日本で最もアツい市場に登場! 三菱自動車の新車「ekスペース」

1月16日(木)12時0分 マイナビニュース

三菱自動車工業はこのほど、次期型となる軽スーパーハイトワゴン「ekスペース」シリーズのプロトタイプを初披露した。現時点で販売時期や仕様の詳細は明かされていないものの、近日中に予約受注が始まる予定だ。挑むは「日本で最もアツい市場」だ。

○三菱独自の「ekクロススペース」も誕生!

三菱自動車は「ekスペース」のプロトタイプを「東京オートサロン 2020」の会場で初披露した。そもそも、改造車が主役の東京オートサロンで新型車がお披露目される点に疑問を持つ人も多いかもしれないが、昨今の東京オートサロンは、クルマ好きが多く集う場所として国内外の自動車メーカーが注目しており、積極的に出展を行っている。国産自動車メーカーのブースでは、各社が作り上げたカスタマイズカーなどが展示されるとともに、目玉として、発売前の新型車が登場するケースが増えているのだ。

「ekスペース」の場合、三菱自動車は「東京モーターショー 2019」で「SUPER HEIGHT K-WAGON CONCEPT」(スーパーハイト軽ワゴンコンセプト)としてコンセプトカーを世界初公開していたが、東京オートサロンでは、それが新しい「ekスペース」であることを明らかにしたのだ。

ekスペースは「軽スーパーハイトワゴン」と呼ばれるタイプのクルマだ。つまり、背が高いワゴンタイプの軽自動車である。2代目となる新型は現行型同様、後部両側にスライドドアを採用。すっきりしたプレーンなフロントマスクデザインを持つ標準車「ekスペース」に加え、SUVテイストのクロスオーバーモデル「ekクロススペース」も用意する。

ekクロススペースは、他社にはない三菱独自のクロスオーバー仕様ワゴンだ。その最大の特徴は、三菱のSUVが採用している「ダイナミックシールド」による力強いフロントマスクだろう。現行型とは異なり、ルーフレールも採用している。これら見た目の差別化で、SUV風味を出しているのだ。このクルマが、現行型「ekスペースカスタム」のポジションを受け継ぐ。

新型ekスペースの基本的な部分は、軽ハイトワゴンである「ekワゴン/ekクロス」と同じだ。新型も「ekワゴン」シリーズ同様、日産自動車が企画・開発を担当し、三菱自動車は生産を担っている。そのため、ekワゴンが搭載する高速道路同一車線運転支援機能「マイパイロット」に代表される先進の運転支援機能など、装備内容はほぼ同等となるだろう。

軽スーパーハイトワゴンは、車重が重くて重心が高いことから、走りについてはイマイチという声が多かったが、各社の新世代モデルは、走りについても磨きをかけている。「ekワゴン」も走りの評判の良いクルマであるだけに、新型ekスペースについても、この点の進化を期待したいところだ。

○激戦の軽スーパーハイトワゴン市場

軽スーパーハイトワゴンという車種は今や、軽自動車市場の主役といえる存在だ。2019年の軽自動車販売台数を見ると、トップ3はホンダ「N-BOX」、ダイハツ工業「タント」、スズキ「スペーシア」と全てが軽スーパーハイトワゴンである。

かつてはハッチバックモデルが中心だった軽自動車市場の構成を大きく変えたのは、1993年に登場した軽ハイトワゴンのスズキ「ワゴンR」だった。その後、1995年にはダイハツ「ムーブ」が登場。この2モデルが市場を席巻した。その2大巨頭の圧倒的な存在感を揺るがしたのが、2003年に登場したダイハツ「タント」だ。このクルマは、軽ハイトワゴンよりも背の高い軽自動車ということで「軽スーパーハイトワゴン」と呼ばれるようになる。

その特徴は、全高の高さによる広さと、後部シートにアクセスしやすいスライドドアの存在だった。子育て中の母親を中心に、狭い駐車場でも後席の子供や荷物にアクセスしやすい使い勝手が支持されたのだ。つまり、1台で何でもこなせる「軽自動車のミニバン」といえるキャラクターが、軽スーパーハイトワゴンの特徴なのである。その絶対王者として君臨するのが、軽自動車を含む全ての自動車の中で、3年連続で販売台数1位を記録しているN-BOXだ。

今や軽スーパーハイトワゴン市場は、軽自動車を得意とする各社がしのぎを削るカテゴリーとなっている。ekスペースも、販売台数だけで勝ち負けを判断するのであれば、厳しい戦いを余儀なくされるであろう。ただ、生産効率という話になると、事情は少々異なる。

日産「デイズ・ルークス」と現行型「ekスペース」は姉妹車だ。「ekスペース」が新型を公開した今、「デイズ・ルークス」も当然、近いタイミングでフルモデルチェンジを迎えるだろう。いうまでもなく、販売力は三菱自動車よりも日産の方が圧倒的に上で、2019年の年間販売台数を見ると、「デイズ」シリーズは4位にランクインしていて、その数はekシリーズの約3.5倍に上る。

しかしながら、デイズ・ルークスもekスペースも、生産しているのは三菱自動車だ。つまり、デイズが売れれば三菱自動車にもメリットがある。このデイズ・ルークスとekスペースを合計すると、販売台数は2019年の軽自動車ランキングで2位までポジションアップする。

軽自動車は総じて利幅の薄いクルマだが、全国的なニーズは高く、集客効果の高い車種といえる。それだけにekシリーズは、三菱自動車の販売ネットワークの維持と拡大という観点から見ると、縁の下の力持ち的な存在となる。「軽クロスオーバー・スーパーハイトワゴン」と呼べる「ekクロススペース」の持ち味は、他社には求められない特徴である。その独自性で、どれだけ新たな顧客をつかめるかも重要なポイントとなりそうだ。

○著者情報:大音安弘(オオト・ヤスヒロ)
1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。主な活動媒体に『webCG』『ベストカーWEB』『オートカージャパン』『日経スタイル』『グーマガジン』『モーターファン.jp』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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