新大久保とは何もかも違う... 東京・小岩の片隅に存在する「小さなコリアンタウン」を歩く

2020年1月1日(水)20時0分 Jタウンネット

「裏の通りが噂のコリアンタウンだよ。正式ではないけどね」



東京・江戸川区の大型パチンコ店で一服していた、おじいさんが口を開いた。


コリアンタウンと聞くと、流行に敏感な人であれば新大久保を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、K-POPやアリランホットドッグ(通称チーズドック)といった若者に人気なものだけがコリアンタウンを彩るわけではない。


東京都にはそのほかにも韓国色の強い町はあるようで...。例えば江戸川区の小岩には、韓国の食材を取りそろえる「BIG5」というスーパーを中心に、韓国料理の店が立ち並んでいる。


こちらをご覧いただきたい。


店内には、日本語の表記は少なく、食材のパッケージには韓国語がビッシリ。食欲そそる、どっしりとしたキムチに加え、棚に敷き詰められた様々な種類の乾燥麺は圧巻だった。いわゆる韓国人のための台所である。


飲み屋街の印象が強い小岩の変わった一面を垣間見たので、紹介したい。


1本400円の缶コーラ!?


南北で色の異なる小岩は、南口の「地蔵通り」付近には、スナックやキャバクラなど夜の店が密集している。土曜の昼下がり、降り立ったのは、JR小岩駅の北口だ。ここには「コリアンタウン」があるという話を聞いたことがある。


だが、まず目に入ったのは大きなイトーヨーカドーだった。行きかう人は、子連れの夫婦や若者も目に付く。ファミリー向けの場所なのだろうか。しかし、少し歩くと、タイ式マッサージ店や、「HOTEL」の看板が。


だが、肝心の韓国の匂いがまだしない。一体コリアンタウンはどこにあるのだろうか。こういう時は、地元の人に話を聞くのが一番だ。筆者は一服がてら、近くの大型パチンコ店へ。ちょうど休憩をしていた、小岩に住むおじいさんに、コリアンタウンの場所を聞いてみると、


「ここを出てすぐの、裏の通り(小岩中央通り)が噂のコリアンタウンだよ。正式ではないけどね。ちなみにBIG5っていう韓国のスーパーには、いいものがある」



と即返事。聞けば、コリアンタウンでマッコリを飲みながら「オモニ(韓国語で母)」の話をスナックで聞くのが楽しいと笑みを浮かべていた。半分酔い掛けの男性から、思わぬ情報。確かに「BIG5」はすぐ近くにあった。


店前の韓国尽くしに圧巻されながら、自動ドアを開けると、店内は見渡す限り韓国語。韓国人とみられる夫婦や子どもが、キムチや調味料を購入していた。


陳列棚にビッシリつまった袋詰めされた乾燥麺を、その場で破ってレジに持っていく行動には驚いたが、みな現地の味を求めて、ここに来るのだろう。


「このお店は30年くらい前にできた場所だよ。昔はコリアンタウンだったけど、今は...」



と店主は口を開く。


確かに土曜の昼下がりだというのに、通りには人が歩いていない。それでも客は一定数いるそうで、小岩に住んでいる韓国人が利用するという。さらに話を聞こうとしたが、日本人の親子がレジに。手に持っていたのは、BTS防弾少年団)という韓国の男子K-POPグループのメンバーがあしらわれた缶コーラ。


「こっちのコーラは400円だよ。韓国限定のイベント品だから高いよ。大丈夫?」



と親子に話かける店主。どうやらファンだったそうで購入していた。なるほど、限定イベント品もそろえているのか...。


店内には、韓国で放送された新作ドラマのDVDも置かれ、若い日本人も多く購入するそうだ。


店の周囲には、いくつかの韓国料理店が並んでいて、確かにちょっとしたコリアンタウンのようだった。観光地化されているわけではないので、店主の言うように、人通りは少ない。


セマウル食堂は、新大久保にも店を出しているが、実は小岩が第一号店である。


マンナは、韓国おでんが楽しめる。サムギョプサルなど肉に飽きた人にはオススメかもしれない。


もしかすると、パチンコ店で一服していた男性は、このスナックに通っていたのだろうか...。小岩北口にポツンと存在する「噂のコリアンタウン」。新大久保とは全く別の雰囲気だった。


飲み会帰りに是非訪れてみてはどうだろうか。

Jタウンネット

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