「キツツキ男」に「つば男」 タクシーで豹変した男たち

1月14日(日)16時0分 NEWSポストセブン

現役港区女子が不思議なハイスペ男たちの生態を斬る

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 恋愛市場、婚活市場の中で精力的に活動する「港区女子」と呼ばれる女性たちが話題になっている。会社経営者、有名人、業界人のほか、外資系金融勤務などのハイスペックな男性をつかまえるべく夜な夜なキラキラした飲み会を開く女性たちだ。総じて容姿レベルは高く、モデルやタレント活動もしている女性が多い。今回、現役の「港区女子」で、「月間100人」の合コン経験を通じて多くの男性を見てきたコラムニストの吉川リサコ氏が、そこで出会った不思議な男たちの生態を綴った。


 * * *

 ハイスペック男性と一緒に飲むときには、帰りが何時でも、電車がある時間でも、「タクシー代」を渡されることが多いもの。でも、中にはいる。コスパよくベッドに誘導したいのか、タクシー代を渡さずに「方向が同じだから一緒に乗っていこう」という男性。そういうのに限って、タクシーに乗った瞬間「ここは密室!」とばかりに豹変するケースが多い。


 ちょっと前に飲んだ男性は「同じ方向だね、一緒に帰ろう」と半ば強引に同じタクシーに乗ってきた。そして、運転手さんに行き先を2か所伝えた瞬間だった。


 隣に座った外資系金融の長身、阿部寛似の男性は、突然私の顔に覆いかぶさり、まるでキツツキのように私の頬から口にかけてキス攻撃をしてきた。


 それはそれはすごい連打で、途中から舌をだして、トントントントントントン……「なに!」「やめてください!」と言うと、「好き!」と目の前のキツツキは言った。


 またある時は、一緒にタクシーに乗った途端、「君をうちの会社で採用したいな、優秀だから」と言いだしたIT企業の社長がいた。IT社長の「採用したいな」という口説きは「あるある」なパターンだ。


「プランは2つ、どっちがいい?」と彼は言った。2つ?と聞き返すと彼は「普通に秘書課に配属させて俺のスケジュール管理や出張手配、同行、細かいアシスタント業務などをするのが1つ、あともう1つは」と言ったあと、手を握り、突然耳元で小声でこうささやいた。


「俺に永久就職」


 タクシーの中ではオトコの色々な欲望が突如むき出しになるが、私が今までで一番びっくりしたタクシー内での欲望は、素晴らしい(?)対価があった。


 その日、プライベートな飲み会で知り合ったのは、数億円の自分の船を所有するといい、都内に何棟もビルを持つと語った、なかなかハンサムなお金持ちであった。


 その夜、彼は飲み過ぎたのか、ベロベロに酔っていた。そんな彼を、指示されたマンションのエントランスまでタクシーで送り届けた。それまで彼は紳士であり、「本当にかわいいね、今度2人で会いたいよ」などと言うくらいであったが、エントランスに着くや「降りない」とゴネ始めた。その程度なら、運転手さんにとっても「よく見るやりとり」だろう。すると彼はこう言った。


「君のつばが欲しい」


 非常に、ストレートに、「変態」である。私は戸惑い、こちらの会話に聞き耳を立てる運転手さんの存在も気になり、「無理です。タクシーの中でそういうことしたがる人、嫌いだから」と告げたが、彼は一歩も引かなかった。


 数分、「つばちょうだい」のやり取りが続く。わけがわからない。もっとも、つばをあげようにも、アルコールで水分が飛び切った私の体から出る唾液は少量である。だが最後には面倒くさくなり、渾身の思いで、ペッ!とつばを吐き捨てると、彼は持っていたカバンから無造作に2万円を掴み、私に差し出した。


「んふふ、嬉しいな。ありがとう。これ男のけじめ」


 そして笑顔で降りていった。なんて潔いのだろうと、私はその行為になぜか感激した。酒の力は恐ろしい。私はその2万円を握りしめて、翌日の夕方にお酒が抜けるまでの間、その男に半日だけ恋をしていた。

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