大人の鼻血に要注意!中には重大な病気が隠れている場合も・・・?
2023年1月5日(木)20時30分 ココカラネクスト

鼻血の多くは、空気の乾燥や鼻炎などで鼻の粘膜が弱くなって傷つき、この細く小さな血管が破れて起こるものです。
原因は様々ですが、症状は10代以下と60代以上に多い傾向があり、乾燥する冬の時期や、気温の変化の大きい季節(3〜4月頃)に起こりやすいと言われています。
【関連記事】睡眠中に足がつるのはなぜ?「こむら返り」防止につながる食べ物も紹介
鼻血が出る原因
顔面の外傷や鼻のかみすぎ、いじりすぎ
鼻の中は、柔らかく弱い粘膜でできていて血管がたくさんあります。そのため、傷がつきやすく出血しやすいと言われています。
とくに、鼻の入り口から約1cmほどの部位は、毛細血管が多く、指でいじったり鼻を強くかむ程度の刺激でも粘膜が傷つき出血することがあります。また、アレルギー性鼻炎などで鼻をよくかむ人にも、鼻血が出やすい状態となります。
のぼせや興奮、刺激物のとりすぎ
血圧が高いときや鼻の粘膜が弱っているときには、鼻血が出やすくなります。とくに、高血圧や動脈硬化によって血管がもろくなっている人は、緊張や興奮、のぼせや飲酒など、血圧が上昇する要因には注意が必要です。
このような場合、多くは鼻の奥のほうからの出血が多くなります。さらに鼻の奥には太い動脈が走っているため、この動脈が破れると大量に出血することもあります。
子供の鼻血は鼻炎や鼻をほじるクセなどがある場合が多く、鼻血が出やすい半面、指で圧迫することでほとんどの場合は止まることが多いです。
しかし、大人の鼻血は高血圧や糖尿病、腎臓症などの病気や、飲んでいる薬の影響など、全身の状態が関係していることもあります。
鼻血を引き起こす原因にもなる疾患
白血病
骨髄で異常な白血球細胞が増殖し、正常な白血球をつくることができなくなる疾患です。異常な白血球細胞が増えるために、正常な赤血球や血を止める血小板も減少し、出血しやすくなり、動悸や息切れをともなった極度な貧血症状を引き起こすことがあります。鼻に触れない、傷もない、鼻の中も荒れていないのにかなり頻繁に鼻血が出たり、歯茎からの出血がみられる場合には注意が必要です。
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
免疫機能の異常によって血小板の数が減少するため、出血症状があらわれる疾患です。進行すると皮膚に大きな青あざができたり、歯茎からの出血や鼻血、血尿や血便などがみられ、重症化すると脳出血を起こすこともあります。
高血圧症
遺伝や肥満、塩分のとりすぎなどの生活習慣が原因となります。
特徴的な自覚症状はほとんどありませんが、放置すると動脈硬化が進んで、心筋梗塞や脳卒中などの合併症を引き起こします。
まれに頭痛やめまいなどをともなうことがあり、また血管への圧力が高い状態が続いているため、血管がもろくなり、まれに鼻血が出やすくなることもあります。日本では患者数が現在約4000万人といわれており、子どもの高血圧も増えています。
動脈硬化症
血液中のLDLコレステロールが動脈の血管壁に沈着し、動脈の層が厚くなったり、硬くなる疾患が動脈硬化症です。
動脈硬化が進むと、血管は弾力性を失い、もろくなるため出血しやすくなり、まれに鼻血がみられることもあります。動脈硬化は自覚症状がないままに進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの疾患を引き起こすため十分な注意が重要です。
大人になって「頻繁に鼻血を繰り返す」という場合は、鼻血の背後に重要な病気が隠れているケースがあります。
例えば、オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)は、血管の形成に異常が起こる病気で、40歳以上の患者の9割が鼻血を繰り返すといわれています。
放っておくと肺の血管などに血栓ができやすくなり、脳梗塞などの原因になります。
また、鼻血が副鼻腔腫などの、がんの早期発見につながることもあるので、注意が必要です。
[文:銀座血液検査ラボ -ketsuken-]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。