日本屈指の鉄板焼き激戦区・神戸の新長田で「そば焼き・そばめし・お好み焼き」の名店3軒を巡ってきた!

2024年1月7日(日)10時50分 食楽web


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●神戸・新長田周辺に無数にある鉄板焼き屋さんの中でも名店と言われる3店舗の味をテイクアウトし食べ比べしました

 全国の中でも有数のコリアンタウンが存在し、コリアングルメが多いことでも知られる神戸・新長田エリア。実は「そばめし」発祥の地であることからもわかるように、お好み焼きや焼きそばなどの鉄板焼き激戦区でもあります。

 その店舗数は、駅周辺だけでも40軒前後。その多くが、地元の人たちに愛される家庭的な店ばかりで、B級グルメファンの間でも「実は関西圏で一番アツいB級グルメエリアかもしれない」とコアな支持を得ています。


神戸・新長田周辺の様子

 いずれの店も、鉄板焼きなので、昨今定着した「映え」的な要素は皆無。それよりも「味」勝負の店が多く、この辺もB級グルメファンのハートを掴んで離さない理由なのかもしれません。そこで、今回は、新長田の人気店として知られる『そば焼き いりちゃん』、『やきそば専門店 イカリ』、『お好み焼き 青森』の「鉄板焼きグルメ」をテイクアウトし、食べ比べてみることにしました!

老舗の味を受け継ぐ『そば焼き いりちゃん』の「そば焼き」


開放的な店構えが、いかにも関西的でシビれる『そば焼き いりちゃん』

 まずは、100年以上続く「丸五市場」のアーケードの中にある『そば焼き いりちゃん』に行ってみました。80歳を迎えた女性店主が切り盛りし、地元では安くて美味しいと評判のお店です。ちなみに同エリアでは「焼きそば」ではなく「そば焼き」と呼ばれることがあるようで、この語感がまた関西的でシビれます。

 店主は、阪神淡路大震災で全壊してしまった神戸デパートのそば焼専門店『金六』で16年間働いていたそうです。「もう一度あのそば焼を食べたい!」と言うファンの声に後押しされ、その味を引き継ぎ1998年に『そば焼き いりちゃん』を開業したそうです。


「そば焼き(中)」470円(※価格は全て税込)

 こちらで「そば焼き(中)」をテイクアウト。その味は、パリっと焼きこまれた麺に、かつお節粉、塩、ウスターソース合わせた、ほんのり甘い秘伝のソースがよくからみ、意外とも言えるほど上品な味付け。しかし、これが本当に美味く、お店のストーリーと合わせて、胸が熱くなるような泣ける味わいでした。この味で慣れ親しんだ人が、「もう一度食べたい!」といったことを十分理解できる味わいで、まさしく「ソウルフード・オブ・新長田」の代表の一つではないかと思いました。

●SHOP INFO

店名:そば焼 いりちゃん

住:兵庫県神戸市長田区二葉町3丁目10-11
TEL:078-641-2341
営:11:00〜17:00
休:火曜

駅近の人気店『やきそば専門店 イカリ』の「ぼっかけ焼きそば」


新長田駅を降りてすぐの複合施設に入る人気店『やきそば専門店 イカリ』

 続いては、新長田駅を降りてすぐの複合施設「アスタプラザファースト」の1階にある『やきそば専門店 イカリ』を訪ねてみました。もともとは神戸・板宿で人気の鉄板焼きの店がルーツで、2010年に「焼きそば専門店」として新長田に開店したそうです。

 新長田界隈の鉄板焼き店の中では比較的新しいお店ですが、すでに「新長田なら『イカリの焼きそば』」と言われるほどの人気店となっており、筆者が訪れた際も並びができていました。


「ぼっかけ焼きそば」500円

 ここで筆者は名物メニューという「ぼっかけ焼きそば」をオーダー。「ぼっかけ」とは、牛すじとコンニャクを甘辛く煮込んだ神戸・長田のご当地グルメです。この大胆に刻まれた甘い牛すじ肉がもっちりした中細の蒸し麺と絶妙にマッチして、甘めのソースとの相性も抜群! キャベツとの食感の違いも楽しく、この庶民的な味わいもまたソウルフードと呼ぶに相応しいと思いました。

●SHOP INFO

店名:やきそば専門店 イカリ

住:兵庫県神戸市長田区若松町5丁目2-1 アスタプラザファースト1F
TEL:078-767-9289
営:10:30〜21:30
休:なし

発祥店でいただく元祖の味!『お好み焼き 青森』の「そばめし」


銭湯の向かいにある『お好み焼き 青森』

 最後に訪れたのは、「神戸のそばめし」と言えば、真っ先にその名が挙がる有名店『お好み焼き 青森』。そばめしの出自に関しては諸説あるようですが、初めてメニューに加えたことから「発祥のお店」として知られるのが『お好み焼き 青森』です。銭湯の向かいにある店で、風呂上がりとおぼしきお客さんが、そばめしをおつまみにビールを飲む姿を見て、「羨ましい……」と思いました。


「すじそばめし焼き」700円

 筆者も1杯やりたいところでしたが、今回は「持ち帰り縛り」なので、「すじそばめし焼き」をテイクアウトでオーダー。キャベツ、そば一玉、ご飯半分、ぼっかけで構成され、さらに特製ソースをよく絡めたボリューム満点の一品。ソースが甘めなこともあり、全体的にしょっぱさより甘さが強い印象です。食べやすくペロリと1人前を平らげてしまうほどの美味しさでした。さすがは「名店の味!」と唸りましたが、同時に「今度こそお店の鉄板の前でビール片手にオーダーするぞ」とも思いました。

●SHOP INFO

店名:お好み焼き 青森

住:兵庫県神戸市長田区久保町4丁目8−6
TEL:078−611−1701
営:11:30〜14:30、17:00〜21:00
休:火曜

「映え」とかの面倒臭いことは新長田では要らんのじゃ!


「豚焼き」の包み

 実は、この『お好み焼き 青森』では、「豚焼き」もテイクアウトしました。その包みがまた渋くて、店員さんが手際良く綺麗に巻いてくれた包装紙はなんと新聞紙でした。

 一般的に見れば、昨今定着した「映え」的な要素の真逆をいく無骨派。しかし、この渋い感じ、背伸びしない感じがなんだか泣けてきて、B級グルメファンにとっては、この上なくカッコ良く映る包装でもあります。


「豚焼き」420円

 もちろん、この「豚焼き」も絶品でした。表面がカリっとした食感、中にはキャベツと豚肉がしっかり入り、おやつ感覚でサクサク食べられ、これもまたお酒のおつまみに最適な一品でした。

●まとめ:神戸・新長田の鉄板焼き屋の名店は、「映え」不要の本質重視の味! 庶民に親しまれ培われた美味すぎる鉄板メシだった


庶民的な味わいで、いずれも絶品揃いでした!

 今回テイクアウトした神戸・新長田の3店舗とも、その美味しさはさることながら、このご時世において数百円で胃袋を満たしてくれるコスパの良さにも驚きでした。「そばめし」や「ぼっかけ」など、関東人には馴染みのない神戸ならではのグルメも堪能することができたこともかなり貴重な体験でした。

 ここまでの写真の通り、「映え」感はゼロ。しかし、この美味しさ、この価格、そしてこの地に根付いたお店の空気感も最高でした。ぜひ、神戸に立ち寄った際には新長田エリアにも足を運んでみてはいかがでしょうか。店頭でいただくのももちろん良いですが、お土産代わりにテイクアウトしてみるのも良いと思いますよ!

(取材・文◎加賀ま波、松田義人)

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