75歳も自己負担率2割で“一生もの”の病気のお金はいくらに?

1月16日(木)6時0分 女性自身

「医療費は、手術や入院を伴う病気にばかり目が行きがちですが、1回の医療費が安価であっても、20年、30年と長期間治療を受け続けることの多い生活習慣病のほうが、最終的には高額になるケースがあるのです」



こう語るのは、新宿・立川・川崎に展開する駅ナカ診療所「ナビタスクリニック」理事長で、医師の久住英二さんだ。



「とくに年金生活では、医療費は大きな負担となります。ましてや、これまで医療費が1割負担だった75歳以上の高齢者でも、’22年度からは一定所得があれば2割負担に引き上げられる見通しです。身近な病気にいくらかかるのかを知っておき、健康に留意すれば、将来的に病気や家計の不安を軽減できるはずです」



そこで50代女性が罹患しやすい生活習慣病の医療費が、92歳(将来的に現在の平均寿命87歳よりも5年ほど長くなることを想定)までに、どのくらい膨れ上がるのかを算出してみた。



■高血圧



心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高める高血圧。薬は降圧剤のカルシウム拮抗薬(40.6円)と、高血圧の原因物質であるアンジオテンシン2の働きを弱めるARB(111円)の2種類だ。



「閉経期前後から高血圧を指摘される人が多いので50歳を発症年齢としましたが、治療終了は、想定した将来の平均寿命よりも10年ほど前倒ししました。降圧剤により立ちくらみを起こすと骨折の原因にもなるので、終末期が近くなり、血圧がすごく高くなければ、治療をやめることも選択肢です」



薬代・1年=5万5,334円

調剤費・1年=1万9,200円

診療費・1年=4万3,800円

1年のトータル医療費=11万8,334円



【50歳から82歳までの負担額】



現行制度だと(50〜69歳〈3割負担〉71万円、70〜74歳〈2割負担〉11万円8,330円、75〜82歳〈1割負担〉9万4,664円)92万2,994円

改正されると(50〜69歳〈3割負担〉71万円、70〜82歳〈2割負担〉30万7,658円)101万7,658円


改正後は9万4,664円増!



■骨粗しょう症



閉経後、女性ホルモンが不足した女性が罹患することが多い病気。一般的に65歳以上に発症することが多いので、65歳から92歳までの治療費を試算した。



「骨を壊す破骨細胞を阻害するビスホスホネート(2,500円)は、月に1回。骨を強くするカルシウム(5.7円)を1日2錠、カルシウムの吸収を促進するビタミンD(22円)は1日1錠と仮定」



年1回、4,500円ほどの骨密度検査が必要となる。



薬代・1年=4万2,191円

調剤費・1年=2万8,800円

診療費・1年=2万1,300円

1年のトータル医療費=9万2,291円



【65歳から92歳までの負担額】



現行制度だと(65〜69歳〈3割負担〉13万8,435円、70〜74歳〈2割負担〉9万円2,290円、75〜92歳〈1割負担〉16万6,122円)39万6,847円

改正されると(65〜69歳〈3割負担〉13万8,435円、70〜92歳〈2割負担〉42万4,534円)56万2,969円


改正後は16万6,122円増!



■腰痛



高齢となり体幹が弱まると、腰の筋肉に異常な負担がかかる。緊張した筋肉に痛みが走る状態が腰痛だ。



「治療のメインは湿布薬(1日32円)と、週3回ほど通院する電気治療(1回350円)です」



薬代・1年=1万1,680円

調剤費・1年=9,600円

診療費・1年=6万7,200円

1年のトータル医療費=8万8,480円



【50歳から82歳までの負担額】



現行制度だと(50〜69歳〈3割負担〉53万880円、70〜74歳〈2割負担〉8万円8,480円、75〜92歳〈1割負担〉15万9,264円)77万8,624円

改正されると(50〜69歳〈3割負担〉53万880円、70〜92歳〈2割負担〉40万7,008円)93万7,888円


改正後は15万9,264円増!



これらの病いは、日々の食事、運動など生活習慣の見直しで発症リスクを抑えられる。経済的な側面からも、健康づくりは大事なのだ。



「女性自身」2020年1月28日号 掲載

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