中盤で投入したフロアが機能せず一時は混乱も、フェラーリは連勝でライバルを逆転【覚えておきたい2024アップデート】

2024年12月31日(火)7時0分 AUTOSPORT web

 2024年シーズンのF1は、前年王者であるレッドブルの優位性が崩れ、最終戦までコンストラクターズ選手権のタイトル争いが繰り広げられる1年となった。シーズン中は7人の勝者が生まれ、上位勢にはどのチームにも優勝のチャンスがあった一方、中団チームは数少ない入賞のチャンスを確実にものにしなければならず最終戦まで熾烈な争いが続いた。


 そんな2024年シーズンに開発されたF1マシンを振り返るこの企画では、今回はコンストラクターズ選手権2位のスクーデリア・フェラーリの『SF-24』を取り上げる。


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■SF-24/スクーデリア・フェラーリ


フェラーリの2024年型マシン『SF-24』

 フェラーリのテクニカルディレクターであるエンリコ・カルディーレが開発指揮を執った『SF-24』。コンストラクターズ選手権で3位となった『SF-23』の正常進化版。ノーズの先端はSF-23よりも幅広タイプに変更。フロントウイングのアッパーフラップも複雑だったSF-23よりもシンプルにしている。ダウンフォースのポイントを闇雲に上げることでピーキーなマシン特性になるよりも、絶対値は低くても安定してダウンフォース発生させる狙いを感じられる。

下側の方が長いインテーク


 シーズン序盤はサイドポンツーンのインテークは下側が伸びたタイプを採用。

フェラーリが先陣を切って導入したウイングレット


 SF-24が先鞭をつけたヘイローの付け根に立てられているウイングレット。シーズン序盤の段階ではヘイローと一体化されている。

SF-24のフロア


 フロアも複雑な形状をしていないオーソドックスなデザインでシーズンをスタートさせていた。

エミリア・ロマーニャGPで行ったアップデートで、サイドポンツーンのインテークは上側が伸ばされた(写真はモナコGPで撮影したもの)


 地元グランプリとなる第7戦エミリア・ロマーニャGPでシーズン最初のメジャーアップデートを行う。サイドポンツーンのインテークをそれまでと真逆に上側を伸ばした。ただし、レッドブルやマクラーレンほど前方に伸びてはいない(写真はモナコGPで撮影したもの)。

SF-24のサイドポンツーンとフロア
SF-24のエンジンカウル
SF-24のディフューザー


 フロアエッジやエンジンカウル、そしてディフューザーにもアップデートが投入された。

ハンガリーGPではビームウイングが変わった


 しかし、その後、第10戦スペインGPでのシーズン第2弾のメジャーアップデートで投入した新しいフロアが機能せずに迷走状態となる。そのため、第13戦ハンガリーGPでフロアをスペインGP以前の仕様に戻す。またハンガリーGPではビームウイングが新しくなっていた。

フェラーリSF-24
シンガポールGPに新型ノーズを持ち込むも不発に終わった


 第18戦シンガポールGPにノーズの先端がやや細くスクエア形状となった新しいノーズを投入するも、効果を発揮することができずに、その後、お蔵入りとなる。このアップデートの失敗により、フェラーリはアメリカGPで投入する予定だったシーズン最後のメジャーアップデートを断念。開発を2025年にシフトする。

アメリカGPでのアップデートを断念も、コンストラクターズ選手権で2位に入ったフェラーリ


 ところが、フェラーリはそのアメリカGPと続くメキシコシティGPを連勝し、レッドブルを逆転し、マクラーレンとコンストラクターズタイトル争いを演じることになる。しかし、すでに2025年に開発をシフトしていたフェラーリは終盤2戦に2025年用のフロアを投入し、データ取りを行っていた。そのため、マクラーレンにあと一歩及ばず、コンストラクターズ選手権2位に終わった。コストキャップ下でのアップデート投入の難しさを痛感したシーズンとなった。


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