新津ちせと齋藤孝氏が50歳差対談 素数の話で盛り上がる

1月1日(水)16時0分 NEWSポストセブン

新津ちせちゃんと齋藤孝氏が対談

写真を拡大

 2019年、Foorinの一員として「パプリカ」を歌って紅白歌合戦に出場、『アナと雪の女王2』では幼いアナ役の吹き替え声優を務め、さらに初主演映画公開…など大活躍した小学3年生・新津ちせちゃん。そして、『1 日1ページで身につく! 小学生なら知っておきたい教養366』を上梓し、教育について造詣の深い明治大学文学教授・齋藤孝氏。算数に国語…ちせちゃんが学校での勉強について、齋藤氏と語った。


 * * *

◆心が落ち着く分数の計算


齋藤:ちせちゃんは、学校の科目で何が好きなのかな?


新津:算数です。とくに、今習っている分数の計算が好きで、通分がおもしろいです。


齋藤:通分がおもしろい、なかなか通だ。分数って不思議だよね。割り算になると、ひっくり返す。


新津:あれはなんでなのか、腑に落ちてないです。


齋藤:例えば、1/2÷2/3を1/2/2/3(下)と書く。


分母と分子にそれぞれ2/3をひっくり返した3/2をかけると分母が1になるってことだけど(下)、難しいよね。通分もちょっと難しいよ。だって、1/2+1/3っていうとすぐに足せないじゃない。


新津:そのままでは足せないですね。


齋藤:足せないときは、足せるようにしなきゃいけないよね。


新津:(指で計算式を書く)


齋藤:すごいな、指で、するするって。このスピード感が素晴らしいですね。


新津:最小公倍数を考えるのも好きなんです。最小公倍数が見つかると、すっきりした気持ちになるので。でも、数が大きくなってくると、ややこしくなりますね。


齋藤:最小公倍数は、6と9だと出しやすいけど、17と19は見た瞬間、嫌な感じがするよね。


新津:わあーってなります。


齋藤:わあーってなるよね。「素数!」っていう感じ。


新津:はい、どっちも素数。


齋藤:6だったら2でも3でも割れるのに、17と19って、ちょっとつらいよね。


新津:素数どうしの公倍数を求める計算はちょっと時間がかかりますね。えっと、17と19だから、かけ算で…。


齋藤:お、いけそうな気がする? これに挑戦できるのは、すごいな。素数って、おもしろいよ。


新津:はい、おもしろいです。たとえば、さっき出てきた2と3はどちらも素数で、なかでも2は偶数でもあるし素数でもあるというのがおもしろいです。


齋藤:確かに、偶数で素数なのは2だけだもんね。へえ、すごいところをおもしろいと思うんだね。17年とか13年で成虫になる素数ゼミっていうセミもいるしね。素数の話で盛りあがれる小学校3年生がいるとは! これも教養ですよ、年齢や立場を超えられる。


新津:齋藤先生とこういうお話ができること、すごく楽しいです! 実は、以前、学校でちょっと落ちこむ出来事があって泣いちゃったことがあって。そのとき、目の前にあった紙にひとりでどんどん分数のかけ算の問題を書いて、解いていったんです。そうしたら、泣いていたのがスーッとおさまったんです。


齋藤:えー!、それはすごく画期的かもよ。泣いたときは分数をやるっていうのは。通分やったら気持ちが落ち着くというのは発見だね。


新津:自分でもびっくりしました。算数っていろんな役に立つんだなぁって(笑い)。


◆教養を身につける、秘技「グルグル巻き」


齋藤:反対に、苦手な科目はあるの?


新津:国語の記述式で、自分の考えを言葉にしてまとめる問題がちょっと苦手です。白い答案用紙を見ると、埋めたいのに、うぅ…ってなるんです。


齋藤:多分、ほんとは得意だと思うな。だって、ちせちゃんはしゃべるのが得意だから。ただ、書くと思うと緊張しちゃう。だから、「手でしゃべる」って思って書きまくる。そこに、キーワードをひとつかふたつ、入れるのが大事だね


新津:キーワードは、どうやって見つけたらいいですか?


齋藤:ポイントになりそうだなと思ったら、こうやって(赤ペンで言葉を囲む)、キーワードをグルグル巻きにする。僕は読書でもやるけど、いいなと感じた言葉や知識を自分のものにしやすいよ。


新津:グルグル巻き!おもしろそう!今すぐやってみたいです! 


齋藤:そう感じてくれて、うれしいな〜。あのね、苦手なことも教養にするには「これ、おもしろいよ」っていってくれる人が必要なんですよ。自分ひとりでおもしろさに気づくとは限らないから。ちせちゃんが漢字を覚えたときのように、一緒にワクワクする人がいると、とってもいい。


新津:私も、算数を好きになれたのは、小学校の先生のおかげです。いつも授業が始まる前に数字パズルをやったり、数に関する豆知識を教えてくれたり、楽しく算数を教えてくれるんです。私も、そんなふうになりたくて、将来は小学校の先生になれたらいいなって思っています。


齋藤:へえ。それには、物知りになるといいね。物知りな人は教養があるんだよ。


新津:たくさん勉強しないといけないですね。あっ、でも、今は小学校の先生になりたいんですけど、小学校に入る前は宇宙飛行士とかパティシエとか、夢が日替わりだったらしいんです(笑い)。きっとまだ自分の知らないお仕事が世界中にあると思うので、中学校に入ったら、なりたい職業がまた変わるかもしれません。だから、いっぱい年をとりたいです!


齋藤:経験を積みたいっていうことかな(笑い)。経験も教養だからね。「もっと」の気持ちを大切に、本でもなんでもグルグル巻きしてみるといいですね。


新津:はい、これからもいろんなことに挑戦してみたいです。齋藤先生は私の知らないことをたくさん知ってらっしゃって、すごいなぁって思いました。お話しできてうれしかったです。どうもありがとうございました!


齋藤:こちらこそ、楽しかったですよ。これからも素数仲間としてよろしくね。


【PROFILE】

◆新津ちせ/にいつ・ちせ。2010年、東京生まれ。劇団ひまわり所属。2014年、ミュージカル「ミス・サイゴン」タム役でデビュー。TV・CM・映画・舞台など幅広く活動している。2019年10月18日に、初主演映画『駅までの道をおしえて』(橋本直樹監督)が公開。子どもユニット「Foorin(フーリン)」の一員としても活躍しており、2019年の大みそかには「第70回NHK紅白歌合戦」にも初出場した。


◆齋藤 孝/さいとう・たかし。1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大学大学院教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。主な著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社)、『強くしなやかなこころを育てる! こども孫子の兵法』(日本図書センター)『「言葉にできる人」の話し方』(小学館新書)ほか多数。


●取材・文/ニイミユカ

NEWSポストセブン

「2019年」をもっと詳しく

「2019年」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