日本文理大附|大分県南勢として初の選手権出場、一戦必勝で新たな歴史を【選手権出場校紹介】
2020年12月29日(火)21時4分 サッカーキング
保明栄治監督が日本文理大附の指揮官に就任して8年。インターハイを含めて全国大会は初出場で、大分県南地域からも初となる選手権出場だ。
今季の九州大学リーグ1部王者である日本文理大の附属高校として強化を進め、「うちは附属高校なので大学で通用する選手を育てたい。子どもたちにとって、7年間サッカーができる環境があるのは日本文理大のおかげだと思う。大学生の姿勢を見ながら、自分たちはここまで進んで来た」(保明監督)。
部員の半数近くは地元・大分県佐伯市の出身。安藤瑞季(FC町田ゼルビア)などを輩出したFC佐伯S-play・MINAMIの選手を軸に据えながら、他地域や県外の選手を融合させた。
とはいえ、「国体(U−16の県選抜)に選ばれたような選手はいない。佐伯の環境で頑張らせてきた結果」と指揮官が言うように、強豪校のようなタレントを擁しているわけではない。県内で結果を残せず、上位進出を果たせなかったのは一度や二度ではなかった。だが、今年は泥臭く戦いながら手応えを掴んでいくと、チームは右肩上がりで力を付けた。4−1−4−1で戦った今予選では、攻撃の柱となる左サイドハーフのキャプテン・垣内太陽(3年)が得意の左足と空中戦の強さを武器に15得点を挙げ、突破力に秀でた最前線の三木誉歩斗(3年)も7得点。右サイドハーフでプレーする木村玲音(2年)は独力でチャンスを作り、2列目の新立龍真(3年)や東健翔(3年)、右SBの大友海翔(3年)も積極的にゴール前へ顔を出して得点に絡んだ。また、「中への入り方は4パターンほど持っている」(垣内)というセットプレーもストロングポイントで、今予選の準決勝(◯2−1大分鶴崎)と決勝(◯4−2大分)ではキックに自信を持つMF佐潟堅士(3年)のキックから得点を奪った。
守備陣は強度に不安を抱えていたが、一戦ごとに安定感がアップ。GKの髙木聡太(2年)やCB丸山剛(3年)を中心に体を張った守りを見せるようになり、失点直後にメンタルが崩れる場面も激減した。実際に県予選準決勝では2点リード後に1点を返されたが、粘り強く戦って最少失点で切り抜けた。
準決勝で県インターハイの代替大会を優勝した大分鶴崎、決勝では昨年度の出場校である大分を撃破。その実力に疑いの余地はない。「最後までやりきって全国で1勝を挙げたい」とは佐潟の言葉。初の大舞台で飛躍を遂げられるか。大分の新鋭校は一戦必勝で新たな歴史を作りにいく。
【KEY PLAYER】FW垣内太陽
生粋の“佐伯っ子”が初の全国舞台に挑む。中学時代は線の細い小柄な選手で、FC佐伯S-play・MINAMIでキャプテンを務める時期もあったものの、ポジションを掴み取れなかった。しかし、高校入学後の3年間で身長が20センチもアップ。「元々ストロングポイントを持っていた子。小学校と中学校で佐伯の指導者に教え込まれたことが、高校で大人の体になり、結果がついてきた」(保明監督)。華奢な身体も見違えるようにたくましくなり、誰もが認めるチームのエースとなった。
最大の武器はパワフルな左足のシュートと体の強さを生かしたドリブル突破。負けん気が強く、何度阻まれても相手に向かっていく姿勢は中学時代の先輩・安藤瑞季を彷彿させる。また、バレーボールをやっていた母譲りのジャンプ力も魅力で空中戦に滅法強い。
憧れの選手は原口元気(ハノーファー)。「アグレッシブに縦に行くスタイルでゴールに向かうところが好き」と言い切る日本代表のアタッカーのように、本大会でも貪欲に仕掛けていければチームの勝利に近づく。今予選は10得点を目標に掲げていた中で15得点の大活躍。全国レベルのDFに対して結果を残せれば、さらなる飛躍を見えてくる隠れたブレイク候補だ。
