「鼻出しマスク」の受験生「失格」に賛否割れる…不正行為とされても仕方なかった?

1月18日(月)15時30分 弁護士ドットコム

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センター試験の後継として今年からはじまった「大学入学共通テスト」で、監督者から繰り返し注意されたにもかかわらず、鼻を出してマスクするのをやめなかった受験生が不正行為とみなされて、成績無効となった。


大学入試センターによると、事前に、すべての受験生に受験票とともに「受験上の注意」という小冊子を郵送している。その中で「試験場内では常にマスクを正しく着用してください」と求めていた。また、感覚過敏などでマスク着用が難しい場合は、事前に申請すれば、別室の受験が可能だった。


この受験生は、試験中にマスクを正しく着用するよう、監督者から繰り返し注意を受けたが、聞き入れなかったために、6回目に「次に従わなかった場合は、不正行為になります」と通告された。しかし、それでも改めなかったので、7回目で失格となったという。


この対応をめぐっては、ネット上で「当然」という声がある一方、「かわいそう」という同情も寄せられている。受験生は成績無効となって仕方ないのだろうか。田沢剛弁護士に聞いた。


●「試験場内での正しいマスクの着用」求めることに合理性

不正行為とみなされたポイントは?


「鼻出しマスクも飛沫感染のリスクが指摘されている以上、大学入学共通テストの受験上の注意事項として『試験場内での正しいマスクの着用』が求められていたとしても、それ自体は合理性のあるものと言えますし、試験監督者が鼻出しマスクをやめるように指導をすることも問題はないでしょう。


そして、すべての教科・科目の成績を無効にする『不正行為』も注意事項の中に別途明示されており、これによれば、一般的に想定されるカンニングのみならず、『試験場において他の受験生の迷惑となる行為をすること』や『試験場において監督者等の指示に従わないこと』も不正行為となることがある旨が定められています。


もちろん、このような行為があったとしとしても、直ちに不正行為とされるところまでいくか否かは、やはり程度によるとしか言いようがありません。


報道による限り、今回の場合、事前にルールが公表されていて、かつ、ルールを遵守できないやむを得ない事情がある場合の代替手段も用意されていたこと、当の本人にそのようなやむを得ない事情自体が存在しなかった模様であること、6回も注意指導されて、最後に『失格』を警告されていたにもかかわらず、なおも注意指導(指示)に従わなかったことなどから考えますと、再三にわたる監督者の指示に従わなかったことをもって不正行為とされ、『失格』とされることもやむを得ないのといえるではないでしょうか」


成績無効とされた受験生が裁判で争うことはできる?


「報道された事実関係を前提とする限り、結論的には厳しいのではないでしょうか。緊急事態での受験であることから、大目に見てあげたいという気持ちになるのもわからないではないですが、緊急事態であるからこそ、その場合のルールないし指導には厳格に従ってもらわないと困るという考えも当然理解できますので」


【取材協力弁護士】
田沢 剛(たざわ・たけし)弁護士
1967年、大阪府四条畷市生まれ。94年に裁判官任官(名古屋地方裁判所)。以降、広島地方・家庭裁判所福山支部、横浜地方裁判所勤務を経て、02年に弁護士登録。相模原で開業後、新横浜へ事務所を移転。得意案件は倒産処理、交通事故(被害者側)などの一般民事。趣味は、テニス、バレーボール。
事務所名:新横浜アーバン・クリエイト法律事務所
事務所URL:http://www.uc-law.jp

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