男にはご利益なし? 女性の願いしか叶わないパワースポット「石神さん」とは

2020年1月2日(木)11時0分 Jタウンネット


「女性の願いを一つだけ叶えてくれる」という神社をご存じだろうか。全国から女性参拝客が集まる、知る人ぞ知るパワースポットなのだという。


三重県南部に位置する鳥羽市相差(おうさつ)町にある「神明神社」だ。


かつて神明八幡宮として造営されたが、地域の大小さまざまな社が合祀され、神明神社になったとされている。主祭神は天照皇大神(あまてらすおおみかみ)だが、他に25柱の神々が祀られている(神明神社御由緒より)。


境内には、末社として石神社があり、「石神さん」と呼ばれ親しまれている。祭神は玉依姫命(たまよりひめのみこと)という女性の神様だ。ここが、女性の願い事なら、必ず一つは叶えてくれると、古くから言い伝えられているのだ。いったいどういうことだろう?


Jタウンネット編集部は、2019年12月19日、相差町に電話で詳しい話を聞いてみた。


海女さんの心の拠りどころ


電話で答えてくれたのは、相差町内会の中村幸照会長だった。


「相差町は半農半漁の町で、古くから海女さんによる漁が盛んでした。女性=海女さん、と言ってもいいくらいだったのです。現在も90人近くの海女さんが働いています。石神さんは、心の拠りどころとして信仰を集めていました。
海に潜る際には、必ず石神さんにお参りして、安全と大漁を祈願してきたわけです。そのことから、女性の願いなら、一つだけ叶えてくれると言われるようになったそうです」



また神武天皇の母でもある、祭神・玉依姫命については、正月の晩、島田髷に結った女神が石神さんの元に現れた、という言い伝えもあるという。石神さんにお参りすれば、玉依姫命が叶えてくれる、と信じられているようだ。


相差町の海女さんたちがお守りとして必ず身に付けているのが、「セイマン、ドウマン」だ。星のマークがセイマン、格子縞がドウマンである。


セイマンは、いわゆる「五芒星」と同じ形をしている。平安期の陰陽師・安倍晴明に由来する紋で、魔除けとして用いられることが多い。


「一筆書きで必ず同じ場所に戻って来ることから、海女さんたちにとっては、潜水しても必ず浮上し、元の場所に戻れると信じられています」と中村会長は話す。


一方、格子状のドウマンについては、「多くの目で見守ってくれているとか、出入り口がわからないから悪魔が入りにくいなどと信じられています」とのこと。ドウマンという名も、清明の陰陽道のライバル・蘆屋道満からとったものと伝えられているそうだ。


平安時代の陰陽道が、相差町の海女さんたちに、なぜ伝わったのか、どのように伝わったのか、についてはまったく定かではない。


石神さんのお守りは、海女の磯着に見立てた麻布に、貝紫色で「セイマン、ドウマン」が記されている。貝紫色は、イボニシ貝の分泌液を取り出して日光に当てると、黄色から紫に変色する。古代紫とも呼ばれる。口紐も貝紫色に染められ、願いが叶うようと、「叶い結び」にしてあるそうだ。


「女性の願いを一つだけ叶えてくれる」というご利益については、さまざまなエピソードがある。ある女性ランナーが石神さんのお守りをいただき、オリンピックのマラソンレースに出場したところ、見事に金メダルを獲得したというのは、もはや有名すぎる逸話と言えるだろう。


女性スポーツ選手や女優さん、タレントさんが結婚を祈願すると、半年も経たないうちにゴールインした、縁談がまとまった、などという話は、いくらでもあるという。噂が噂を呼んで、参拝客の数は急増している。


「10年前に約5万人ほどだったのが、今年は20万人を超えました」と中村会長。「石神さん参拝バスツアー」も開設され、関東から参拝客が続々とやって来るそうだ。


「願いが叶った方には、お礼参りをお勧めしています。絵馬にお礼の言葉を書いて、石神さんに報告していただくわけですが、今年は約5000枚の絵馬が奉納されています」と、中村会長は誇らし気だ。「願いが叶った人は、実際にはもっと多いはずです。ただお礼参りに来れなかっただけで......」と、自信満々の様子だ。


たしかに願いが叶う確率は、かなり高そうだ。またお願いの内容も、具体的に示さないと、石神さんにきちんと伝わらないそうだ。祈願の仕方を間違うと、叶わないこともあるという。事前によく調べてから、参拝した方が良いだろう。


2020年こそ願いを叶えたい女性は、三重県鳥羽市相差町の「石神さん」にお参りしてはどうだろう。


「男はどうすればいい?」という男性、あなたにお勧めするのは「伊勢神宮」参拝だ。間違いない。

Jタウンネット

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