ベルギーでの飛躍とオランダで直面した壁…2023年を振り返った上田綺世「まだまだ成長が必要」

2023年12月30日(土)19時13分 サッカーキング

 来年1月1日に行われる『TOYO TIRES CUP 2024』のタイ代表戦に向けた日本代表の活動に合流しているFW上田綺世(フェイエノールト/オランダ)が30日、報道陣の取材に応じた。

 上田にとっての2023年は“飛躍の年”でもあり、“壁に直面した年”でもあったのかもしれない。2022−23シーズンの上田はジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)のサークル・ブルッヘで、加入初年度ながら公式戦通算42試合のピッチに立ち、チームトップの23ゴールを記録。これはもちろん2022年の活躍も含まれた数字ではあるものの、今年に入ってからのジュピラー・プロ・リーグ終盤戦では得点王争いも演じる(最終的には2位)など、リーグ屈指のストライカーとして名を馳せた。

 今年の夏にはエールディヴィジ(オランダ1部)王者のフェイエノールトへ完全移籍。ここまでの2023−24シーズンはメキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスに次ぐセンターフォワードの2番手に甘んじているが、自身初のチャンピオンズリーグ(CL)に出場するなど多くの経験を積んだ。

 上田には自身の過ごした2023年がどのように映っているのか。日本代表に合流した上田から出てきた言葉は、フェイエノールト加入後に定位置の座を確保できていないことへの悔しさだった。

「うまくいったかで言えば、ベルギーでそれなりに活躍してステップアップはできましたが、なかなか移籍先で成績を残せていないです。今はやっぱりそこが1番あるんで…」

 そして上田は「色々と経験することはできましたけど、まだまだ成長する部分が必要だなと感じた、そんな1年だったのかなと思います」と振り返った。だが、このまま終わるつもりは微塵もない。「きっかけだったり、運だったり、タイミングだったり、それを掴むためにいろいろトライしているところではあります。早く軌道に乗って行けたら」と来たる2024年を見据えた。

 フェイエノールトでの定位置争いに向けて、ダメージともなりかねないのがアジアカップの存在だ。アジアカップの開催期間中にもエールディヴィジの試合は通常通り行われるため、上田にとっては欠場する試合が増えることとなる。だが、上田は「国を代表して戦えるということは、自分としても幸せなこと」と明かし、次のような言葉で自身の考え方を主張している。

「例えばシーズンを通しての目標とか、キャリア全体での目標とか、先のことを考えることを僕はあまり好んでいないです。なので、アジアカップを経て、フェイエノールトでどうこうみたいなのは考えていなくて…。まずアジアカップはアジアカップで、日本代表の求める結果に僕が貢献できたらと思ってます。それがフェイエノールトの中での自分の立ち位置にどのように影響するのかとかは、特に考えていないです」

 このような信念を持っているのであれば、まず上田が見据える目標は、日本代表を3大会ぶり5度目となるアジアカップ優勝へ導くことだろう。現時点では別メニュー調整が続いており、1月1日のタイ代表戦は回避する可能性も残しているが、アジアカップに向けては闘志を燃やしている。トロフィーを掲げるにはカタールの地で長丁場の戦いに臨むこととなるものの、上田は「(日本代表には)ヨーロッパだったり様々な環境でプレーする選手がいるので、環境に順応する能力とか、そういう自分のスタイルみたいなものはみんな持っていると思います」と、異国での戦いにも自信を示した。

 トレーニングパートナーとして参加した前回大会は、決勝でカタール代表に1−3で敗れ、準優勝に終わった。あれから4年、今や日本代表で中心選手に君臨する上田は「そこで挑戦できることの価値はすごく大きなものがあると思ってるので、一緒に戦えるというのを僕としては良しとしたい」と、代表チームへの想いを口にしていた。

サッカーキング

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