【インタビュー】本田望結(高校選手権応援マネージャー)~スポーツは勇気、力を与えられるもの~

2020年12月30日(水)12時0分 サッカーキング

[写真]=野口岳彦

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 12月31日に開幕する第99回全国高校サッカー選手権大会。冬の風物詩に華を添える応援マネージャーは女優、フィギュアスケーターの本田望結さんに決まった。

 初代の堀北真希さんや新垣結衣さん、広瀬すずさんといった、錚々たる歴代のメンバーからわかるように、登竜門的な役割も果たしている高校サッカー応援マネージャー。前回大会の森七菜さんの今年の活躍も記憶に新しい。今大会ではフィギュアスケーターとして、女優として活躍の場を広げている本田さんとなった。

 同年代の“現役アスリート”としては初のマネージャー起用となる本田さんに大会への意気込みや応援マネージャーの活動を通じて伝えたいことを聞いた。

インタビュー=小松春生
写真=野口岳彦

■時間を噛み締めながら、応援マネージャーとしての時間を大切に



———マネージャーに就任されてから、組み合わせ抽選会に参加し、予選へ足を運び、いろいろな取材も受けられています。時間の経過とともに心境の変化はありますか?

本田望結(以下、本田) 収録や取材をさせていただくとともに、実感が湧くと思っていましたが、改めて聞かれると実感が湧いているかは、まだわからないです。取材をしている時は集中しているのですが、「当たり前」という言葉は嫌いですが、フッとしたときにどうしたら自分が応援マネージャーの役割を果たせるのかと考えることはあります。応援マネージャーとしての活動は本当にあっという間なので、ゆっくりゆっくり、時間を噛み締めながら、応援マネージャーとしての時間を大切にしたいです。

———応援マネージャーとして伝えていきたいことは何でしょうか。同じアスリートであることも選ばれた理由の一つだと、ご自身もお話しされていますが、歴代応援マネージャーとの大きな違いもそこにあると思います。

本田 同じアスリートではありますが、競技が違う他の選手の具体的なところがどこまでわかるのか、という部分はあると思います。でも、それは今まで私が選手として活動してきた中で、自分が過去に味わったことのある経験や気持ちに似たものはあると思うので、言葉が自然と出てくると思います。あまり“同じアスリートだから”とは意識しないで、と思っていますが、そう言うとつい意識しちゃいますね(笑)。「自分にしかないものって何だろう」と不安にもなりますが、深く考えすぎず、選手の皆さんに取材させていただく際も、素直に思ったことを質問してお話を聞きたいです。

■鮮明な声、音が聞こえてくる


———応援マネージャーに就任してから、初めての試合取材は神奈川県大会決勝となりました。ご覧になっていかがでしたか?

本田 まず、会場の階段を上がってフィールドを見たときに、目が倍ぐらい大きくなりました! 残念ながら無観客試合になってしまいましたが、選手の皆さんがすごくキラキラ輝いていて、圧倒されました。選手の皆さんの体がぶつかる音、ボールの音、監督の声も全てが鮮明に聞こえて。実際の会場で取材させていただいた感動はもちろんあったのですが、テレビで見ているような鮮明な声、音が聞こえてくる、不思議な体験をしました。

———前回大会の決勝戦をご家族で見に行かれたそうですね。サッカーの観戦機会も豊富とのことですが、応援マネージャーに就任してから見た試合は、目線が変わりましたか?

本田 試合を観ながら、「あ、自分が制服を着ている。応援マネージャーなんだ」と思う瞬間がありました。今までは実感ができないくらい、1日があっという間に終わっちゃって。夢なんじゃないか不安に思ってしまうくらい、応援マネージャーになれたことが、まだ信じられていないです。いつの間にか大会も終わっているような気がしてしまいます。

———あっという間にならないように、1日1日を大切に噛み締めないと、ですね。

本田 緊張や不安もありますし、楽しもうという気持ちもあります。でも、いざ始まってしまうと、本当にあっという間に終わっちゃうと思って。試合観戦や取材の一つひとつを丁寧に、その瞬間の出来事をしっかり噛み締め、あっという間に終わってしまうかもしれませんが、いつまでも高校サッカーの応援マネージャーとしていられるように、ゆっくり時間が進んでいってほしいと思います。

■スポーツは観ている人を勇気づけたり、頑張ろうと力を与えられるもの


———本田さんは出場する選手と同じ高校生で、アスリートとしても活動しています。個人競技と団体競技の違いはありますが、本田さんは今どういう気持ちでスケート競技に向き合っていますか?

