樋口新葉はトリプルアクセル挑戦にこだわる。北京五輪へ前進あるのみ

12月31日(木)10時55分 Sportiva

 11月のNHK杯同様、全日本選手権でもショートプログラム(SP)とフリーでトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に挑んだ樋口新葉。SPでは転倒、フリーでは着氷したもののステップアウトで両手をつく失敗で、大技の成功は次戦に持ち越しとなった。SPは61.53点の13位と出遅れ、フリーは133.51点をマークしたが、合計195.04点の総合7位に終わった。

 フリーでは冒頭のトリプルアクセルで失敗した後、少しリズムが崩れて他のジャンプにもミスが出た。

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 樋口はSP後のコメントでトリプルアクセルについてこう振り返った。

「今回の試合も、もともとトリプルアクセルを入れて頑張りたいなと思っていました。練習でも跳べていなかったので、少し調子が悪いなと感じながらも、試合本番ではきっちり決めたい気持ちで滑りました。試合で初めて、結構ひどい転び方をしたので、そこからうまく切り替えができなかった」

 さらにフリー後には、悔しさを隠すことなく、まだ完成には至らないトリプルアクセルへの手応えを口にした。

「これまで練習してきたトリプルアクセルが跳べなかったことがすごく悔しかった。それでも、ショートもフリーも挑戦したことにすごく意味があると思うので、来年に向けてまた、たくさん練習していきたいと思いました。こういう緊張感のある大会で、それも大変なシーズンだった中、何回も挑戦させてもらい、すごくいい機会になったので、今季は挑戦したことが一番良かったんじゃないかなと思います」


全日本選手権ではSP13位、フリー8位、総合7位に終わった樋口新葉
 樋口が試合で初めてトリプルアクセルをプログラムに組み込んだのは、今年2月、ソウルで行なわれた四大陸選手権のフリーでのこと。トリプルアクセルと認定された豪快なジャンプを見せたが、残念ながら転倒した。

 それでも、やっと試合本番で追い求めてきた大技に挑戦できたことが大きな一歩となったのは言うまでもない。練習でいくら跳べても、試合で跳んで成功させなければ道は開けない。それまで固く閉まっていた扉を、そびえたっていた壁を、わずかでもこじ開け、崩した瞬間だった。

 それから9カ月後、コロナ禍でイレギュラーなシーズンを迎えると、今季初戦となる東日本選手権のフリーでもトリプルアクセルを跳んだ。完璧なジャンプではなく、GOEでも減点がついたが、今後もコンスタントに試合でトリプルアクセルを組み込んでいくという覚悟を見せた。

 得点が伸び悩んでも、順位が悪くても、表彰台に上がれなくても、とにかくトリプルアクセルを完成形に持っていくことを最優先にした樋口は、次戦のNHK杯では初めてSPでトリプルアクセルに挑戦。失敗はしたが、この挑戦が次へのステップになった。フリー冒頭で跳んだトリプルアクセルを試合で初めてクリーンに着氷させたのだ。しかし、「成功」とまでは言えなかった。今季から導入された4分の1回転足りないジャンプの「q」マークがつき、GOEで減点されたからだ。それでも、大技が完成に近づきつつあると言ってもいいだろう。

 今季後半戦については、コロナ禍のために大会参戦の予定はいまのところない。2021年2月に開催予定だった四大陸選手権は中止となり、3月の世界選手権も開催が不安視されている状況だ。先行きが見通せない中でも、樋口のやるべきことは明確だ。それは来季の北京五輪シーズンまでに、トリプルアクセルを確実な武器にすることだ。

「トリプルアクセルについては、この1年は、昨年からしたらすごく成長できた1年だったと思います。昨シーズンはアクセルをやりたかったけどできないことが多くて、今季はケガもなく、自粛期間もあった中で、すごく大きく成長ができたと思うので、来シーズンにつながると思います。

 自分の感触としては、NHK杯フリーでのトリプルアクセルが一番、自信がつきました。『q』マークはついてしまったんですけど、試合で跳ぶという感覚を持てて、一番良かったと思います」

 そして、すでにその心は来季に向けられていた。

「今シーズンいろんな大会に出て、トリプルアクセルの挑戦をしてきて、すごく収穫になりました。来シーズンは安定して高い点数が取れるような、自分に合ったいいプログラムを作って、悔いの残らない1年にできたらいいなと思います」

 あともう一歩まで迫った平昌五輪代表を逃した樋口だけに、悲願の北京五輪代表入りまで前進あるのみだ。


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