象もあるチームだが、泥臭さや粘り強さも兼備。中島は「全国大会優勝という目標があるのでしっかりとトレーニングしていきたい」。全国大会は過去3度の優勝を誇る東福岡(福岡)との初戦から難しい組み合わせだが、ハードワークし、伝統の力も発揮して勝ち上がる。

【KEY PLAYER】FW立石宗悟



 桐蔭学園の2年生FW立石宗悟は神奈川県予選でチームトップの4ゴール。準決勝ではエースFW長澤圭剛との連係によって敵陣で相手ボールを奪ってから決勝点を決め、決勝でもペナルティエリアで攻撃力を発揮して先制ゴールを叩き出している。決勝戦の延長前半終了間際には鋭くペナルティエリアへ切れ込み、決勝点に繋がるPKを獲得。「自分がいつも決めると思ってやっています。自分のストロングポイントは味方の苦し紛れのクリアでもチャンスに繋げていくところ」と自己分析していたが、試合終盤でもパワーを持って仕掛けられる力と決定力、そして闘争心を全面に出してゴールを目指す姿勢は注目だ。

 桐蔭学園中出身のストライカーは、名門・桐蔭学園で1年時から先発起用されている。当時から自分は泥臭くプレーすることで活きることを理解。「切り替えの部分や球際の部分、ボールに対する執着心とか足下からではなく身体から。足下がある人はもっといっぱいいるんですけど、それよりも自分は気持ちで勝負」と自分が高校サッカーで勝負する術を口にしていた。ボールを受けると、間を置かずに果敢に仕掛けてシュート。味方に推進力ももたらしている2年生FWは、全国大会でチームが苦しい時でも前に出てゴールを決める。

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