生放送の「SASUKE」超難関へ、ハンパない準備をしていた挑戦者

12月30日(月)6時30分 Sportiva

サスケ君のSASUKE勝利学 第7回(最終回)  (第1回から読む>>)

 こんにちは、SASUKE完全制覇者の森本裕介です!

『SASUKE NINJA WARRIOR』第37回大会の放送もいよいよ明日大晦日ですね。

 近年のSASUKEは海外人気も高まっており、現在はなんと165の国と地域で放送されているそうです。そんな事情もあり、今大会は「100人100業種」という従来の番組コンセプトはもちろんのこと、いつも以上に各国のチャンピオンクラスの実力者が日本のSASUKEに挑戦しています。

 ここ数年、僕は日本のSASUKEで好成績を収められるようになってから、海外のSASUKEにも招待選手として呼んでいただくことが増えました。今年の夏にもドイツのNINJA WARRIORに日本代表として出場し、これまでにアメリカ、インドネシア、マレーシアなどの大会を経験しました。


今年5月、森本がSASUKE日本代表としてドイツに遠征した際の写真。前列左から多田竜也、大嶋あやの、森本。後列左から日置将士、佐藤惇、川口朋広。まさに現役最高峰のメンバーで、全員第37回大会にも出場した


 SASUKEの本家は日本ですが、海外のSASUKEも独自の進化を遂げています。アメリカやヨーロッパは、比較的持ちやすい大きな突起にぶら下がって、思いっきり体を振って大ジャンプするといった派手な動きが要求されるエリアが多いイメージ。対してアジア圏は日本のSASUKEに近く、3cmしかない突起につかまって移動したりジャンプしたりする「クリフハンガー」や、「フィッシュボーン」などの動力を使ったエリアなど、テクニックが要求されるイメージが強いです。(ただし、近年はアメリカやヨーロッパ版も高度なテクニックが要求されるエリアが増えてきています)

 いずれにせよ、海外の大会では日本のSASUKEを想定した練習が通用しない場面も出てくるので、例えば今年ドイツ大会の出場が決まった際にも、海外版のSASUKEを観て研究したり、日本にはないエリアを想定したトレーニングなどを取り入れたりしていました。

 日本のSASUKEを完全制覇することはもちろんですが、海外大会でも好成績を収めて活躍したい! 日本チームのみんなと一緒に優勝したい! それが僕のSASUKE人生における今後の大きな目標のひとつです。


■2018年大晦日に番組史上初の生放送。サスケ君の”FINAL秘話”

 そして明日のSASUKE大晦日放送の大きな見どころのひとつが「FINALステージ生放送」。本稿執筆時点ではまだ明らかにすることはできませんが、令和初のFINALステージ進出者は現れるのか……乞うご期待です!
 
 SASUKEの象徴ともいえるあの地上25メートルの高さのFINALステージは、昨年の第36回大会で22年の番組史上初めて聖地・緑山を飛び出し、横浜・みなとみらいの赤レンガ倉庫にそびえ立ちました。
 
 昨年、12月頭の本戦収録日に3rdステージを突破し、みなとみらいの、しかも初めての生放送のFINALステージに挑むことが決まってから、僕はいよいよ完全制覇に照準を絞って日々「FINAL対策」に精進しました。
 
 SASUKEは1st、2nd、3rd、FINALの4つのステージで構成されていますが、僕の感覚ではFINALがダントツで難しいです。誇張ではなく、「超難関」といわれる3rdステージが楽しい遊園地に思えるほどの絶望的な難易度になっています。
 
 25メートルというビルの7、8階に相当する高さを、45秒という限られた時間で、「スパイダークライム」「サーモンラダー15段」「綱登り」という異なる3つのエリアを突破しなければならない。心技体、SASUKEに必要なすべての能力が試されます。
 
 前回大会のとき、僕は1年かけてFINALステージのトレーニングをしてきましたが、まさに地獄でした。何せ、「サスケ君」と呼ばれ、青春のすべてをSASUKEに捧げてきた僕ですら、SASUKEがイヤになりかけたぐらいでしたから……(笑)。


昨年の大晦日、FINALステージ挑戦前にエリアを見上げる森本(左端)。現行のFINALステージは、合計高さ25メートルとなる3つのエリアをわずか45秒でクリアしなければならない超難関ステージ(撮影/Sportiva)


  各エリアの対策ももちろんしましたが、僕が一番重視したのはエリアの繋ぎ目の移行部分をどう短縮するか、ということでした。つまり、スパイダークライムからサーモンラダーへの移行、サーモンラダーから綱登りへの移行。この時間を0.1秒でも短縮したかった。なので、普段大阪で拠点にしている練習所のセット主である浦嶋さんに、その移行部分の練習ができるように急ピッチでセットを改造していただいて……(笑)。自分の動きをスマートフォンで撮影し、コマ送りで何度も見直して修正を重ねました。
 
