「追いサバ」で深まる旨みに脱帽 こだわりの三陸ブランド「サヴァ缶」カップスープを食べてみた
2022年1月2日(日)11時0分 Jタウンネット
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第七十二回 岩手県産「サヴァ?缶」とカップスープ
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第七十二回目となる今回は、岩手県産の「サヴァ?缶」と、「サヴァ?缶」の味を再現した「じっくりコトコト こんがりパン サバサルサ味」と「サヴァ缶のプレッツェル」をレビューします。
麺ではありませんが、「番外編・カップスープ」ということで......でご容赦を。
被災地三陸からオリジナルブランドを発信
スーパーやコンビニに行くと、お手頃価格な缶詰の他に、高級志向の缶詰が並んでいますよね。特にサバ缶は、ちょっと贅沢価格でおしゃれなパッケージの商品が売られています。
今回の「サヴァ?缶」もそんなサバ缶のひとつ。
「東の食の会」と「岩手缶詰」「岩手県産」によって、東日本大震災で打撃を受けた被災地三陸からオリジナルブランドを発信しようと2013年に発売された缶詰です。
国産のサバを使用し、岩手県釜石市の缶詰工場で加工。
ブランド力をつけることで、ワゴンセールのような安価ではない正当な価格で販売し、生産者が利益を得られることを目的としているそうです。
「サヴァ?缶」は現在、全部で5種類発売されていますが、今回はその中から「国産サバのオリーブオイル漬け」と「国産サバのパプリカチリソース味」を食べていきます。
前者はプレッツェルで、後者はパン入りカップスープで味が再現されているので、それらも食べ比べしてみたいと思います。
サバの美味しさを活かした洋風の薄味
三陸産のサバは缶詰の他にも多くの商品で扱われる名産品で、宮城県・石巻には三陸産のサバを使ったご当地ラーメンもあり、以前にカップ麺になったこともあります。
「サヴァ?缶」の「オリーブオイル漬け」は、シンプルにオリーブオイル香る塩味で味は薄め。サバの脂の旨みが活きています。
良いサバだからなのか、加工が良いからなのかはわかりませんが、サバ特有の臭みが少ないためとても食べやすく、あっさり味付けに留めることでサバの旨みを最大限に活かしています。
「パプリカチリソース味」も、チリソースとかいかにも強そうな味に見えて、やはりあっさり味。
ほんのり香るパプリカとピリ辛以下の辛さがアクセントになっていますが、主役は分厚いサバの旨み。
ピリ辛がサバの脂の上品な美味しさを引き立てていました。
筆者は普段から味噌煮や水煮などのサバ缶はよく食べるのですが、味付けよりもサバ自体の味がクローズアップされる点では、今回の2味はどちらも水煮のの立ち位置に近い印象。
しかし、他にここまでサバの旨みを全開に感じられる缶詰はあまり記憶になく、身も骨もやわらかくて上品で、サバが美味しい魚であると改めて実感できました。
追いサバ推奨!「じっくりコトコト こんがりパン サバサルサ味」を食べてみた
続いては、「サヴァ?缶 パプリカチリソース味」の味わいをモチーフにした「じっくりコトコト こんがりパン サバサルサ味」を食べていきます。
「サヴァ?缶」は岩手県産ですが、このスープはポッカサッポロの仙台工場で生産されており、東北産が強調されています。
「パプリカチリソース味」の味わいをイメージしたスープは、しっかりピリ辛でパプリカの酸味も強く、缶詰よりもハッキリした味付けとなっています。
缶詰のサバの味はクセのない上品な脂の丸みが印象的でしたが、こちらはサバ節の渋みでエッジが立っており、同じサバでもだいぶ異なる印象。
サバとパンの組み合わせは少し不安でしたが、食べるとまったく違和感なく、サバの風味が感じられるパンもなかなか美味しかったです。
思えば「サバカレー」を初めて知った時もちょっと不安でしたが、食べたらすごく美味しくてビビったものです。
パッケージに「サヴァ缶で追いサバも!」と書かれていたので、一切れ入れてみました。
缶詰をそのまま食べるとサバの身の美味しさを実感できますが、スープに投入することで、より濃い味付けでサバの身の味を楽しめます。
カップ麺でも、缶詰の味を再現したカップ焼そばが出ていて、本物の缶詰を足すとさらに美味しいようなことが書かれている場合があります。でも。実際やると蛇足に感じることが多く......しかし、この「追いサバ」は「サヴァ?缶」の食べ方のバリエーションとして大いにアリ。
むしろ追いサバ用のスープなのではないかと思えるほど美味しくて、もちろんスープだけでも十分美味しいのですが、缶詰とともに手に入れてぜひとも追いサバしてもらいたいです。
「サヴァ缶のプレッツェル」も缶詰と一緒に!
「サヴァ缶のプレッツェル」は、「オリーブオイル漬け」の味わいを再現した商品。
コンビニで手に入れたので、比較的広く出回っている商品だと思われます。
三陸産塩を0.6%使用しているとのことで、この商品も東北要素がきちんと入っています。
太めのプレッツェルに、オリーブオイルやサバの風味がつけられています。
正直、「サヴァ?缶」の味を再現できているわけではありませんが、手法が限られているお菓子で再現するのはなかなか難しいですよね。
サバの味がするプレッツェルくらいに思って買うと良さそうです。
プレッツェルにサバの味がしっかりついているためか、缶詰のオリーブオイルをつけて食べることでさらに美味しく感じられました。
そのまま食べても美味しいですが、こちらも「サヴァ?缶」のお供として食べるとさらに良さそうです。
スープやお菓子と一緒に食べると楽しみが増える
普段、安価なサバ缶を食べ慣れている身からすれば、今回の「サヴァ?缶」はちょっと贅沢品。しかし、いつも食べているサバ缶とは明らかに毛色の異なる上品な味に加え、缶詰の味を再現したスープやお菓子と一緒に食べることで、さらに楽しみが増えます。
カップ麺の連載なのでこれ以上は踏み込みませんが、高級サバ缶の食べ比べをしたり、三陸産のサバ缶だけ集めて食べ比べてみるのも面白そうですね。