両国の旧・民生食堂『下総屋食堂』で食べる定食の「厚揚げ」はなぜ美味しいのか?【東京下町さんぽ】

2024年1月5日(金)10時50分 食楽web


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●両国にある旧民生食堂として有名な『下総屋食堂(しもふさやしょくどう)』で、おかずを自由に選んで組み合わせられる定食を実食してきた!

 戦前から続く昭和の面影たっぷりの店『下総屋食堂』は、陳列棚におかずがたくさん並び、そこから好きなものを好きなだけ選べる食堂です。おかずの豊富さが話題で、その中から今回は、定番の「厚揚げ」と「さば」を食べてみました。

民生食堂のおもかげが残る歴史ある食堂とは?

『下総屋食堂』は墨田区横綱にあり、JR総武線両国駅の西口より徒歩4分ほどのところに位置します。すぐ後ろは旧安田庭園で、近くには旧陸軍被服廠(ひふくしょう)跡地の一部の横網町公園もあり、歴史散策をしながら立ち寄るのもおすすめ。


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 店内に入ると、壁には写真やサインが書かれた映画のポスターが貼られ、数多くのドラマや映画で利用された店だとわかります。棚の上にかけられているのは、「東京都指定民生食堂」という看板です。

 民生食堂とは、東京都指定食堂共同組合の食堂のこと。戦後に外食をする人が、安くて栄養のある食事をとれるようにと都知事が指定した食堂だったそう。食事もままならない厳しい時代に人々に食事を提供した民生食堂だった店は、今や数えるばかりとなりました。

里芋にピーマンにぜんまい! 好きな皿を定食で食べる楽しみ


野菜200円、焼き魚と煮魚は300円

 まずは、陳列棚からおかずを選びましょう。並ぶものから自由に組み合わせることでき、ぜんまいや里芋、豆など、1種類ずつ皿にのっています。煮物も多く、家で作ると手間がかかりそうな惣菜を取って、たっぷり食べることができてありがたい。惣菜は10種類以上あるため、目移りして迷ってしまいます。

 並べられている以外にも「厚揚げ」があるとのことで出してもらうことにしました。今回選んだ魚はさば。焼き魚と味噌煮がありましたが、眼の前の棚に並んでいた焼きさばに一目惚れ。手に取ろうとしたら、お店の人が温め直してくれました。


全て合わせて900円

 今回の定食は、さばと厚揚げ、ごはん小、豚汁。ごはんは小と普通、どちらが良いか聞かれ、汁物はお味噌汁と豚汁から選べます。食べたいものが揃ったら席につきましょう。ごはんや汁物を選ばず、おかずをつまみにしてお酒を飲むこともできますよ。

 厚揚げは、大きく3切れ。人によっては、おかず1品にごはんと豚汁で充分満足できそうな量です。豆腐や揚げ部分に味が染み込み、噛むとじゅわっと甘辛い汁が広がり幸せ……。

 焼きさばは、お皿からはみ出す嬉しい大きさ。身がぎゅっとつまって肉厚で、柔らかくお箸で簡単にほぐれていきます。


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 脂がのったさばはごはんとの相性も良く、のせてさばごはんにして食べました。さばの塩気と旨みであっという間にごはんが足りなくなってしまい、小サイズにしたことを後悔しはじめます。

 豚汁は具沢山。もはや豚汁とごはんだけでも1食になりそうな気前のいい1杯です。たまねぎ、じゃがいも、油揚げ、にんじん、豚肉などの具がこれでもかと入っています。ほくほくのジャガイモにジューシーな油揚げ、よく煮込まれた具材にほんのりしょうがの風味の汁。豚汁の中にごはんを投入したい誘惑にかられます。

まとめ

 好きなおかずを選んで食べて、満腹満足な腹を抱えて両国駅へ向かう途中、懐かしい甘い香りがすると思ったら、お相撲さんとすれ違いました。甘い香りは、鬢付け油の香り。国技館へ向かうのでしょうか。両国は、折り重なる歴史を感じられる場所。その中に佇む『下総屋食堂』は、観光客や地元の人をはじめ、訪れる全ての人の胃を、昔と変わらず満たし続けてくれるでしょう。

(撮影・文◎乃々)

●DATA

店名:下総屋食堂

住:東京都墨田区横綱1-12
営:9:30〜18:00
休:日曜

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