本田 本気でやっていることですし、ある意味、生活の一部になっているので、「こういう気持ちで」というのは、あまりないかもしれません。新型コロナウイルスの影響で、練習や試合ができることは当たり前ではないと、よくわかったのですが、スケートの練習をして、試合に向けて調整して、コーチに怒られて、泣いて、また明日から頑張ろうって思う日々が私の「当たり前」だったので、その中で、こうやって長い時間「フィギュアスケートが大好き」と言えて、フィギュアスケートに夢中になれるのはすごく嬉しいです。

 自分がいい成績を残すためだけではなく、スポーツは観ている人を勇気づけたり、頑張ろうと力を与えられるものだと思っています。私はフィギュアスケートをしていますが、誰かを元気づけたり、誰かの人生の1ページに自分という存在を添えられたらな、と思いながら、試合を観ていました。きっと、これからのスケートの練習でも、自分が上達するためではあるけど、人に感動を与えられるような演技をしたいという気持ちで取り組んでいくと思います。

———ご自身の学生生活はいかがですか? スケート、お仕事、さらに今年はコロナ禍という大変な状況もありました。

本田 コロナの影響もあり、自分のイメージしていた学校生活とは少し違っていますが、やっぱり友達と勉強は大事だと思いました。大人になってからも勉強はできますし、友達も増えると思いますが、大人になったらなったで、やりたいことが見つかると思います。今しかできない、高校生だからこその勉強だったり、お友達とお話ししたり遊んだりする時間を大切にしないとって思います。今は大人になるための階段を登っている最中ですが、私は小さい頃に普通じゃできない体験をさせてもらったからこそ、今は子どもにとどまるではないですけど、16歳として16歳にしかできないこと、学校生活を存分に楽しみたいです。

———運動部のマネージャーのイメージはいかがですか?

本田 素敵です! マネージャーさんも選手と同世代で、同じ夢を持って、一緒に走って、一緒に泣いて、一緒に喜んで。マネージャーさんがいるから選手も頑張れるし、選手がいるからマネージャーさんも役割が果たせる。カッコいいです。高校生の青春ですし、この瞬間の出来事って、一生の宝物になると思います。私もたくさんの宝物を作りたいです。

■全てのことにおいて全力で頑張ることが目標


———本田さんと言えば、サンフレッチェ広島のホーム開幕戦に毎年行かれています。お父様もサッカーがお好きということですが、競技の魅力は何でしょう?

本田 まだまだ勉強不足で、わからないことが多いです。でも、サッカーって細かいルールもありますが、パッと見たときにわかりやすいですし、ボールがあればどこでもできる。素人意見ですが、そういうところが魅力だと思います。あとは、団体競技であるサッカーにすごく惹かれます。選手、コーチ、ご家族…みんなが一体となって頑張る姿、ゴールに向かって走り続ける、一緒に守り抜く…。みんなが同じ夢を持って頑張る姿がカッコよくて。決勝が無事に終わるのはもちろんですけど、そういった姿に自分も触れることで、価値観や夢、生き方、自分の心にある扉みたいな引き出しが、どんどん増えるような気がして、すごく楽しみです。

———そういった各学校の想いが、応援マネージャーの本田さんのところにすべて集まってきます。

本田 選手の皆さんが、「僕の年は本田望結が応援マネージャーだった」と、自慢できるような、女優、スポーツ選手になりたいなって、また一つの夢ができました。私は皆さんのことを応援させていただく立場ですが、皆さんからエールをいただいていると勝手に思っています。各学校のマネージャーさんにも認めてもらえるような活動をしたいです。

———2021年、どういった年にしたいですか?

本田 フィギュアスケートでは、すでに来年への準備が始まっています。全日本選手権出場という目標がありますが、まずは1月のインターハイを頑張ること。そしてお芝居もたくさんやっていきたいので、一つひとつのお仕事を“こなす”ではなくて、次につながるお仕事をたくさん頑張りたいです。2020年はコロナの影響もあり、1年が早く終わってしまった感覚なので、来年はもっとゆっくり噛み締めながら無駄のない1日を過ごしたいです。もちろん高校生として、勉強も学校での活動も頑張ります。全てのことにおいて全力で頑張ることが目標です。

———最後に、応援マネージャーとしての意気込みをお願いします。

本田 まずは、楽しみです。皆さんの熱い戦いに私も勇気や感動をいただけることがとても楽しみですし、どうか一人ひとりの選手にとって最高の大会になることを祈り、精一杯応援したい気持ちで今はいっぱいです。

サッカーキング

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