“謎の有害な霧”が米国各地を襲う!化学物質のような異臭と健康被害の報告相次ぐ
2025年1月3日(金)17時0分 tocana
異様な濃霧が米国各地を覆い、住民たちに不安が広がっている。空気中には「化学物質が燃えるような臭い」が漂い、白い粒子が空中を舞う様子が目撃され、健康被害を訴える声も相次いでいる。
広がる不安と健康被害
フロリダ州のある住民は、ガソリンスタンドで約10分過ごしただけで体調不良を感じたという。「1時間ほどで3時間にわたって連続してくしゃみが出始め、目は腫れぼったくなった。熱が出たような感覚があり、腹部にも痛みを感じた」と証言している。
この奇妙な現象は、テキサス、ウィスコンシン、アイオワ、メリーランド、バージニア、ウェストバージニア、ネブラスカ、カンサス、オクラホマ、ノースダコタ、フロリダ、ミネソタの各州で報告されている。さらにカナダや英国の一部地域でも同様の事例が確認され、懸念が広がっている。
テキサス州の女性は、自身のペット犬が外出時に異常な行動を示していると報告。「空気の匂いを執拗に嗅ぎ続ける」という。女性自身も目の痛み、軽い咳、腹痛、頭痛などの症状を訴えている。
カリフォルニア州の住民は「ここ数日、異常な霧が発生している。数ヶ月前から奇妙な臭いに気付いていたが、鼻を刺すような感覚がある。ここ数日は空からの全面的な攻撃のようだ」と述べている。
陰謀説
この異常な現象に対し、SNS上では様々な陰謀説が飛び交っている。この霧は何らかの化学兵器ではないか、あるいは昨年11月頃から米国中で目撃された謎のドローンと関連があるのではないかという憶測が広がっている。
「何かを散布するドローンがいなかったか?どこかでそんな動画を見た気がする。ただし、真偽は分からないが」とあるSNSユーザーは投稿している。
カンザス州の女性は、この一週間で大量の「ケムトレイル(化学物質の飛行機雲)」が地域上空に現れ、その後に濃い霧が発生したと報告している。
フロリダ州セントピーターズバーグのデイビッド・バンバー氏は、濃霧の中を歩く様子を動画で公開。通常、霧は日中に消散するはずだが、今回の現象は夜間も継続していると説明している。「最も奇妙なのは味と匂いだ。大量の花火を打ち上げた後のような匂いがして、空気の味が有毒だ。とても異常な状況だ」と語っている。
@david_bamber
It tastes and smells like after setting off a lot of fireworks. That sulfur smell. Anyone else expereicning something like this? Kinda freaking me out.
♬ original sound – It’s all a dream
科学的な説明の可能性
しかし、国立気象局(NWS)は複数の州に濃霧注意報を発令しており、この奇妙な現象には科学的な説明がつく可能性がある。
霧は目に見える微細な水滴や氷の結晶で構成されており、光を当てると個々の粒子が見えるようになる。また、化学物質のような臭いについては、霧が地表付近の汚染された空気を吸収し、自動車の排気ガスや工場からの排出物、その他の空気中の化学物質を運ぶ働きをすることで説明できる。
ワシントン大学の大気科学者、ルドルフ・フサール氏は「霧が発生すると、硫黄酸化物や窒素酸化物、その他の汚染ガスが霧の水滴に取り込まれる」と説明している。さらに、湿った空気中では臭いの分子が水滴に捕らえられ、より長く濃縮された状態で漂うため、臭いが強く感じられるという。
健康被害についても、複数の研究で霧が咳、息切れ、胸の痛み、鼻づまり、喘鳴などの呼吸器系の問題を引き起こす可能性が指摘されている。特に、大気汚染物質やアレルゲン、その他の粒子が混ざった霧は、より強い刺激となる可能性がある。
現時点では、この「謎の霧」は通常の冬季気象現象である可能性が高く、それ以外を示す証拠は見つかっていない。しかし、広範囲にわたる健康被害の報告は、環境汚染と気象現象の複雑な相互作用について、さらなる調査の必要性があるだろう。
参考:Daily Mail Online、ほか