千葉佳祐さん(27歳)―『よびもり』CEO & Founder

2023年1月12日(木)11時0分 ソトコト

海での危険をすぐ伝えられる 「お守り」になる安心システム。


千葉佳祐さんは、水産業のまちとして発展した北海道紋別市出身だ。実は、羅臼町で漁師をしていた祖父を海難事故で亡くしている。「海沿いのまちでは、海の事故で大怪我をしたり、行方不明になったり、命を落としてしまったりする話をよく聞きます。祖父の体は見つからず、家族は行き場のない思いを抱えました。遺体が揚がらないと死亡証明ができず、遺族は保険金が受け取れない、母子家庭として認められないなど、制度面でも困ることは多いんです」と話す。どうしたら悲しい事故をなくせるのか。大切な人の帰りを待つ家族が、どうしたら安心できるか──。その問題を解決すべく千葉さんが開発したのが、海難救助効率化サービス『よびもり』だ。2021年秋から有料版サービスをスタートした。漁師が防水仕様の専用デバイスを首から掛けるなどして常に身に着け、緊急時にデバイスのボタンを3秒長押しするだけで、予め設定した仲間や家族にネットを介して1分でSOSを届けられるシステムになっている。仲間や家族が、時間が経ってから「帰ってこないのはおかしい」と捜索し始めるのではなく、すぐに危険をキャッチできる点が特徴だ。「水産業に関わる人だけでなく、釣りや海でのレジャー、観光など、海に出る人やその家族みんなの安心を目指しています。海に関わる救助のネットワークを全国につくりたいです」。


よびもり端末とアプリ





新北海道スタイル デジタルイノベーションプログラム








text by Miho Soga & Yoshino Kokubo


記事は雑誌ソトコト2023年1月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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