パートの年金保険料負担はどうなる?2024年からは51人以上の会社にも拡大?

1月11日(土)18時30分 All About

公的年金制度は5年に1度見直されることになっており、2019年がその年にあたりました。ここでは見直しのあった、パートで働く人の厚生年金加入について触れてみたいと思います。

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公的年金制度は5年に1度見直されることになっています。2019年に見直しのあった、パートで働く人の厚生年金加入について触れてみたいと思います。

パートで働く人の年金はどうなっているのか

日本の公的年金制度は国民年金と厚生年金の大きく2つに大別されています。現在パートとして働いている方たちの年金加入状況はさまざまです。

例えばサラリーマンの妻でパートで働いている方を考えると、夫の扶養要件にあてはまるため、保険料負担なく国民年金に加入している人もいれば、パート先の会社の規模や本人の働く時間・収入が一定の条件に達しているため、厚生年金に加入し保険料は給与から引き落とされている人もいます。

一方で規模の小さい会社で働いていて、パート収入が多く(130万円以上)国民年金に加入し自ら保険料を負担している人もいるなど、その方の背景によって加入している年金も保険料の負担も変わってきます。

今回パートの厚生年金加入基準が見直されることに

今回の見直しでは、パートの厚生年金への加入基準が拡大されることになりました。

今までも501人以上の規模の会社で働くパートが、一定の条件(※注)にあてはまる場合に厚生年金への加入が義務付けられていましたが、2020年10月からは101人以上の会社へと基準の拡大が行われることになりました。

なお、2024年10月からは51人以上の会社にも基準が拡大する予定です。これにより将来の厚生年金が受け取れるパートの人口は増えますが、その方たちは新たに厚生年金保険料を負担することになります。

※注:「週20時間以上」「1年以上働く見込み」「月額賃金88,000円以上」「学生でない」のすべてを満たす場合

厚生年金加入でのメリット・デメリット

パートが厚生年金に加入することによるメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

最大のメリットは将来の年金額が増えることです。日本の公的年金制度は国民年金と厚生年金の2つに分かれていることは前述した通りですが、厚生年金に加入している期間は自動的に国民年金にも加入しています。

つまり、その期間に対する将来受け取る年金は、老齢基礎年金(国民年金)に老齢厚生年金が加わりますので、受け取れる年金額が多くなります。そのほかにも厚生年金加入中に一定の障害状態になった場合、障害基礎年金(国民年金)に加えて障害厚生年金が支給されます。

ちなみに障害基礎年金は障害等級(1級・2級)のみが対象なのに対し、障害厚生年金は3級も対象であり、3級に至らない場合でも一時金制度があるなど障害の幅が広いのも特徴です。

万一亡くなられた場合の遺族年金に関しても、遺族基礎年金(国民年金)が18歳未満の子どもと子のいる配偶者しか対象にならないのに対し、遺族厚生年金は妻や子、一定の孫、55歳以上の夫、親、祖父母も対象となるなど、その対象が広いのが特徴です。

一方で厚生年金加入のデメリットとしては毎月の給料から厚生年金保険料が天引きされますので、サラリーマンである夫の扶養に入っており今まで保険料負担のなかったパートの方は目先の手取り額が減ることがあげられます。

保険料負担と将来の年金受取額はどう変わる?

今回の改正で新たに厚生年金に加入となった場合に、毎月の保険料負担と将来もらえる年金額はどう変わるのでしょうか? 厚生労働省のホームページには厚生年金保険料の負担額と将来の受け取り年金額について概算が示されています。

厚生労働省HPより(一部加筆)
このケースでは月収88,000円の方が1年、20年、40年間働いた場合の保険料負担額と年金額が表に、40年働いた場合については概算図として示されています。

40年の概算図からは、自身で国民年金に加入し保険料16,000円(本当の金額は16,410円)を負担している方が厚生年金に加入すると、保険料本人負担は8,000円に減る一方で、将来受け取る年金は厚生年金として19,000円上乗せされることが分かります。

なお夫の扶養に入っている場合(第3号被保険者)、そもそも保険料負担がありませんので、厚生年金加入に伴い、毎月の保険料負担が8,000円増えますが、将来受け取る年金は同様に厚生年金として19,000円上乗せされることが分かります。

改正の背景には年金財源の確保が

今回見直しが行われたパートで働く方の厚生年金加入基準拡大の背景には年金財源を確保したいとの政府の考えがあります。日本の年金制度は「賦課方式」であり、働く世代が支払っている保険料が現在の年金受給者への支払いに充てられています。

少子高齢化で年金受給者は増える一方で保険料の担い手は少なくなりますので、パートで働く方にも適用を拡大し、加入者を増やすことで保険料収入を増やそうとする狙いがあるのです。

いずれにせよパートで働く方が厚生年金に加入しやすくなり、その方の老後資金が確保しやすくなるという点ではよいことではないかと思います。

監修・文/井出やすひろ(CFP・1級FP技能士・MR)
(文:All About 編集部)

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