 あとは徹底した筋持久力の底上げトレーニング。ただでさえキツいサーモンラダーと綱のぼりのトレーニングを延々と繰り返す。これは想像以上の地獄で、次の日はもれなく全身筋肉痛になり、疲労を通り越したイヤな倦怠感に全身が包み込まれます。「完全制覇したら、もう二度とこんな地獄トレーニングはやらないぞ?」と強く思っていました(笑)。


森本が大阪の本拠地とする、通称"亀パ"での綱登りの練習風景


■練習仲間もドン引きの準備力。”SASUKEが生んだ怪物”の所以

 そしてFINALに備え、トレーニング以外にやったことが「会場となる赤レンガ倉庫の下見」です。僕は高知出身、そして現在も大阪住まいなので、横浜の土地勘がまったくない。この不安は当日までに絶対に解消しておかなければならないと思いました。
 
 まず、FINAL進出を決めた翌日に、本番の際に泊まるであろう横浜のホテルを予約し、そのホテルに実際泊まってみました。
 
 部屋はリラックスできるか。ベッドの感触はどうか。朝食の栄養バランスは。そういったことを事前に確認して、本番で100パーセントに近い力を出せるような環境をまず整えたかったのです。

 
 その頃のみなとみらいは、まさにクリスマスシーズン。SASUKEのFINALステージが建ったあの場所には大きなクリスマスツリーが立っていて、右を向いても左を向いてもカップルばかり。
 
 そんななかで僕はひとり、SASUKE本番と同じ(勤務先の)IDECのウェアを着て、その上からベンチコートを羽織り、腕を組んで仁王立ちでイメージトレーニングをしました。もちろん、FINAL当日の雰囲気に慣れておくためです。当初の予定ではその場で地下足袋も履くつもりだったのですが、さすがに思いとどまりました(笑)。
 
 おかげで「12月のみなとみらいはこんなに寒いのか」「当日は海風が結構強いかもしれない」といった現場にまつわる情報をしっかりインプットでき、その上で当日と同じ時間帯にその場でウォーミングアップをして、体の動き具合などもすべて確認しました。
 
 事前にリストアップしたことを確認し終えた後、昨年実況の安住紳一郎アナが紹介してくださいましたが、余った時間で観覧車に乗ることにしました。

「観覧車の上からみなとみらいの夜景を見下ろして、完全制覇したときの気持ちをイメージしておこう」

 観覧車の順番待ちの通路も、当然のごとくカップルだらけ。そのなかでベンチコートを羽織った僕はひとりで観覧車に乗り込み、SASUKE完全制覇の瞬間をイメージし続けました。
 
 これほどまでの意気込みと周到な準備をして挑んだFINALステージですが、結果は皆さんのご存じのとおり。完全制覇に僅かに及びませんでした……。
 
 しかし、地上25メートルから見たそのときの光景は一生忘れません。そこには、赤レンガ倉庫エリアの入り口まであふれるほどの大勢の人たちがひしめいていました。挑戦が終わり、FINALステージの上から降りてくるとき、初めて僕はこんなにたくさんの人たちがSASUKEの生放送を観にきてくれていたということを知りました。スタート前、地上に立っていたときは自分の普段のルーティン通り、お客さんが目に入らないようにずっと視線を下に向けていて気づかなかったためです。

 
 本当にたくさんのお客さん。自分の名を呼ぶ応援の声。みなとみらいの街並み。その大会での完全制覇は達成できませんでしたが、あのとき見た景色は今でも僕の目に焼きついています。人生で一番の宝物をもらったような、そんな気持ちでした。もう一度、必ずこの場所に戻ってくる——そう強く決心しました。


昨年の第36回大会、生放送が敢行されたFINALステージ本番直前の赤レンガ倉庫。多くのSASUKEファンが森本の挑戦を見届けた(画像/昨年末の番組より)


 SASUKE第37回大会の放送はいよいよ明日、12月31日(火)です。令和初のファイナリストは誕生するのか。完全制覇者は……? ぜひ大晦日のテレビはSASUKEをお楽しみください!!
 
 そして、この第7回をもちまして森本裕介の短期連載『SASUKE勝利学』の最終回とさせていただきます。本連載が何かに挑戦する皆さんにとって少しでもプラスになり、また、SASUKEの魅力を知っていただけたのであれば、これに勝る幸せはありません。
 
 これからもSASUKEがすべての人たちにより一層愛される番組になるように、仲間とともに努力を続けて盛り上げていきます。引き続き応援よろしくお願いします!
 
 ご愛読、本当にありがとうございました!!

■今週の格言:大晦日は、みんなでSASUKEを楽しみましょう!

<プロフィール>森本裕介 Morimoto Yusuke
1991年12月21日生まれ、高知県出身。IDEC株式会社にソフトウェア・エンジニアとして勤務。7歳でSASUKEに目覚め、15歳のときに第18回大会(2007年)で初出場。2015年に史上4人目の完全制覇を達成。第35回、36回大会で出場者100人中唯一FINALステージに進出した、現役最強のSASUKEプレーヤー。本人Twitterは【@sasukemorimoto】。森本も出場する『SASUKE NINJA WARRIOR』第37回大会は12月31日(火)19:00よりTBS系列にてFINALステージ生中継で放送予定

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