冷戦時代のソ連の市民の日常をバービーとケンの人形で再現したロシアの写真家

1月20日(月)18時30分 カラパイア

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image credit:lara_art_dolls/Instagram

 マテル社のバービーはアメリカ製の人形で、時代を反映し、流行に応じてマイナーチェンジを繰り返しながら今にいたる。

 バービーはまさにアメリカを象徴する人形なのだが、そこを逆手にとり、ロシアの人形写真家ララ・ヴィチュザーニナ(Lara Vychuzhanina)は面白い着眼点でバービーとケンの人形を使った構図を作り上げた。

 1980年代の冷戦時代のソ連の市民の姿を、バービーとケンで再現したのだ。アメリカの象徴である2人が、敵視されていたロシア側で日常を送っているその光景は、実にユニークで興味深いものがある。
・ソビエト時代の実生活がミニチュアジオラマで再現

 ロシア、エカテリンブルク出身の人形写真家ララ・ヴィチュザーニナは、ソビエト時代のアパートキッチンの実物に近いミニチュアジオラマを作成し、バービーとケンを使って1986年頃の旧ソ連に住んでいた市民の姿を再現した。

 つまりこのジオラマを見ることで、当時のソ連の人々の暮らしがわかるのだ。


 ララは、当時の実際の写真を参照し、ソビエトの冷戦時代のスタイルを実に詳細に捉えている。

 バービーとケンが住むアパートには、長年使い古して錆びた鍋やフライパン、台所用品などがリアルに飾られてある。


 また、ミニチュアの缶や箱などの食品には、小さいラベルを印刷し丁寧に貼り付ける徹底ぶりを見せた。


 質素なアパートの一室で、バービーとケンが当時の市民のシンプルな朝食をとっているレイアウトは、人形がモデルとはいえどこかリアルだ。


・質素な暮らしを再現するバービー

 普段のバービーの贅沢なイメージからは想像もつかないほどの世界を、詳細に表現したララ。

 彼女のインスタグラムには、バスローブに身を包み、髪をタオルで包んだバービーが、洗濯物の下着を狭いキッチンに干しながらポーズしている姿や、


 髪をきっちりと整えたケンが、キッチンでPravda新聞(旧共産党の公式新聞)を読んでいる姿、


 また、バービーの母親らしき人物がキッチンで皿を洗っている姿など、印象的な当時の市民の暮らしぶりが捉えられている。


 よく見ると、ジオラマウインドーから光も差し込んでいる。


・人形と写真への情熱がユニークなアート作品に

 人形写真家および商業写真家として活躍するララは、2013年から人形を使った撮影を始めたそうだ。

 ララの人形と写真への情熱は、本人のコメントからも十分伝わってくる。

私の趣味は、人形に対する愛と写真に対する愛をうまく共生させることです。人形は最高のモデルで、私のヒロインやヒーローです。私は、人形を使用してファッションではなくストーリーを撮影しています。

人間と違い、人形は移り気ではありません。また、ただ黙ってそこにいてくれるだけで、とてもいい被写体になります。真冬にドレスを着せても風邪をひきませんしね。私は、人形と仕事をすることが楽しくて仕方ないんです。


 旧ソ連時代をバービーとケンで再現するというユニークなアイデアで、ノスタルジックな詳細を備えたソビエト時代を見事に演出したララ。彼女の他の作品は、インスタグラムFacebookでも見ることができる。

written by Scarlet / edited by parumo

カラパイア

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