同じ「京都のラーメン屋」でもこれだけ違う! 人気店の味、カップ麺で食べ比べてみた

2022年1月16日(日)11時0分 Jタウンネット

マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界

第七十三回 ローソン限定の京都の名店「魁力屋」と「無鉄砲」のカップ麺 文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。

「ご当地カップ麺」連載の第七十三回目となる今回は、京都ラーメンの人気店「魁力屋」と「無鉄砲」の味を再現したローソン限定のカップ麺をレビューします。

京都の食といえば、懐石料理や精進料理など、上品でおとなしい味のイメージがある一方で、実は大衆的なラーメン文化が最も発達した地域のひとつ。

京料理のイメージとは真逆のこってり系がラーメンの主流となっています。

全国にチェーン展開する「京都ラーメン」

京都ラーメンは、博多の「豚骨」とか札幌の「味噌」のような単一の味ではなく、濃い醤油ラーメン、背脂醤油ラーメン、濃厚鶏白湯ラーメンなど多岐にわたり、それぞれに有名店が多く存在しています。

京都では多くの有名ラーメン店がしのぎを削っていますが、チェーン店が多いのも大きな特徴。

「天下一品」、「来来亭」(京都風醤油ラーメンで、本店は滋賀県)、「魁力屋」、「ラーメン横綱」など全国展開するチェーン店が多く、ご当地ラーメンとしての「京都ラーメン」の店舗は相当な数に上ります。実際に数えたわけではないですが、全国のご当地ラーメンの中でもトップクラスなのではないでしょうか。

今回ご紹介する「魁力屋」も全国に40店以上を展開するラーメン店で、背脂醤油ラーメンが看板メニュー。「無鉄砲」は奈良発祥で京都に本店がある、骨の髄まで煮込んだ濃厚な豚骨スープが特徴の人気ラーメン店です。

この2店を再現したカップ麺は、いずれもローソン限定の商品で、製造は日清食品が担当しています。

限りあるカップ麺コーナーの棚の中で、京都のラーメン店が2つ占めているのはすごいことではないでしょうか。

「魁力屋」&「無鉄砲」カップ麺の内容物を確認

どちらも別添袋は1つで、「魁力屋」には「特製コク旨オイル」、「無鉄砲」には「特性コク旨たれ」が入っています。同じメーカーが作っているだけあって、同じような袋です。

「魁力屋」には背脂風の粒状ラードがたくさん入っており、麺は油揚げ麺。

「無鉄砲」は大量のスープ粉末が入っており、具は少なめ、麺はノンフライ麺が使われています。

同じタテ型カップでも、かたや油揚げ麺、かたやノンフライ麺なのは面白いですね。

醤油のキレとこってり豚脂の共演「魁力屋 京都背脂風醤油ラーメン」

まずは「魁力屋」のカップ麺、「魁力屋 京都背脂風醤油ラーメン」。

今回はローソンと日清食品から発売されましたが、以前はファミリーマートやサンヨー食品から出ていたことがあります。

キレのある醤油味と背脂風の油脂が特徴のスープに、ストレートの中細麺とチャーシューチップやメンマなどの具が合わせられています。

鶏ガラベースの醤油味のスープは、お店同様に鋭いキレがあり、一般的に京風と言われるようなあっさり味とは対極にある強い味です。

スープ表面には背脂風の粒状ラードと豚脂がたくさん浮いており、鋭い醤油味を多少丸くするのとともに、鶏ガラの風味にこってり感を加えています。

濃い醤油味と豚脂の相性が抜群で、京都背脂醤油ラーメンのカップ麺は数ありますが、ここまで完成度の高いスープはそうそうないのではないでしょうか。

麺の再現度から伝わる「メーカーの本気」

麺は中細でストレート形状の油揚げ麺で、お店の中細麺が忠実に再現されています。油揚げ麺はノンフライ麺に比べると一般的に気泡を多く含み、ちょっとフカフカした食感になることが多いのですが、今回は油揚げ麺ながら麺密度が高く、お店のかため食感を実現しています。

麺もスープも思いのほかメーカーの本気を感じさせるものがありました。

具はチャーシューチップやメンマ、背脂風のラードやねぎ。

しっかり多めに入っており、麺屋スープだけではなく、具も充実していました。特にメンマは醤油味と好相性で良かったです。

ただ、お店だと京都らしくねぎが目立っているので、高望みし過ぎかもしれませんが、ねぎはもう大きなものが入っているとなお良かったでしょうか。

どろどろ豚骨スープを再現!「無鉄砲 濃厚とんこつ」

続いては「無鉄砲」のカップ麺、「無鉄砲 濃厚とんこつ」。

ローソン&日清食品の商品ですが、10年以上前から日清食品のカップ麺としてたびたび発売されてきました。

「無鉄砲」は濃厚な豚骨ラーメンのお店で、ご当地ラーメン「京都ラーメン」の括りで語られることはあまりありませんが、京都に本店があって、和歌山の「がんたれ」や兵庫の「ぶたのほし」など「無鉄砲」出身の有名店も輩出しています。

いわゆる「豚骨臭」とか「獣臭」と呼ばれるような豚骨の臭みは一切ありませんが、骨の存在を強く感じる濃厚な豚骨スープが特徴です。

すべて豚骨由来でどろどろなお店のスープとは違って、カップ麺のどろどろは多少不自然さを感じるものの、骨や脂など豚の旨みが全開。

まるで豚の塊のようなスープとなっています。

ライスとの相性も超抜群

麺は中細のノンフライ麺。スープを吸いやすい低加水麺食感で、スープと一体化することでさらにどろどろな食感が増します。

豚の旨みの強さと、どろどろで渾然一体化した麺とスープは、かなりジャンキーな味わいでした。

難点は具の少なさで、チャーシューチップは入っているものの、全体的に量が少なく、スープと麺だけで息切れしてしまっている印象です。

残ったスープにごはんを入れて混ぜ合わせると「無鉄砲メシ(ムテメシ)」になるとフタ裏に書かれていたので試してみました。

特にお店でそういうメニューが供されているわけではなさそうですが、どろどろな豚骨スープとごはんが合わないわけがありませんよね。

ラーメンのスープは総じてごはんと相性が良いですが、今回はいつもに増しておいしかったです。

京都食べ歩きの気分で、カップ麺食べ比べはいかが?

ローソンで売られている京都の有名ラーメン店の味を再現したカップ麺2種を食べました。

一口に京都と言ってもそれぞれ味は大きく違っており、キレの鋭い背脂醤油味と、どろどろな濃厚豚骨、それぞれにとても食べ応えがありました。

今回のローソン2品以外にも、「天下一品」や「来来亭」のカップ麺も出ているので、京都ラーメンを食べ歩く気分でカップ麺を食べ比べてみると面白いかもしれません。

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