取材・文=松尾祐希
今季の九州大学リーグ1部王者である日本文理大の附属高校として強化を進め、「うちは附属高校なので大学で通用する選手を育てたい。子どもたちにとって、7年間サッカーができる環境があるのは日本文理大のおかげだと思う。大学生の姿勢を見ながら、自分たちはここまで進んで来た」(保明監督)。
部員の半数近くは地元・大分県佐伯市の出身。安藤瑞季(FC町田ゼルビア)などを輩出したFC佐伯S-play・MINAMIの選手を軸に据えながら、他地域や県外の選手を融合させた。
とはいえ、「国体(U−16の県選抜)に選ばれたような選手はいない。佐伯の環境で頑張らせてきた結果」と指揮官が言うように、強豪校のようなタレントを擁しているわけではない。県内で結果を残せず、上位進出を果たせなかったのは一度や二度ではなかった。だが、今年は泥臭く戦いながら手応えを掴んでいくと、チームは右肩上がりで力を付けた。4−1−4−1で戦った今予選では、攻撃の柱となる左サイドハーフのキャプテン・垣内太陽(3年)が得意の左足と空中戦の強さを武器に15得点を挙げ、突破力に秀でた最前線の三木誉歩斗(3年)も7得点。右サイドハーフでプレーする木村玲音(2年)は独力でチャンスを作り、2列目の新立龍真(3年)や東健翔(3年)、右SBの大友海翔(3年)も積極的にゴール前へ顔を出して得点に絡んだ。また、「中への入り方は4パターンほど持っている」(垣内)というセットプレーもストロングポイントで、今予選の準決勝(◯2−1大分鶴崎)と決勝(◯4−2大分)ではキックに自信を持つMF佐潟堅士(3年)のキックから得点を奪った。
守備陣は強度に不安を抱えていたが、一戦ごとに安定感がアップ。GKの髙木聡太(2年)やCB丸山剛(3年)を中心に体を張った守りを見せるようになり、失点直後にメンタルが崩れる場面も激減した。実際に県予選準決勝では2点リード後に1点を返されたが、粘り強く戦って最少失点で切り抜けた。
準決勝で県インターハイの代替大会を優勝した大分鶴崎、決勝では昨年度の出場校である大分を撃破。その実力に疑いの余地はない。「最後までやりきって全国で1勝を挙げたい」とは佐潟の言葉。初の大舞台で飛躍を遂げられるか。大分の新鋭校は一戦必勝で新たな歴史を作りにいく。
【KEY PLAYER】FW垣内太陽
生粋の“佐伯っ子”が初の全国舞台に挑む。中学時代は線の細い小柄な選手で、FC佐伯S-play・MINAMIでキャプテンを務める時期もあったものの、ポジションを掴み取れなかった。しかし、高校入学後の3年間で身長が20センチもアップ。「元々ストロングポイントを持っていた子。小学校と中学校で佐伯の指導者に教え込まれたことが、高校で大人の体になり、結果がついてきた」(保明監督)。華奢な身体も見違えるようにたくましくなり、誰もが認めるチームのエースとなった。
最大の武器はパワフルな左足のシュートと体の強さを生かしたドリブル突破。負けん気が強く、何度阻まれても相手に向かっていく姿勢は中学時代の先輩・安藤瑞季を彷彿させる。また、バレーボールをやっていた母譲りのジャンプ力も魅力で空中戦に滅法強い。
憧れの選手は原口元気(ハノーファー)。「アグレッシブに縦に行くスタイルでゴールに向かうところが好き」と言い切る日本代表のアタッカーのように、本大会でも貪欲に仕掛けていければチームの勝利に近づく。今予選は10得点を目標に掲げていた中で15得点の大活躍。全国レベルのDFに対して結果を残せれば、さらなる飛躍を見えてくる隠れたブレイク候補だ。
取材・文=松尾祐希