今年の食ブーム予想 ハイクオリティラーメンが更に躍進か

1月11日(水)16時0分 NEWSポストセブン

ハイクオリティラーメンが来るか

写真を拡大

 2017年食のトレンドはなにか。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が大胆予想をする。


 * * *

 前回、元旦にUPされた「文明開化から150年目の食肉新時代 今年はジビエ元年に」という記事では国産牛の不足から来る、国内の肉事情について書いた。今回はその他の2017年の「食」にまつわるトレンドを予想していきたい。


●鶏、豚へも回帰する肉ブーム


 先に挙げたように「ジビエ」の存在感は確実に増すが、何しろ相手はジビエ──野生鳥獣であり、安定した供給が見込めるわけでもなければ、急激に成熟した巨大市場になるわけでもない。大勢で言えば、牛肉以外の肉へのシフトは鶏や豚に流れるだろう。


 昨年10月、この連載でも「焼鳥店に大手外食チェーンが続々進出している理由」という原稿を書いたが、飲食店における鶏肉や豚肉メニューの充実や専門業態の開発が進んでいる。特に年初は酉年にひっかけて、鶏メニューを前面に前面に押し出す飲食店の増加が見込まれる……というか、すでに年初から何軒か見かけている。


●飲食店の総ローカルチェーン化


 近年、飲食店で目立つのが地域を限定した数店舗のローカルチェーンだ。本社機能を最小に抑えながら、規模の拡大とクオリティ担保を実現している。近いエリアに出店することで、人員の融通や素材の効率化など一石数鳥のいいとこ取り。ただしこの背景には、原価の上昇などもあり、席数の少ない店舗単体で利益を上げるのが難しくなってきているという時代背景も。客の意識が「コスパ至上主義」から変わる日は来るのだろうか。


●ハイクオリティラーメン


 レストランガイドブックの金字塔「ミシュラン」の評価指標は従来型の星の数での評価のほか、5000円以下の飲食店を対象とした「ビブグルマン」という評価指標もある。2015版にラーメンカテゴリーが新設され、ビブグルマンに22店舗が掲載。翌年版の2016に東京・巣鴨の「Japanese Soba Noodles 蔦」が星を獲得し、2017にも大塚の「創作麺工房 鳴龍(NAKIRYU)」が星を取った。重層的でありながらキレのある澄んだ醤油スープに低温調理のチャーシューを乗せた、新しい佇まい。もはやラーメンは「安ウマ」「ジャンク」というくくりで語れなくなってきている。


 埼玉・川島町の「中華そば四つ葉」、東京・調布の「しば田」、東京・東長崎の「カネキッチンヌードル」などの行列店が提供するハイクオリティラーメンの勢いがさらに加速する。


●ラスト築地巡礼ブーム


 昨年、豊洲に移転するはずだった築地市場。10月に公開された映画「TSUKIJI WONDERLAND」は本来、豊洲移転を前提とした未来志向の記録映画だったが、移転は延期に。映画やその他のメディアの報道で初めて築地の内側を知り、「最後の築地」に触れようという駆け込み巡礼者が増加する。


●「食のダイバーシティ」が可視化される年に


 そのほか、外国人観光客を視野に入れた「多様化する和食」や、オーガニックカカオを使った「高カカオチョコレートの多様化」など各分野で多様化──「食のダイバーシティ」が可視化される年にもなるだろう。


 一方、不安材料として挙げられるのが、外食産業の冷え込みだ。昨年の上半期、好調だった外食産業がGW以降伸び悩んだ。4月の熊本地震や、8、9月の台風で東北や北海道の産地も大きなダメージを負った。


 対前年比の月次の売上高を比較しても、昨年まで窮状に喘いでいたマクドナルドやワタミなど一部のチェーンを除いて前年並みか前年割れが並び、外食産業全体では決して楽観視できる状態にはない。この先には消費税増税、さらには五輪に向けての受動喫煙防止対策なども求められている。飲食店にかかる負担は少なくない。


●昨年予想の反省会


 最後に、昨年の予想の反省会。昨年の年初予想としては、1.「ハンバーガー」、2.「テックスメックス」、3.「日本型漁業の転換」、4.「(外食での糖質摂取を見越した)家庭内糖質制限ブーム」、5.「牛かつ」などを挙げた。トレンドとしては前年から予見できたものも多く、結果としては1.○、2.◎、3.☓、4.△、5.○といったところだろうか。2.のテックスメックス(メキシコ風のアメリカ料理)などはまだ今年も伸びしろがありそうだ。


 3.の「日本型獲ったもん勝ち漁業の転換」は希望的観測だったが、残念ながら大勢は変わらず。2020年東京五輪へ向けての水産物調達基準も、持続性の高い水産物の提供が求められているのに、その基準自体をゆるくしようというウルトラCが持ち出されている。国内の漁獲量が減少し続け、全国どこの浜でも水揚げが減っているいま、転換へ向けての動きは待ったなしのはずなのだが……。


 それでも心ある人々は、声を上げ、持続型漁業の実現手法を模索している。最後になったが、やはり今年2017年の希望的観測にも「日本型獲ったもん勝ち漁業の転換」を盛り込みたい。

NEWSポストセブン

「ラーメン」をもっと詳しく

「ラーメン」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